世界初! “目線”と“まばたき”で
ピアノ演奏ができる『Eye Play the
Piano』とは?

同システムは、手で弾くことを前提としたピアノ鍵盤の配列を「目線」で弾くことに適したインターフェースに再構築したもの。「FOVE」を頭に装着し、目の前に映し出されるパネルから弾きたい音を視線を合わせて選択、そして、まばたきをすることでMIDI信号が送られ、接続されたピアノから実際にその音が奏でられるという仕組み。さらに、頭を下に傾ける動作が、ピアノのペダルの役目を果たし、弾いた音を伸ばすことができる。単音モードと和音モードがあり、併用することで幅広い演奏が可能となっている。



当日は、筑波大学附属桐が丘特別支援学校の終業式後に、PTAコーラス部が行う「クリスマスコンサート」にて、同校高等部二年の沼尻光太くんが『Eye Play the Piano』を使用して「もろびとこぞりて」「きよしこの夜」の2曲をピアノを演奏し、それに合わせて児童生徒たちが合唱を披露した。



なんと演奏会には、駐日米国大使のキャロライン・ケネディ氏が同校を訪れ、多くの父兄とともに沼尻くんのピアノ演奏や児童生徒たちによる合唱を見届けると、拍手を送り、生徒たちと談笑するなど交流を楽しんだ。



この日のために約4ヶ月間練習に励んだという沼尻くんは「少し緊張しましたが、みんなのコーラスの声が聞こえてきたので自分の演奏を合わせにいきました。無事に2曲弾くことができて嬉しく思います」と、多くの人が見守る中での演奏を終えてホッとした表情を浮かべ、「まばたきで音が鳴るようになっていますが、まばたきって普段意識してすることが少ないので、リズムをとりながらまばたきをするというところが一番難しかったです」と練習での苦労を語った。



また沼尻くんは、同システムの開発にも携わっており、操作面などにおいて彼の意見が多く取り入れられているといい、「身体を自由に動かせなくても弾きたい楽器を弾けるようになることで、表現の幅が広がると思いますし、僕自身もこれからギターやドラムなどいろいろな楽器に挑戦していきたいなと思います。楽器を弾くだけでなく作曲ができたり、一般向けにゲームになったりしたら面白いと思う。また、身体に障がいがある人でも、日常的に使うツールとして、自分の欲しいものを指し示したりだとか、さまざまな用途で使えるのでは」と、同システムのさらなる可能性に期待を寄せていた。

医療や特別支援教育分野への活用の可能性、そして、児童生徒の表現の可能性を拡げようと立ち上げた株式会社FOVEと筑波大学附属桐が丘特別支援学校による共同プロジェクト『Eye Play the Piano』がスタートし、プロジェクトサイトも開設されている。さらに、この『Eye Play the Piano』デバイスを全国の135校(部門のみも含めると334校)の肢体不自由特別支援学校に寄付することを目指し、現在JustGivingと連携したファンドレイジングも行っている。



<関連サイト>
『Eye Play the Piano』

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