ジューシイ・フルーツ

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    ジューシイ・フルーツジューシイ・フルーツ

    ジューシイ・フルーツと言えば、カラフルなテクノ・ポップ風サウンドに女性ヴォーカル、イリアのキュートで甘ったるい声が乗った「ジェニーはご機嫌ななめ」がヒット・シングルとして有名だが、その母体になったのは、プロデュースを手がけた近田春夫が組んだBEEFというバンドだ。これも、ジューシイ・フルーツも、ブライアン・デ・パルマが監督したロック・ミュージカル映画『ファントム・オブ・パラダイス』から名前を拝借している。そういうシャレからもわかるように、実はチャラチャラしたアイドルっぽいイメージとは裏腹に、通ウケするコアなテイストも持った——歌謡曲や、当時盛んだったテクノ・ポップの手法をフレキシブルに用いながらそのどこにも属さない、という"あまのじゃく"な面白さを持ったバンドだった。
    前述の「ジェニー〜」は80年にリリースされたデビュー・シングルだから、しょっぱなからいきなりベスト10内にランク・インする大ヒットを出したことになる。その年彼らは『ドリンク!』『ジューシイ・ア・ラ・モード』という2枚のアルバムをわずか半年のインターバルでリリース。82年にリリースされた4枚目のアルバム『27分の恋』からはセルフ・プロデュースでサウンド/ヴィジュアル面において新機軸を模索。その後、バンドは85年に解散した。
    「ジェニー〜」はテクノ・ポップ・クラシックとして、HI-POSIなど多くのアーティストにカヴァーされてきたが。21世紀に入ってからは本人たちが、スプージーズの松江潤のプロデュースで再レコーディングを敢行。1stアルバムに収録されていた3曲が新たなヴァージョンとなってリリースされた。