エヴァ・キャシディが逝去した年にレコーディングしたライヴ盤『ライブ・アット・ブルース・アレイ』
“夭折の天才歌手”という表現が大げさではないぐらい、彼女の歌は素晴らしい。ジャズ、ブルース、ロック、カントリー、ソウル、フォークなど、どんな音楽でも自分流にこなし、時には神がかっているほどの神聖さをも感じさせる彼女の歌唱力は並外れていた。1996年11月、悪性黒色腫(皮膚癌の一種)によって33歳の若さで亡くなってしまうが、死後にアメリカのテレビで取り上げられたことから大きな脚光を浴び、今でも未発表曲を収録したアルバムのリリースは続いている。今回は亡くなる10カ月前の1996年1月にライヴ録音され、生前最後にリリースされた傑作『ライブ・アット・ブルース・アレイ』を紹介する。