ユンナ

日本人はアジアのアーティストが大好きである。古くは……と挙げていくとアグネス・チャンだの桂銀淑だのテレサ・テンだのと幾らでも列挙できるが、最近ではBoA然り、ペ・ヨンジュン然り……とにかくアジアンが大好きなのだ。その純粋な笑顔のなかに日本人が忘れてしまったピュアネスを見出せるからなのか、なんなのか……。
ユンナも韓国のアーティストである。88年生まれにして、日本語・英語・ハングルができて、キーボードのブラインド・タッチができて、ピアノを弾きこなし、さらに耳まで動かせる（？）のだから、素晴らしいではないか。そんなユンナはかねてからの夢「いつか日本で歌ってみたい」を叶えるべく、韓国のヴォーカリスト・オーディションを受け見事合格。日本語の勉強やレコーディングをしながら、デビューのチャンスを窺っていた。
そういうユンナの夢は、TVドラマ『東京湾景〜Destiny of Love〜』のプロデューサーの手元に彼女のデモ・テープが渡ったことで叶うことに。そのドラマの挿入歌として彼女のデビュー・シングル「ゆびきり」が採用されたのだ。さらに今後、故郷・韓国でのデビューも決まっているという。ユンナといういちアーティストのヒストリーの幕が上ったのである。
ピュアかつ可憐でいながら芯の通った歌声。そして確かなテクニックに裏打ちされたピアノの演奏力。彼女の才能は聴き手を次々と魅了していく——。そういう凛とした魅力がユンナにはある。