Crawdaddys

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    Crawdaddysクロウダディーズ

    ザ・ヒットメイカーズのメンバーであったロン・シルヴァとスティーヴ・ポターフが70年代後半にバンドを解散、R&Bを凝縮させたサウンド作りを目指して新しく結成したのがクロウダディーズ。サンディエゴのアンダーグラウンドの若者たち大半が当時まだ、サイケデリックなミュージックと60年代のロンドン風ファッションに憑りつかれていた80年代前半、このバンドは既に新しい試みに挑戦しようとしていた。つまり、第二次モッズ・ブームがアメリカに上陸する以前の79年から、モッズ界に影響を及ぼすバンドとしてとっくに存在していたということなのだ。チャック・ベリー、オーティス・レディング、そしてリトル・リチャードを真似たビートルズ風のロック・サウンドでスタートした彼らだが、その余りある音楽への情熱でバンド独自の世界を徐々に築き上げていく。中でも『クロウダディーズ・エクスプレス』はバンド史上最高の出来を誇るアルバム。収録曲のほとんどはブルースのスタンダードやブリティッシュR&Bのカヴァー作なのだが、そこにはもう二度と作り出すことのできない素晴らしき瞬間がバッチリと収められている。