【メガマソ】『MEGAMASSO 2015 SUMMER ONEMAN TOUR 「ニシュタリ記念宇宙ステーションへの留学」』2015年9月9日 at 渋谷WWW
8月にリリースしたニューアルバム『ニシュタリ』を引っ提げての全国ツアー最終日。序盤のMCでインザーギ(Vo)が“このツアー、ほんとに良かったから、今日は一番良かったと思える日にしたい”と語った通り、そのパフォーマンスの端々から特別な想いを感じることのできたステージだった。ギターの涼平が夢で見た物語をもとに作られたという『ニシュタリ』はストーリー性の高いコンセプチュアルな作品だけに、ライヴもヘヴィな「ザファーストニムバス」から突き抜けるサウンドがさわやかな「スノウィブルー」へと、アルバムと同じ並びで幕開け。打ち込みビートに手拍子が沸く「タイダルピンク」など、ダンサブルなナンバーでは青にピンクに光る指輪がフロアーで数多煌き、涼平もニコニコしながらスカートを揺らす反面、ピアノが導くバラード「とても小さくて、きっともう見えない。」ではインザーギの悲痛なヴォーカルが胸に刺さる。さらに、同曲の歌詞にも登場する「エインシャントソング」では、なんと音源でメインヴォーカルを務めていたジャズシンガー・Ryu Mihoがサプライズ登場。彼女が放つ透き通った歌声のもと、赤く染まる空間にローな演奏が地を這い、一転、光も音も青い世界に抜けてゆくさまは実にファンタスティックで、アルバムの持つ摩訶不思議なムードを見事に体現してみせた。続く「かごめかごめ in TOKYO Night」でもインザーギが彼女とのお洒落なツインヴォーカルを聴かせると一転、台風直下の天気にちなんで“もう雨で濡れてビショビショ? 安心してください。もっと濡れますから”と、ヘッドバンギングと拳が吹き荒れるパートへ。中でも神秘的な女性コーラスに涼平が笑顔で手拍子する一方、ポーカーフェイスのGouが6弦ベースで重低音を轟かせる「fish tank」の変則的なアプローチには、彼らの究極にハイブリッドな特性を知ることもできた。