【安室奈美恵】『namie amuro LIVEG
ENIC 2015-2016』2016年2月9日 at 幕
張イベントホール

取材:吉田可奈

 アルバム『genic』を引っ提げて全国を回ってきた『namie amuro LIVEGENIC 2015-2016』の集大成となる公演が、幕張メッセで開催された。ステージの光を浴びて登場した彼女の表情は、笑顔で満ちている。この日を心から楽しみにしていた多くの人たちの笑顔を確認するようにゆっくりとフロアを見渡しながら、手を差し伸べ、歌う。この姿から、この空間を全身で楽しもうとしているのが見て取れた。

 「Photogenic」ではシャッター音に合わせ、妖艶と相反するさわやかさを感じさせるダンスで観客を魅了し、非現実的な空間に一気にその場にいる者全員を巻き込んでいく。その姿は間違いなく“圧倒”のひと言。センターステージに立ち、手を振りながらゆっくりと歌う「BRIGHTER DAY」ではくしゃりと笑顔を見せ、そのギャップに多くの人の心を掴んで離さない。MCを一切挟まない彼女だからこそ、作り込まれたステージに一度目を奪われたら、最後までそらすことができないのだ。

 そして、中盤で展開された平井 堅やCrystal Kay、DOUBLE、初音ミクなどのコラボレーション曲を映像と一緒に展開。CDとはまったく異なる、安室奈美恵ソロだからこそ見せることができるパフォーマンスを堪能させてくれた。さらにため息をつかせたのが「TSUKI」。純白のウエディングドレスを彷彿させる美しいドレスに身を包み、圧倒的な歌唱力を披露。幻想的な世界へと聴き手を誘う。かと思えば、「Every Woman」で“騒げ~!”と声をあげ、一気にフロアーの温度を上げたのだ。悪戯な笑顔で聴き手を最高の笑顔にしてくれるのだから、たまらない。

 ダンサーとの群舞で「Fashionista」で魅せた後、本編は終了。アンコールではなんとステージ上でツアーTシャツに早着替えというサービスにフロアーは大盛り上がり。お茶目な演出をしてくれるところも嬉しいところだ。ラストは「Fight Together」をここにいた全員で合唱し、幕を閉じた。

 圧倒的でいながら、親しみも感じさせる。そのギャップが、世代を問わず、聴き手の心を掴んで離さない秘訣なのだろう。常に時代の先端を歩みつつ、ちゃんと手を差し伸べてくれる。そんな“安室ちゃん”のステージをこれからも観ていたいと思えるような素晴らしいパフォーマンスだった。


※ライヴ写真は同ツアーの「さいたまスーパーアリーナ公演」「国立代々木競技場 第一体育館公演」のもの。

セットリスト

  1. What I Did For Love
  2. Close your eyes, Close to you
  3. Fly
  4. Photogenic
  5. NAKED
  6. Time Has Come
  7. Space Invader
  8. BRIGHTER DAY
  9. It
  10. B Who I Want 2 B
  11. Sit! Stay! Wait! Down!
  12. Say the word
  13. SWEET KISSES
  14. Golden Touch
  15. Get Myself Back
  16. BLACK DIAMOND
  17. グロテスク
  18. REVOLUTION
  19. Dr.
  20. Red Carpet
  21. TSUKI
  22. Black Make Up
  23. Every Woman
  24. Stranger
  25. Scream
  26. Fashionista
  27. <ENCORE>
  28. Birthday
  29. Anything
  30. Fight Together
安室奈美恵 プロフィール

1977年9月20日生まれ、沖縄県出身。92年にデビュー。数々のヒットを飛ばし、ファッションが社会現象となるほどトレンド・リーダーとしても注目の的に。96年12月、ソロ最年少で日本レコード大賞を受賞。翌年8月には10代の歌手としては初のシングル/アルバム総売上げ2000万枚突破を達成した。

03年には今井了介、ZEEBRA、VERBAL(m-flo)らとのプロジェクトSUITE CHICを始動。本場アメリカに退けをとらないサウンド・プロダクトを受け、本格的ラップにも挑戦するなどネクスト・レベルへの扉を開ける。その後のソロ活動でもHIP HOP/R&B色を強く打ち出した路線を展開、05年7月に発売された7thアルバム『Queen of Hip Pop』、07年6月に発売された8thアルバム『PLAY』も先端のR&Bテイストが色濃く反映されており、オリジナリティーを更に深化させた。

キャリアを積むごとにライヴ・ツアーの本数も増やし、シャープなダンスと表現力を増したゾクゾクするようなクールで色気のあるヴォーカルで魅了している。そして、08年7月にリリースされたベスト・アルバム『BEST FICTION』が170万枚を超える大ヒットに。これで10代、20代に続き、30代でもミリオン・セラーを達成、女性アーティストでは史上初の快挙となった。08年10月より開催された自身最大規模のアリーナ・ツアー『namie amuro BEST FICTION TOUR 2008-2009』(全64公演)では、約50万人を超える動員を記録し、女性ソロ・アーティストとして新記録を打ち立てた。

再びその人気が過熱するなか、09年12月に約2年半ぶりとなる待望のオリジナル・アルバム『PAST<FUTURE』をリリース。アーティストとしてはもちろんのこと、数多くの女性雑誌の表紙やモデルを務めるなど、デビュー当時と変わらないルックスで男性ファンのみならず女性ファンをも虜にしてしまうカッコ可愛い彼女は、今もなおその人気は衰えることを知らない。安室奈美恵 オフィシャルHP(レーベル)
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