ゆずの『1 〜ONE〜』は多彩なサウンドの中で彼ららしいメロディーとハーモニーを響かせた快作
2016年8月8日。リオデジャネイロ・オリンピック4日目、体操男子団体決勝で日本が金メダルを獲得した! 団体での金は2004年のアテネ大会以来12年振りのこと。かつて日本のお家芸と言われた体操競技の完全復活でもあり、素直に喜ばしいニュースである。…と言っておきながら、いきなりみそをつけるようで恐縮だが、金メダルを獲った瞬間をとらえた映像はアテネ大会のほうが数段ドラマティックであったとは思う。最終演技者であった冨田洋之選手が鉄棒でコールマンを成功させて逆転。金メダルを確定させて、完璧な着地を決めたというのは、今思うとできすぎな感もあるほどだ。併せてNHK刈屋アナウンサーによる実況も素晴らしかった。「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」。このフレーズはこれからも放送史に残り続ける名言であろう。ここで言う“栄光への架け橋”とは、NHKのアテネ五輪中継の公式テーマソングであった、ゆずの「栄光の架橋」からの引用であるわけだが、即ち、ゆずの楽曲も歴史に残ることも間違いない。すでに日本音楽史に名を残すことが確定しているとも言える。