久美かおり&ザ・タイガース

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    久美かおり&ザ・タイガースクミカオリ・アンド・ザ・タイガース

    その人気は現在では想像を絶するものがあったザ・タイガース。稀代のフロントマン、ジュリーこと沢田研ニを擁したグループは「モナリザの微笑」(67年)を皮切りに次々とヒットを連発し、GSブームの頂点に君臨したのであった。そんな人気に便乗して撮られた映画『世界はボクらを待っている』(68年公開)。そこで披露された主演女優、久美かおりとのデュエット「星のプリンス」は流麗なストリングスに導かれ、ジュリーのハミングで始まるロマンティックなGS歌謡の名曲だ。久美の60'sアイドルらしい生真面目な歌唱もキュートな佇まいをみせている。
    その後、久美は「くちづけが怖い」(68年)でソロ・デビューを果たし、レコード大賞新人賞も受賞する。が、ジュリー・ファンの嫉妬に満ちた嫌がらせや脅迫に耐えきれなくなり、芸能界から引退。——時代の徒花として散っていったのである。