GLIM SPANKYのフリーライヴプロジェ
クト、大盛況のうちに幕!

LIM SPANKYと総合デザインスクール バンタンデザイン研究所、そして音楽専門学校の東京スクールオブミュージック専門学校渋谷により発足した、学生がプロデュースする学生のためのフリーライヴプロジェクト。8月18日(火)、いよいよ本番であるフリーライヴが開催され、熱いステージが繰り広げられた。

踊らせる意図を持った音楽で…ではなく、そこで鳴っている音で自然と身体が揺れ、心も踊る。魂が躍動するロックンロールに呼応して、あらゆる感情を喚起されながら踊ることの気持ち良さ。GLIM SPANKYのスペシャル・フリーライヴは、“ロックで体感できる最上の醍醐味”を約1時間のライヴの中でギュッと濃縮しながら、濃密に感じさせてくれた。
オープニングの「サンライズジャーニー」で、バンドとオーディエンスはひと時の音楽の旅の入口に立つ。亀本寛貴(Gu)が刻むリフが、ワクワクする心持ちをクッと後押し。少しずつ新たに視界が開けていくような、端正な音世界。しかし、続く「焦燥」では、一気に空気の色が変わる——ズシンとくる音の深みによって、滑らかに流れていくのではなく、曲ごとに明確なメリハリを付けながらライヴは進められていく。楽曲の個性を際立たせることを意識したであろう、大胆かつ緻密な旅の行程。とりわけ中盤の、疾走する「褒めろよ」からさまざまなフックの効いたミドルチューン「踊りに行こうぜ」への展開は痛快! 音楽を音楽の絵として聴かせるということが見事に体現されていた。
そして、松尾レミ(Vo&Gu)が“物語が見える歌”として聴かせたのが、フォーキーな匂いのする「夜風の街」。淡々としているようで、じんわりと染み入ってくる磁味豊かな歌声が、なんとも切なく、そして温かい。また、バンドにとって最新の楽曲で「リアル鬼ごっこ」が、早くもライヴでの重要なナンバーとなっていたのは大きな意義。この開かれたポップさが放つ華やかさは、GLIM SPANKYの進化のひとつの開化の証だ。

グルービーなアンコール・ナンバー「Flower Song」を含む全13曲のステージ。熱いけれど、クール。盛り上げるための仕掛けを使わずに、歌と音でしっかりとオーディエンスとつながっていく。2人の真摯さもうかがえた、しなやかで強いライヴだった。

text by 竹内美保
photo by 江戸川カエル

【セットリスト】

01. サンライズジャーニー
02. 焦燥
03. MIDNIGHT CIRCUS
04. ダミーロックとブルース
05. MOVE OVER
06. 褒めろよ
07. 踊りに行こうぜ
08. 夜風の街
09. 夜が明けたら
10. リアル鬼ごっこ
11. Gypsy
12. 大人になったら
<ENCORE>
13. Flower Song

OKMusic編集部

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