カラード・ライスメン

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    カラード・ライスメンカラード・ライスメン

    ベーシックなハードコア・パンクを抜群の感覚でもって斬新にプレイする、東京拠点のバンド。カラード・ライスメンのようなバンドは、日本はもとより、世界のどこにもないのだ。カムズやリップ・クリームなどのメンバーだったミノルと、オウトなどで歌ってきたブッチャーらにより、93年ごろ4人編成でスタート。数回のメンバー・チェンジを経て、ミノル(b)、ブッチャー(vo)、れいか(g)、ユウキ(dr)、カナイ(sax)に固まる。
    初の音源リリースは、ミノルとKGSのウエダによるレーベルの<REBELABEL>から96年に出した、ライヴ・カセットの『Colored Ricemen』。その後、<REBELABEL>と<BLOOD SUCKER>から、EP『ブチコワセ』(97年)、12"『Asphalt Death』(98年)をリリースし、名を知らしめる。そして99年に、1stフル・アルバムと言うべき傑作『New Animal Life』を出し、シーンに決定的な衝撃を与えた。
    平易な表現ながら鋭く深い歌詞を自己流の節回しで歌うヴォーカル。ブギやブルースのニュアンスも音色に滲む太いギター。うねりドライヴする強靭なベース。重さとスピード感をあわせもつドラムス。全体を加速させるサックス。メンバー全員がもつ人間くさい驚異のセンスと、実はかなりのもののミュージシャンシップに裏打ちされており、一切のポーズをつけず、ナチュラルかつ自由な感覚で生み出したサウンドなのだ。本当に解放されるグレイトなハードコア・パンクと言える。
    01年には9曲入りCD『[wΛn]』を発表。スライ&ザ・ファミリー・ストーンから触発された曲もあり、カラード・ライスメンの深化はまだまだ続く。そう、もう一回バンド名に注意してみよう。すごく直感的ではないか。 (行川和彦)