バッドフィンガーの『ノー・ダイス』は、その後のパワーポップやブリットポップに影響を与えた傑作
70年代初頭にいくつかの名曲をリリースし、世界的な人気を博したバッドフィンガーであったが、悪徳マネージャーに引っ掛かったばかりに給料すら支払われず、リーダーで名ソングライターのピート・ハムは極貧の中で自死を選び、失速していく。彼の死後は一旦解散するものの、残されたメンバーでグループは存続。しかし、ハムと並ぶ名ソングライターのトム・エバンスも自殺しグループは壊滅する。今回取り上げる『ノー・ダイス』はバッドフィンガーとしての実質的なデビューアルバムで、大ヒットした名曲「嵐の恋」と多くのカバーバージョンを生んだ「ウィズアウト・ユー」を収録した彼らの最高傑作だ。