And You Will Know Us By the Trail of Dead

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    And You Will Know Us By the Trail of Deadアンド・ユー・ウィル・ノウ・アス・バイ・ザ・トレイル・オブ・デッド

    「…そして、オマエは死者の道により我々を知ることになるだろう」、ってよくわからんバンド名である。「バンド名はそれに追随する楽曲にとって、少なからず想像を喚起する役目をもつ」という文章をどこかで読んだが、果たしてこのバンド名から呼び起こされるサウンド・イメージはいかなるものか?
    94年、ジェイソン・リース(vo&g&dr)とコンラッド・キーリィ(vo&g&dr)によって結成。地元オースティンにおいてデュオ形態によるライヴ後、ケヴィン・アレン(g)、ニール・バスク(b&sampler)が加入し4人体制となる。
    彼らの曲を一聴すると、原初的なUSハード・コアの系譜をまんま受け継ぐ若手バンドという印象を受ける。しかしながら、ソニック・ユース「ティーンネイジ・ライオット」期を想起させる青白いノイズの応酬しかり、プログレッシヴ・ロック調の様式美あふれる展開しかり、やはりバンド名同様一筋縄ではいかないのだ。グランジ以前のスリリングな暴力性をもちながら、このバンドの殺傷能力は「ノイズ」によるものではなく「メロディ」主体という点で新しい。ただただ、リスナーの耳は虜になり、"不安感"や"自虐性"といった居心地の悪さを感じながらも、身体を駆け巡る熱い脈動に身を任すしかないのである。
    98年に『…And You Will Know Us By The Trail of Dead』、99年に『Madonna』という2枚のアルバムをリリースしている。