ほんとうの家族ってなんだろう？｜「
家族という病」下重暁子

ほんとうに家族のことを知っていますか？

自分の家族を亡くしてから「家族」という単位に疑問を投げかける作者。

家族の罪を隠すための振り込め詐欺がいまだ多いのはなぜか。家族間の殺人事件に世間が驚くのはなぜか。

「家族の期待は最悪のプレッシャー」「夫婦でも理解しあえることはない」など、一言で家族だからと片付けてしまいがちな日常を分析。そこからいかに日本人が「家族」という単位にしばられているかを解説する。

「結婚ぐらいストレスになるものはない」「子供のために離婚しない」など夫婦というあり方にも疑問を投げかける。

「家族に捨てられて安寧を得ることもある」「孤独死は不幸ではない」家族を捨てて家を出た人々との関わりで感じた孤独になるという安心。孤独を知ることではじめて相手の気持ちを想像することができる。それは家族だけではなく社会に対しても必要なスキルである。

NHK文化センターでエッセイ教室を開く中で関わりを持つ人々、それぞれの家族の話や介護に対する意見などからみえてくる本当の家族とはなんなのかを問いかける。