KID FRESINOやD.A.N.、蓮沼執太フィル等にスティールパン奏者として参加し、Black Boboiの活動や劇伴も手掛ける小林うてな。ソロ作のリリースを機に、多面的な表現の核に迫る【インタビュー連載・匠の人】
シンガーソングライターとして、エレクトロユニット・Black Boboiのメンバーとして、濃厚な音楽像を持つ数々のアーティストをサポートするスティールパン奏者として。小林うてなという音楽家の顔はじつに多面的であると同時に、その独立した表現性の核にはインダストリアルな要素とプリミティブな要素の極自然な共存というポイントがあるように思う。3月末にUtena Kobayashi名義でリリースしたニューソロアルバム『6 roads』では、その現代的なトライブミュージックとしてのすごみと美しさが浮き彫りになっている。ちなみにこのアルバムは各楽曲の背景にある物語が呼応し、短編の連なりが長編を形成する性格を持っていることから、絵本も制作された。こういったクリエイティブのあり方も、小林うてなの音楽作品ならではの説得力がある。長野県原村の出身の彼女がどのような音楽人生軌跡を経て現在地に至ったのかを、じっくり語ってくれた。