Blood, Sweat and Tears

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    Blood, Sweat and Tearsブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ

    ジョニー・キャッシュの名ナンバーをまんまバンド名に拝借した、ブラッド,スウェット&ティアーズ(ステッツァソニックのアルバム名でもありますな)。彼らはバツグンのバンド・アンサンブルで、ロック/ジャズ/クラシックの垣根を取りはらったブラス・ロックの基盤を確立。後にそれはサンタナやシカゴらによって受け継がれ、近年ではマザーアースにもその影響の一端を垣間見ることができる。
    バンドの結成は、元イーヴン・ダズン・ジャグ・バンドのスティーヴ・カッツが、エリック・アンダーソンのバック・メンバーとして知られるボビー・コロンビーと出会ったことに由来する。そこに、「アイ・スタンド・アローン」「ジョリー」などの名曲を世に送ったことで著名なアル・クーパーが加わり、グループの核が形成された。そして68年、『子供は人類の父である』でアルバム・デビューを果たす。ものの、そのクーパーを始めオリジナル・メンバー3人があっけなく脱退。その後も幾度となくメンバー・チェンジが繰り返された。
    彼らの最高傑作と評価されているのは、69年にリリースされた『血と汗と涙』である。叙情的なメロディと、ブラス・ロック・サウンドのパワフルでブ厚いアンサンブルが人々の心ワシ掴み、第12回グラミー賞の栄冠にまで輝いた。
    ——グループの絶頂期は69〜71年の僅か2年と言われているが、ブラッド,スウェット&ティアーズが音楽界全般に与えた影響は未だ計り知れず、彼らが投じたサウンド・スタイルはあまりにも偉大だ。