「Okinawa Festival 2015」で演奏中のBEGIN (提供:テイチクエンタテインメント)

「Okinawa Festival 2015」で演奏中のBEGIN (提供:テイチクエンタテインメント)

【現地レポ】BEGIN、歌と踊りで国境
を越えた大盛況のブラジルライブ2日

今年25周年を迎えたバンドBEGINが、現在ブラジル、ペルーの2カ国にまたがる南米ツアー(4会場、5公演)を実施している。11月2日に日本を発ち、33時間のフライトを経て現地時間11月3日にブラジル・サンパウロに到着。そして7日、8日の2日間はサンパウロ市のスポーツ文化センター・ヴィセンテ・イータロ・フェオーラにて、「Okinawa Festival 2015」に出演した。
「Okinawa Festival 2015」はブラジルの沖縄県人会が毎年主催するもので、来場者数は毎年2万人にも上るとのこと。今年は13回目。そして、初めて日本・沖縄からの大物アーティストが出演するということで、例年以上の注目を集めた。
「Okinawa Festival 2015」 会場の風景(提供:テイチクエンタテインメント)

「Okinawa Festival 2015」 会場の風景(提供:テイチクエンタテインメント)

■11月7日 「Okinawa Festival 2015」
1日目

たくさんの屋台や出店が並ぶ会場では昼間から多くの人が訪れ、活気にみちていた。メインステージでは午後3時からエイサー演舞、阿波踊り、空手演舞、歌謡ショーなどの演目が行われ、楽しい時間が流れる。そしてBEGINのライブが始まる頃になると、会場はいつの間にか1万3千人の観客で溢れ返っていた。
午後8時45分、待ちに待ったBEGINがステージに登場すると、会場には大歓声が響き渡り、大歓迎の空気で包まれた。
ステージで挨拶する、比嘉栄昇 (提供:テイチクエンタテインメント)

ステージで挨拶する、比嘉栄昇 (提供:テイチクエンタテインメント)

ヴォーカル比嘉栄昇(47)の第一声は「ただいま!」。最初にブラジル公演を行った2011年のコンサートと全く同じ言葉だ。その言葉に続き「今日はBEGINのステージではなく、Okinawa Festivalのステージです。なので、今日はお互いに遠慮することなく、みんなで一緒に楽しみましょう」というMCでライブは始まった。
ブラジルのマルシャのリズムで作ったオリジナル曲「バルーン」でコンサートはスタート。「待ってました!」とばかりに大観衆とステージが一瞬にしてひとつになる。
客席の様子を見ると、お年寄りから小さな子供まで、全ての世代の方々が笑顔でステージを見ている。日本におけるBEGINのコンサートと同様に、世代を超えた人気だった。
そして、やはりなんと言っても「Okinawa Festival 2015」のステージ。後半の「三線の花」「オジー自慢のオリオンビール」「島人ぬ宝」などの“ビギンの島唄”を立て続けに披露した。この楽曲は本当に驚くほどの浸透度で、多くの人が一緒に歌っている光景が非常に印象的であった。「ここは一体何処?沖縄?」と錯覚してしまうほどだった。
島唄でひとしきり盛り上がった後は、「ステージから一度引っ込む時間ももったいない」ということで、アンコールとして用意していた楽曲も続けて披露。
「上を向いて歩こう」「ここに幸あり」といった日本を代表する名曲を歌い、日本を故郷とする多くのブラジル人の方々に温かな郷愁感を届けた。
更にとっておきの楽曲「かりゆしの夜」が演奏されると、会場は本場・沖縄以上の大カチャーシー大会となり、熱狂は正に頂点に!!
本来ならこれで終了の予定であったが、鳴り止まぬ会場からの拍手と歓声に応えるかたちで、もう一度「島人ぬ宝」をプレゼント。会場中が大合唱となり、100%全員笑顔で1日目のコンサートは幕を下ろした。
演奏中のBEGIN (提供:テイチクエンタテインメント)

演奏中のBEGIN (提供:テイチクエンタテインメント)

■11月8日 「Okinawa Festival 2015」
2日目

前日と同様にものすごい人の数。ブラジルという異国の地で、1つの県をフィーチャーしたイベントがこれだけの人を集めるというのは、やはり沖縄という土地の魅力、沖縄県人の結束力の賜物に他ならない。本当にパワーを感じる。
この日は19時45分前日より少し早いスタートだった。冒頭のMCで「日本とブラジルの外交関係樹立120周年おめでとうございます。僕らは今回が3度目のブラジルコンサートとなります。前回来た時に、ある方からブラジルの音楽と日本の音楽を繋げるには”マルシャ”という音楽がピッタリなんだよ」と教えていただきました。それを自分たちなりに考え、音を出し、『ビギンのマルシャ ショーラ』というアルバムを作りました。今日はそのマルシャ ショーラをここブラジルでたっぷりと披露させていただきます」と語った。
ブラジルの大ヒット曲「O Abre Alas」からスタート。続いて自身の代表曲「島人ぬ宝」や「三線の花」をマルシャのリズムに乗せたメドレーで披露した。メドレーは止まることなくどんどん続き、沖縄の大ヒット曲「安里屋ゆんた」や往年の日本の大ヒット曲「また逢う日まで」「月がとっても青いから」などのカバー曲も交えながら、会場はヒートアップした。メドレー最後の「バルーン」では、ダンサーとしてコンサートに参加した沖縄のサンバ・ダンサー宮城姉妹にリードされ会場中がリズムに合わせ身体を動かしていた。
ステージで挨拶する、比嘉栄昇 (提供:テイチクエンタテインメント)

ステージで挨拶する、比嘉栄昇 (提供:テイチクエンタテインメント)

そしてコンサートの後半、BEGINにマルシャを教えてくださった“ある方”(坂尾英矩さん)をステージ上で紹介。坂尾氏は1953年に横浜からブラジルに渡り、現在に至までブラジルと日本の音楽文化の架け橋となって来られた方だ。コンサートを見ていただけるだけでも光栄なのに、ステージに上がってコメントまでしてくださった(もちろんポルトガル語で)。会場からは一際大きな拍手が沸き起こった。
ライブの最後はやはり「島唄」。「島人ぬ宝」「三線の花」「かりゆしの夜」といった名曲を立て続けに披露。総立ちとなった会場は嘘偽り無く一体と化し、昨日に負けないくらいの笑顔が溢れた。
そして、本当に最後の曲となったのは「涙そうそう」。総立ちのお客様はバラードにも関わらず立ったまま、全員での大合唱となった。歌いながら涙を流すお客様も多数。会場全体の空気感に感激し、鳥肌が立った。鳴り止まぬ拍手の中、無事に「Okinawa Festival 2015」の2日間のステージは終了した。
最後になったが、2日間のコンサートを全く違うセットリストで臨むあたりも、BEGINのバンドとしての誇りと底力を知らしめたと言えるだろう。

■「Okinawa Festival 2015」セットリ
スト

11月7日(土)
1.バルーン
2.Churrasco
3.砂糖てんぷら
4.帰郷
5.海の声
6.竹富島で会いましょう
7.三線の花
8.笑顔のまんま
9.オジー自慢のオリオンビール
10.島人ぬ宝
11.ここに幸あり
12.上を向いて歩こう
13.涙そうそう
14.かりゆしの夜
15.島人ぬ宝

11月8日(日)
1.O Abre Alas
2.島人ぬ宝
3.三線の花
4.帰郷
5.風よ
6.愛が走る
7.安里屋ゆんた
8.鳩間の港
9.オジー自慢のオリオンビール
10.国道508号線
11.笑顔のまんま
12.旅人よ
13.また逢う日まで
14.月がとっても青いから
15.いつでも夢を
16.バルーン
(ここまで全曲マルシャ ショーラ・バージョン)
17.島人ぬ宝
18.三線の花
19.かりゆしの夜
20.涙そうそう
BEGINは現在も南米ツアーを続行中。11月10日サンパウロのTOM JAZZでのライブを経て、ペルー・リマに移動。バンドにとって初となるペルーでは11月14日「MATSURI」というイベントに出演、翌日15日にはテアトロ・ペルアノ・ジャポネーズにてワンマンコンサートを行い19日に帰国予定。
帰国後は21日に石垣島TSUNDAMI FES.に出演。その後は日本国内のツアーを再開し、2016年3月20日の両国国技館でのツアー・ファイナルまで走り続ける。

■アルバム情報

最新アルバム『Sugar Cane Cable Network』発売中
TECI-1468 ¥2,593+税
(au TVCMソング「海の声」収録)
『ビギンのマルシャ ショーラ』(CD+DVD)発売中
TECI-1461 ¥2,778+税
「Okinawa Festival 2015」で演奏中のBEGIN (提供:テイチクエンタテインメント)

OKMusic編集部

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