佐野元春が大ブレイク直前にリリースした2ndアルバム『Heart Beat』は21世紀の10代の心も震わせる名盤!
佐野元春はロックンローラーであり、パンクスであり、ラッパーであり、都市の息づかいを瑞々しくも鋭い言葉で描く詩人である。1982年に発表されたアルバム『SOMEDAY』がオリコンアルバムチャートの4位を獲得し、佐野元春の名前は全国的に有名になるが、その前の年の1981年にリリースされた2ndアルバム『Heart Beat』はまぎれもない名盤であり、大ヒットこそしなかったけれど、当時、確実にティーンエイジャーの心を掴んでいた。「佐野元春の新しいアルバム聴いた?」という会話がクラスで交わされ、レコードを持っていなくても、友達に貸してもらったり、カセットに録音してもらったり、もしくはドライブに行ったら彼氏が車の中で曲をかけていたりーー。当時、学生だった人はそんな経験をしている人がけっこう多いのではないのだろうか。ブレイクの予兆になったのが『Heart Beat』だったと言っても過言ではないと思う。