Borbetomagus

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    Borbetomagusボルビトマグース

    ニューヨークの轟爆音グループ、ボルビトマグース。謎を秘めたそのバンド名は古代ゲルマンのミミズの都市を指すというが、彼らのモンスター・サウンドのキャラクターとして、不思議とピッタリくる。それほど、ボルビトマグースは恐ろしくも奥深いのだ。
    結成は79年1月。ジム・ソウター(サックス)、ドン・ディートリッヒ(サックス)、ドナルド・ミラー(ギター)が中心メンバーで、わりと初期の方にはブライアン・ドハーティ(エレクトロニクス)も在籍していた。この楽器編成で、まさに爆裂音を轟かすのである。2本の巨大なサックスの音圧が空気を揺るがし、その間を縫うようにねじれたギターの音が走り、絡まっていく。基本的にはインプロヴィゼイションで、フリー・ジャズにも通じるが何が何だかわからないほどの音量であり、真にジャンル超越の洪水と爆発のサウンドなのだ。ボルビトマグースは、インテリジェントな鋭さとブルータルな獰猛さが同居し、カオスとコスモスの奇跡の調和である。
    アルバムは多数出しており、大半のリリース元は自分たちのレーベルの<AGARIC>だ。96年には初来日公演が実現。鼓膜がおかしくなって終演後には会話ができなくなった人が続出、という逸話も生まれた。そのときの模様を収めた『Live In Tokyo』が、<ALCHEMY>から出た。またもう1枚日本盤では、82年録音の『Live At InRoads』が<PSF>からリリースされている。さらに、他のミュージシャンとのコラボレーションもやっている。たとえば、ジムとドンはサーストン・ムーア(ソニック・ユース)と合体してライヴをやり、『Barefoot In The Head』というCDにもなった。 (行川和彦)

    曲・アルバム

    • Both Noises End Burning

      2007年01月01日リリース
      アルバム・1曲

      • 1 The Challenger Deep

      Both Noises End Burning

    • Live At InRoads

      1992年01月01日リリース
      アルバム・1曲

      • 1 At

      Live At InRoads