「アニタメ温故知新!」出演者のみなさん(写真左より、宮路一昭、多田彰文、川村万梨阿、鎌田美沙紀) PHOTO:河内香奈子

「アニタメ温故知新!」出演者のみなさん(写真左より、宮路一昭、多田彰文、川村万梨阿、鎌田美沙紀) PHOTO:河内香奈子

「アニタメ温故知新!」に「ポケモン
」や「クレヨンしんちゃん」で知られ
る作編曲家の多田彰文が登場

「tatsumi01/ニコニコミュニティ」内にて毎月第二水曜日21時より放送の「宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新!」より、2015年2月11日(水)放送分のレポートが到着した。
「故きを温ねて、新しきを知る=温故知新」の意味通り、「当時のエピソードを混じえながら、古き良き時代のアニメやゲームのことを語ろう」という同番組11回目の放送となった今回は、劇場版の「ポケモン」や「クレヨンしんちゃん」シリーズの劇伴作家としても有名な作編曲家の多田彰文がゲストとして登場。音楽プロデューサーの宮路一昭、声優の川村万梨阿の2人がメインパーソナリティを担当し、声優の鎌田美沙紀がアシスタントを務めた。

●「アニタメ・ニュース」

「アニタメ・ニュース」のコーナーでは、出演者にまつわる情報を紹介。2月27日と3月13日には、宮路一昭さんもメンバーとして参加中With Daddyのライブが大塚ウェルカムバックで開催。3月13日には、声優の相馬優さんと杉山由恵さんもゲストで参加。
是非、足を運んでください。

●「今月のおすすめの1冊」

辰己出版の出版物を紹介する「今月のおすすめの1冊」のコーナーでは、2月より新たに刊行し始めた、新ライトレーベル「T-LINEノベルス」から3作品を紹介。それぞれの作品の主題歌映像を「たつみTV」(http://ch.nicovideo.jp/tatsumi-TV)でチェック出来るのも嬉しいポイント。
この日、宮路一昭さんは、白石涼子さんが主題歌を担当の心理サスペンス物「D-Gravity」を。川村万梨阿さんは、主題歌をsortiegeが担当の大正時代を舞台にした魔法少女物「大正月光綺憚 魔術少女あやね」を。鎌田美沙紀さんは、イメージソングを野島健児さんが担当の勇者物「実存系ドグマストラ」を紹介。辰己出版が新たに始めたライトノベルシリーズ、是非、チェックしてください。

●ゲストに、音楽家の多田彰文さんが登場!

多田彰文さんは弦楽器のみならず管楽器までみずからプレイする、自称" 楽器ヲタク"な音楽家。川村万梨阿さんいわく、「頭の中でオーケストラが鳴っている方」。その表現は的を得ています。
宮路一昭さんと多田彰文さんは同じ年の同期生。多田彰文さんは、「天地無用! GXP」「東京アンダーグラウンド」「桃華月憚」「サムライガン」「クロスファイトビーダマン」などのアニメ作品の劇伴を手がけてきた方。宮路一昭さんは「ニャニがニャンだー ニャンダーかめん」「桃太郎電鉄&伝説シリーズ」「人生ゲームシリーズ」や「キャプテン翼J」の主題歌や浜崎あゆみの『Endless Sorrow』のリミックスなどを手がけられた方。多田彰文さんは平成版「キャプテン翼」の劇伴を担当と、時代は違えど、同じ作品で繋がりを持った関係。劇場版「クレヨンしんちゃん~超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」には、川村万梨阿さんも出演しており、意外なところでの接点も判明。同作品で川村万梨阿さんが演じたのは、カエルのキンキンケロンパのケロンパ役。その名前に反応した方、歳がバレますよ(笑)

「クレヨンしんちゃん」トークでは、物語中に下ネタも登場することから、PTAから「見ちゃいけない作品」の烙印を押され、いろいろ苦労した話が登場。何時しかトークは、「子供は下世話な話やう○ち話が大好きだから」という話にまで発展。確かに(笑)。
多田彰文さんは「Go!プリンセスプリキュア」のエンディングテーマ『ドリーミング☆プリンセスプリキュア』の編曲を担当。この作品では、得意の「一人ブラス隊」として録音を実施。多田彰文さんは『ドリーミング☆プリンセスプリキュア』を編曲するに際し、過去の楽曲をすべてチェック。「これまでのファンが納得する要素を持ちながらも新しい魅力」をこの楽曲に詰め込んだそうです。しかも今回は、生バンドで演奏。そこも、多田彰文さんのこだわりの一つ。

多田彰文さんは、シンセサイザープレイヤーとして音楽家活動をスタート。辛島美登里さんのツアー時に、まわりが40代のプレイヤーばかりの中、20代の最年少バントマスターを担当した話も登場。まだ経験も浅かった多田彰文さんは、当時先輩方に「飛行機に乗るときはスリッパを履くんだよ」「飛行機の中の珈琲は100円だから」といじられてたことも話してくれました。多田彰文さんが早い時期からバンドマスターを任されていたのも、中学時代から作曲家/編曲家として勉強し続けてきたことの成果。多田彰文さんも宮路一昭さんも映画音楽好きなように、作曲家/編曲家として成功を手にする人たちは、音楽に興味を持った頃からその辺に視点が向いてたことも、話を聴きながら実感。

多田彰文さんは3月25日に発売する茅原実里のセルフカバー・シンフォニックアルバム『Reincarnation』の全編曲と音楽プロデュースを担当。編曲話の流れの中、多田彰文さん「劇場版「クレヨンしんちゃん」では1日60曲を録ったこともある。中には、8秒などの短い分数も入れてですが」という話も語ってくれました。ちなみに、一番長い劇伴の分数は「劇場版『涼宮ハルヒの消失』で手がけた9分台」とのこと。宮路一昭さんも、昨年のみで560曲を作曲プロデュース。「中には、8秒や5秒などの短い尺も入れてだけどね」と語っていましたが、それでも編曲家の方々のパワーには敬服するばかりです。

次回の放送は、3月11日(水)の21時から。誰がゲストで登場するのか、お楽しみに。


<AFTER INTERVIEW>

――劇伴制作の裏側を覗けた会話、とても勉強になりました。

宮路 そういうことを語れる方を、この番組では厳選してお呼びしていますから。
多田 話をさせていただいてすごく楽しかったです。今日は、みなさんとレアーな話をいろいろさせていただけましたが、まだまだいっぱい話したいことがあったので、それはまた次に呼んでいただけたらなら話したいです。
宮路 この番組、何度でも呼べますからね。今回は、作曲家/編曲家という同じ業種の方の出演だったので、いろんなマニアックな話も出てきましたけど。じつは、万梨阿さんともご縁のある関係ですからね。
多田 そうなんですよ。我々からすると声優さんの現場はなかなかお邪魔する機会がないので。
川村 私たちがアフレコをしているときにレコーディングをなさってたりもするように、制作は、いろんな作業が同時進行で進んでいますからね。それもあって,打ち上げの場とか、そういうところでないと、なかなかお会いする機会がないんです。
多田 ただ、打ち上げもすごい人数で行うから、会っても軽い話くらいになってしまいますからね。
川村 「クレヨンしんちゃん」など大きなタイトルほど、打ち上げに参加すちる人数だけでもハンパないんですよ。会場も向こう側が見えないくらいの広さだから、ご挨拶するのが精一杯。だからこそ、こうやってお話をする機会を得られたのはすごく嬉しいことでした。
鎌田 今回「プリキュア」のお話をされてたときに、「過去の楽曲を全部聞いた」というお話を聞いてて、「どの世界も温故知新なんだなぁ」って思いましたね。古きを知り新しきを出していく。「あーこれこそ温故知新だー」と思って。
多田 「プリキュア」シリーズで15年。「クレヨンしんちゃん」シリーズで25年。「ポケモン」で20年近いんですよね。長く続くのも、理由があるから続くんですよね。


PHOTO:河内香奈子 TEXT:長澤智典
「アニタメ温故知新!」出演者のみなさん(写真左より、宮路一昭、多田彰文、川村万梨阿、鎌田美沙紀) PHOTO:河内香奈子

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OKMusic編集部

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