『フィルモアの奇跡』はスーパー・セッション隆盛の先駆けとなったロック史に残るライヴ盤
1968年9月、マイク・ブルームフィールドとアル・クーパーが中心となったライヴセッションがフィルモア・ウエストで開催された。インプロビゼーションを中心にしたパフォーマーたちの高い演奏力は、50年代に生まれたロックが完成に近づきつつあることを証明するものであった。70年代初頭、日本も含め世界中のロック好きを自称する若者たちにとって、『フィルモアの奇跡』(原題:The Live Adventure Of Mike Bloomfield And Al Kooper)はバイブルとなった。LP時代は2枚組でリリースされ、高価であったにもかかわらず世界のロックフリークたちを狂喜させた、まさしく“フィルモアの奇跡”なのである。