アイナ・ジ・エンド、THE SPELLBOUND、高橋幸宏プロジェクト、milet等、数々の現場に参加しながら、所属するDATSやyahyelの活動も精力的に行うドラマー、大井一彌。時代にフィットするハイブリッドスタイルに迫る【インタビュー連載・匠の人】
自身が所属するDATSやyahyel、Ortanceというバンドのみならず、milet、アイナ・ジ・エンド、UA、AAAMYYY、DAOKO、佐藤千亜妃、THE SPELLBOUND、そして絶え間ない憧憬を抱く高橋幸宏のプロジェクトなど、枚挙にいとまがないほど数々のアーティストのライブ/レコーディングに参加しているドラマー、大井一彌。彼のドラムプレイのシグネチャーになっているのは、生音と電子音を刺激的に共振させる、いわゆるハイブリッドと呼ばれるスタイルだ。DAW上で産声をあげた打ち込みの音が鳴っている楽曲が大半を占める現在進行系の音楽シーンにおいて、タフな肉体性と電子音との高い親和性を兼ね備えた大井のスタイルは、まさに時代にジャストなビートを響かせていると言える。その一方で、彼自身が語っているようにハイブリッドスタイルは80年代に原型が構築され、一度隆盛を極めたものでもある。今、大井一彌というドラマーがなぜこれほどまで多くのアーティストに求められるのか、その理由をこのインタビューで確かめてもらえたら幸いだ。