本田竹曠&渡辺貞夫カルテット

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    本田竹曠&渡辺貞夫カルテットホンダタケヒロ・アンド・ワタナベサダオ・カルテット

    日本ジャズ界のカリスマ的存在——渡辺貞夫(以下ナベサダ)と、日本ジャズ・ピアノ界の草分け的存在——本田竹曠の双頭バンド。60年代終わりから70年代初頭にかけて活躍し、メンバーは本田(p)、ナベサダ(as)、鈴木良雄(b)、増尾好秋(g)、渡辺文男(ds)という、その時期のび盛りの5人だった。今ふりかえってみれば実に豪華なラインナップである。本田の芸術的タッチから奏でられるピアノは、粒のたったキラめくような音を奏で(ピアノというよりハープシコードのようだ)、ナベサダはアメリカで本場ジャズの空気をたっぷり吸い込み、ひとまわりスケールの大きさを感じさせるプレイをしている(いい意味でチャーリー・パーカーそっくり)。また、その頃ナベサダが刺激を受けていたビートルズの曲を、ジャズ・スタイルで演奏していたりもする。正面きってストレート・アヘッドなジャズを演奏しているのではなく、遊び心も忘れないところが余裕を感じさせるのだ。モノクロの写真を見るような“古き良き時代のジャズ”をまのあたりにできるだろう。