ビリー・ジョエルの『グラス・ハウス』

ビリー・ジョエルの『グラス・ハウス』

ビリー・ジョエルがロックンロールに
挑んだ意欲作『グラス・ハウス』

“ピアノマン”の異名を持つビリー・ジョエルがバラードシンガーのイメージを改め、ロックンロールに挑戦した『グラス・ハウス』。このアルバムの大成功が、彼のキャリアにおける大きなターニングポイントになった。

自らのキャリアを賭けた挑戦の第一歩

 ビリー・ジョエルと言えば、「素顔のままで」や「オネスティ」の印象が強いせいか、ピアノを弾きながらバラードを歌うアダルト・オリエンテッドなシンガーソングライターと思い込んでいた。だから、初めてビリー・ジョエルのライヴを観た時は、“あ、こんなにワイルドなオッチャン、いや、ミュージシャンだったんだ”とびっくりしてしまった。
イスなんかには座らず、立ったままピアノをガンガンと連打する姿はシンガーソングライターと言うよりもむしろロックンローラー。聞けば、若い頃はアマチュアボクサーとして鳴らしたそうだ。そう言えば、家に向かって、石を投げつけようとしているジャケットのアルバムがあったっけ…とそれで思い出したのが、この『グラス・ハウス』。80年2月にリリースしたビリー・ジョエルにとって7作目のアルバムだ。
男が投げた石が見事、命中したのだろう。ガシャーンとガラスが割れる音で始まるこのアルバムは、「素顔のままで」収録の『ストレンジャー』と「オネスティ」収録の『ニューヨーク52番街』という2枚のアルバムの大ヒット(前者は全米2位、後者は全米1位)によってスターダムに上りつめたビリー・ジョエルがそこから一転、ピアノポップ路線を改め、ロックンロールに挑んだ意欲作だった。

OKMusic編集部

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