ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
夏に似合う飲み物と言えば、キンキンに冷えたビール!!バーベキューやビアガーデンで飲むのも良いけど、自宅のベランダでグビっと行くのも悪くない。そんな家呑みに似合う曲を揃えました。夕涼みでも昼からの1杯でも、ビールのお供にどうぞ

1.「Who Loves The Sun」/The Velvet
Underground

”太陽が好きなやつなんているの? 植物が育つのに必要だけど、そんなこと気にするヤツいるの?”なんて始まるVelvet Underground4枚目のアルバムからの楽曲。
このアルバム、バナナのジャケットでおなじみのファーストアルバムのアヴァンギャルドで退廃的、といったイメージから180度転換したような爽やかなフォークロック中心で彼らが内包していたポップで万人受けする面を全面に押し出した埋もれがちなフォークロックの隠れ名盤です。
以後リーダーのLOU REEDの代表曲となるSweet Jane、Rock & Rollなども収録されております。そのオープニングを飾るこの曲は朝っぱらからベランダで飲んだり、夏のドライブなんかにぴったりではないでしょうか。
(選曲・文/田中孝典)

2.「夏がそうさせた」/never young b
each

日没が近づき、空がキレイな紫色に染まる頃にベランダに出て、缶ビールをプシュっと開ける・・・冷奴をつつきながら、一口づつ飲むビール。あぁ、幸せ。まったりとベランダで飲むのならば、音楽もやはり緩やかだけど、夏を感じるものがオススメです。
never young beach は2014年結成したばかりのバンドですが、第8回CDショップ大賞 第一次ノミネートに選出されただけあり、一度聴くと思わず唸ってしまう曲が多くあります。「夏がそうさせた」は、どことなく大瀧さんのナイアガラの雰囲気を醸し出し、ポップの系譜を踏まえつつも、現代の空気をキチンと感じさせる作品です。
(選曲・文/石井由紀子)

3.「ハリーライムのテーマ」〜映画:第
3の男より〜/ 常石さやか(チター)

映画「第3の男」は、1949年公開(カンヌ映画祭グランプリ受賞)の作品で、舞台は第二次世界大戦後のウィーン。演奏されている「チター(ツィター)」という楽器は、そのウィーンが首都であるオーストリアの民族楽器です。
その映画監督のキャロル・リードは、撮影地のウィーンにて、チターの名手:アントン・カラスの演奏を偶然に聴く機会を得ます。その巧みな演奏に感動したリード監督は、映画のBGMには、既に準備されていたオーケストラの楽曲があったのですが、カラスのチター演奏と差し替えたという逸話が残っています。
このテーマ曲は、公開とともに大ヒットし、今でも演奏される名曲となり、日本では、某ビールブランドのCMで流れたり、それがきっかけで、JR山手線の恵比寿駅の発車ベル(メロディー)でも使われているほどです。
この曲を聞けば、「おいしいビールが飲みたい!」という人も少なくないかもしれません。
ご紹介する動画は、日本のチターの名手:常石さやかさんの演奏です。
(選曲・文/堀川将史)

4.「Return to Myself 〜しない、しな
い、ナツ。」/ 浜田麻里

1日頑張った自分へのご褒美は、キンキンに冷えたビールと、透明感溢れるハイトーンボイスのロックはいかが??
この曲は'89年、某化粧品会社の夏のキャンペーンソングだったので、聴き覚えのある方も多いと思います。
80年代、まだハードロックを歌う女性シンガーは数が少なかった上に、この美貌!そのカッコ良さに憧れて、テレビ番組で彼女が歌う姿を食い入るように観ていました。デビュー30周年を超えた今もその美貌と美声を保ち続け、精力的に活動されています。
自宅のベランダでビール片手にホッと一息。やっと自分自身に戻れる(return to myself)貴重なひとときに乾杯☆
(選曲・文/高原千紘)

5.「Cajueiro belho」/Alcione

ベランダで飲むビールもいろいろとあるわけで「今日の自分頑張ったよな、乾杯!!」もあれば「あの年の夏はみんなとわいわい楽しく飲んだよな、今のわたしって、もう・・・あの頃には戻れないんだよな」なんて、夏の夕暮れ、ベランダに肘ついて傾けるビールも味わい深いものです。
「サウダージ」という言葉がぴったりではないですかね。
郷愁という意味のノスタルジックでもない、ほろ苦い過去の想い出や、心の傷を癒すように味わうビール。それが「サウダージビール」なのです。
Alcioneの歌う「Cajueiro belho」はホマンチコサンバ(ロマンチック・スローサンバ)の最たるもの。またアナログで聴くAlcioneもとても良いものです。是非、週末、ユニオン辺りに掘りにいかれては?
(選曲・文/ブラック・ミスト・アイランド)

6.「My Latin Brother」/George Bens
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生で観たGeorge Bensonは、信じられない程ギターも歌も上手いという超人的なアーティストで、「どうせフュージョンの人でしょ」と思っている人にはぜひ一度じっくり聞いて頂きたいと思っているのですが。
そんな彼の楽曲から夏らしいラテンのフレーヴァーの効いたこの楽曲をおすすめしたいのです。
フュージョンの名門CTIレーベルから出た1974年の作品で、レーベルカラーが出たオーケストラアレンジも効いたBensonの超絶な妙技が聴けるおすすめの一曲です。
改めて録音メンバーを見るとPhil Upchurch、Kenny Barron、Ron Carter、Steve Gaddという異常に豪華なメンバーで録音されている事に驚きます。
(選曲・文/田中孝典)

著者:ミュージックソムリエ協会

OKMusic編集部

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