ワールドミュージック・ムーブメントを牽引した3ムスタファズ3の異色作『ハート・オブ・アンクル』
1982年はピーター・ゲイブリエルの舵取りで行なわれたワールドミュージックのビッグイベント『WOMAD(World of Music, Arts and Dance)』の第1回目が開催された年である。この世界的なイベントがきっかけとなり90年代初頭ぐらいまで、ワールドミュージックが世界中を席巻することになった。アフリカをはじめ、中米、トルコ、イスラエル、インド、パキスタンなどのアーティストに世界中の音楽ファンの注目が集まることになる。当時は日本でも、レコード店にワールドミュージックのコーナーができたり、ワールドミュージックの専門店が登場したりしていたのである。これらは直接間接を問わずゲイブリエルの影響だと言えるかもしれない。彼のクリエイティビティが最も冴えていたのはこの時期であったと思う。『WOMAD』は現在も世界各地で開催されており、世界最大の音楽フェスとしてギネス登録されている。