Courtney Pine

ジャマイカ系民族衣装を身にまとい（最近はクラブっぽいジャージだったりもするが）、大柄なボディを揺らしながら白目剥いてプレイするコートニー・パイン——奇怪である。でもね、メロディアスなブロウと幾何学的アウト・フレーズのコンビネーションは絶妙。また、ジャズを根幹に、ロック／ソウル／レゲエ／ヒップホップ……あらゆる要素をミックスし、超クールなクラブ・サウンドに仕上げる技巧は錬金術師のようだ。彼がそんな音楽コンセプトを築きあげたのは90年代。80年代はジョン・コルトレーン、ウェイン・ショーターを踏襲するスタイルで、コンボやビッグ・バンドやってたのに。
いまやロンドンのジャズ／クラブ・シーンで第一人者となり、00年には大英帝国勲章まで与えられている。そのイノベイターぶりは、本当の意味でのジャズ・プレイヤーだと言っていい。