夏は風物詩、旬は冬…ウナギは「いつ
でも貴重品!」多数

しかし、意外に知られていないのが「土用の丑の日」の意味である。"土用"は五行思想に由来する暦の考え方であり、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前にあたる約18日間を指すという。そして「土用の丑の日」は、その18日の間にやってくる"丑の日"のことだ。ご存知のとおり、十二支の中では第2番目に数えられる"丑"の日…つまり、春夏秋冬いつでも「土用の丑の日」はやってくるということである。
さらに、ウナギの旬は「冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけて」の時期、ズバリ今である。しかし、ウナギといえば夏の風物詩…このヤヤコシサが、旬にうるさい日本人を困惑させているのかもしれない。
NewsCafeのアリナシコーナーでは「冬のウナギはうまい、アリかナシか」という調査が実施されたらしい。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。

【アリ…30.5%】
■うまいモノはいつ食べてもうまい!
■ウナギは夏ってイメージだけど頂けるならいつでも頂きたいな。大好物!
■土用の丑の日は夏場売れない鰻を売るため。脂がのっているのは冬。
■趣味でよくウナギ採るけど確かに季節と産地で味が違う気がする。
■白焼きだとより、おいしいよ!
■ウナギ好きなんだけど、絶滅危惧種になっちゃったからなぁ。
■成田山で毎年、初詣後に食べる。確かに冬の方がうまく感じる。
■食べたことないから良くわからないけどうまそう。
■天然物は脂が乗ってうまい。けど、高くて手がでません…(泣っ)。
■だから、冬に買って冷凍保存、夏に解凍して食うと超うまいぞ(笑)。

【ナシ…69.5%】
■一年中食べたい時に食べます
■季節関係なく、鰻は苦手。
■ウナギって夏じゃないの?
■ちゃんとした純国産ならいつでもおいしいけど、特に夏は風流だわ。
■旬は夏じゃない事は知っていたが、冬に特別食べたくならないから。
■ウナギ食べない。中国産は嫌だし、国産はバカ高いし。
■ウナギよりアナゴのほうが好きなので。
■旬のウナギは天然物の事で養殖物には関係ない。
■夏場しか食べたことないから冬になったら食べてみようかな。
■高いから食べられない。

数字は【ナシ派】約7割ではあるが、見てのとおり両派のコメントに大きな差はないようだ。「季節を問わずウナギはおいしい、食べたいときに食べる」…これが最多意見で、次に「でも高い」が続く。
近年とみに"ウナギ不足"の傾向はあったが、なかでもニホンウナギは数が減少しており、今年6月にはついにIUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)に絶滅危惧種(EN)として掲載されてしまった。
また、今秋開催された「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第7回非公式協議」では、ニホンウナギ稚魚の"池入れ"20%削減、国際的な養鰻管理組織の設立合意など対策がなされた。今後の保全に向けて意義は大きいのだろうが、依然として"おいしいウナギを安く食べたい人"にとって厳しい状況が続くことは間違いない。もはやウナギ好きは、季節にこだわってはいられない!?

[文・能井丸鴻]

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