“男女バディ”のボーカリゼーションが光る5曲
「白だ黒だとけんかはおよし 白という字も墨で書く」なんて都々逸がありますけれども、先日講談師・神田蘭師匠と噺家・桂夏丸師の真打披露興行に行ってきました。片や淀みなくまくりたてる口跡に反し、絢爛豪華な美貌を惜しげも無く時に崩して全身全霊で笑いを取りにいく蘭師匠、片や枝垂れ柳のごとし面立ちと佇まいそのままの飄飄とした語り口が時が経つにつれて段々とほどけ、それに釣られてこちらも口角を上げてしまう夏丸師匠。一見正反対のように思えてふとした瞬間線描が重なる芸のかたちに目いっぱい笑うと同時に、板の上では男だの女だのなんて些細な違いにすぎないのかもしれないと羨ましくなったりもしました。そういうわけで今回は、男女“バディ”の美しくも逞しいヴォーカリゼーションが印象的な5曲を紹介します。