David Cunningham

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David Cunninghamデヴィッド・カニンガム

デヴィッド・カニンガムは54年、アイルランドに生まれた。
音楽家及びプロデューサーとして活動を始めたのは76年で、同年には自身のレーベル<ピアノ・レコーズ>を発足し、ソロ・アルバム『グレイ・スケール』をリリース。世界的にその名が知られたのは、やはりフライング・リザーズ名義の「マネー」(79年/全英5位、全米34位を記録)のヒットであろう。
以降、前衛インダストリアル系グループのディス・ヒートやパレ・シャウムブルクのプロデュースを手がけ、元ヘンリー・カウのジョン・クリーヴスとのコラボレイト作なども発表。また、もはやライフワークともいえるマイケル・ナイマンのアルバム・プロデュース(主にピーター・グリーナウェイのための映画音楽)は現在20作近くにもなり、自らも『ゴースト・ダンス』(83年)、『カフカ』(88年)などの映画音楽や舞踊音楽を手がけている。
ガラス細工のような繊細さと緻密なサウンド・コラージュ、そしてすべてを漂白するような際立つ透明感。彼の手によれば、人間の肉声すらも過剰なアイデンティティを失った、純粋なテクスチャーとして昇華されていくようだ。——心が深呼吸を欲しているとき、雑念を振り払いたいときにこそ聴いてみてはいかがだろうか。