Bob Berg

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    Bob Bergボブ・バーグ

    1951年生まれのジャズ/フュージョン両刀使いのテナープレイヤー。そのコンテンポラリーなスタイル、どんな音楽でも吹きこなしてしまうプレイ、確実な演奏技術は特筆するものがある。それもそのはず、彼はクラシックで有名なジュリアード音楽院を出ているのだ。しかしその後、面白いことに70年代初頭はタクシーの運転手として過ごす。確かに彼の顔はいかにもN.Y.で黄色い車をころがしそうなヒゲ面だ(失礼!)。
    74年にホレス・シルバー(p)のバンドで第一線に復帰した後、83年からアル・フォスター(sax)の紹介でマイルス・デイヴィス(tp)のバンドに3年間在籍し、一気に注目を集めることに。またリーダー作も多数発表しており、一方でチック・コリア(p)の主宰する<ストレッチ・レーベル>に在籍。しかも、コリアのエレクトリック・バンドにも正式メンバーとして加入していた。多数のジャズ・ジャイアントからの信頼を得ている彼はマイケル・ブレッカー(ts)の後を継ぐ者として期待されているが、よりジャズらしいニュアンスを兼ね備えているため、その演奏はフュージョン・ファンはもとより「わしゃあ、4ビートしか聴かん」という頑固なジャズ・ファンの心をもワシ掴みするだろう。
    しかし02年末、突然の訃報が飛び込んでくる。——ボブ・バーグ、交通事故により逝去。今後の活躍にさらなる期待がかかっていた最中だけに、残念でならない。