新木場スタジオコースト。DIRが東京でやるライヴは、ほぼこのハコだ。東京湾に面した材木問屋が並ぶ閑散とした街の雰囲気とDIRのハードコアな世界観がフィットしてて、会場に入る前から期待が高まり「今夜も痛いの、お願いします!」そんな気持ちになるのだ。 蟹江一平

新木場スタジオコースト。DIRが東京でやるライヴは、ほぼこのハコだ。東京湾に面した材木問屋が並ぶ閑散とした街の雰囲気とDIRのハードコアな世界観がフィットしてて、会場に入る前から期待が高まり「今夜も痛いの、お願いします!」そんな気持ちになるのだ。 蟹江一平

【連載コラム】蟹江一平が『特別なバ
ンド』への想いを語る(第9夜)

皆さんこんばんは、「蟹江一平の今夜も歌っていいですか?」第9夜です。
今夜は、僕の胸の中に刺さったまま15年以上抜けない特別なバンドをご紹介します。その刺さった棘のような、釘のような、はたまた言葉では言い表すことがとても困難な感情のような……「闇」とでも言いましょうか。まさに「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」のような、彼らが放つ、そんな深い闇のような灼熱の感情が突き刺さったまま、抜けないのです。
その刺さった感情はとてつもなく「痛い」。でも、「救いの傷み」でもあるのです。彼らが音楽の力を使い放つその「強烈な傷みを伴う矢」は、刺さる人には的中し、刺さらない人には何も感じないただの「ラウドな音楽」でしかないでしょう。僕は…… 突き刺さってしまったのです。そして、ずーっと抜けないまま気づけば15年以上…… 彼らの放つ「灼熱の闇」を必死に受け止めようともがき、苦しみ、そしてまたその苦しみを救済してほしくて、彼らが作り上げる硬質なバンドサウンドに感情ごと委ねていたのです。
彼らがデビューして、15年以上。
それは丸々、僕自身の「やや売れ俳優人生15年」ともリンクしているので、僕としては「勝手に同期気取り」していたんです(笑) ただ、僕の長きに渡るやや売れ俳優人生の中で彼らが放ってくれた数々の楽曲にホントに救われて来たので、仮にデビューはほぼ同期だとしても、限りなく大先輩ですし、もう、リスペクトしかしていません。
つまり……
ワタクシ蟹江一平は色々なバンド・音楽が好きなんですが、このバンドだけは「特別な想い」と「痛い想い」の渾然一体となった感情でしかもう、聴くこともライヴを観ることも出来ないのです……

■そのバンドとは、『DIR EN GREY』で
す!

DIR EN GREY、と文字を打つだけでも震えてきます…… なんなんだろう、この感情は…… ゾクゾクと震えてきて、胸の中がチクチクと痛むのです。恐らく、15年前に刺さった何かがギシギシと軋むのでしょう。
DIR EN GREYが語られる側面として一番多いのは「hardでheavyでdarkなサウンドに、MCもない限りなくストイックなライヴパフォーマンス」ですね。確かに、間違えていないと思います。ホントにhardでheavyでdarkなサウンドなので、生半可な気持ちで聴くと返り討ちを喰らうような厳しさがあると思います。
痛いです、とにかく痛い。でも、聴き込んで行くとその「傷み」が「癒し」に変わるんです……
ボーカル・京氏の声の限り張り上げる叫びが、いつしか「自分の怒りと叫びを代弁してくれてるんじゃないか」と思えるようになってくるんです。
そこからはもう、DIRワールドの深い闇の中にまっ逆さまです。
今、DIR はツアー中なんですがこの1か月で4回会場に足を運びライヴを観ました。4回じゃ……足りない! ほんとはもっと観たいんですけどね(笑)
来週は、そんなワタクシ蟹江一平が敬愛してやまないバンド・DIR EN GREYの楽曲レビューや、な、な、なんと! そんな奇跡が⁉ なエピソードもご紹介しますよ~
「蟹江一平の今夜も歌っていいですか?」まさかの、2週に渡ってのDIR EN GREY特集をお届けします!

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■蟹江一平プロフィール

蟹江一平 東京都出身、1976年生まれの39歳。
1999年NHK朝ドラ「すずらん」でデビュー。以後数々の映画、ドラマに出演するも15年以上もの間「やや売れ俳優」として地道に活動を続ける。
2014年10月、CX系「アウト×デラックス」出演後、バラエティー番組に出演し始め「2015年、やや売れ俳優からじょじょ売れ俳優になり始めた」(本人談)。2015年10月からはTBSラジオ「ザ・トップ5」金曜パーソナリティを務めている。(番組HP:http://www.tbsradio.jp/top954/
無類の音楽好きでカラオケ好き。夢は「CDを出して全国ツアーしたい!」とのこと、今後俳優業はどうなってしまうのかー?!
新木場スタジオコースト。DIRが東京でやるライヴは、ほぼこのハコだ。東京湾に面した材木問屋が並ぶ閑散とした街の雰囲気とDIRのハードコアな世界観がフィットしてて、会場に入る前から期待が高まり「今夜も痛いの、お願いします!」そんな気持ちになるのだ。 蟹江一平

OKMusic編集部

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