モーニング娘。’14のマイペースな歌
姫・小田さくら

 彼女は、2011年に行われたスマイレージ新メンバーオーディションで、最終候補まで残るが、落選しハロプロエッグに加入。11期合格後のつんく♂のコメントでは、その頃から高く評価していたようだ。小田が加入することが決まってすぐに、長くモーニング娘。の歌の要となっていた田中れいなが卒業を発表し、小田への期待はより高まることになる。

 正式加入後にリリースされた『Help me!!』では、田中・鞘師に並び多くのソロパートを獲得し、その実力を発揮。さらに、1人で歌をメインとしたイベントを定期的に行うようにもなる。

 歌声の美しさ、表現の豊かさに加えて、ステージで歌う小田の姿は異様さがあるように思う。小田はとにかく、よく客席を見ている。ファンサービスがいいとかそういうことでなくて(実際ファンサービスもいいのだが)、手前から奥まで見渡しながらパフォーマンスすることがとても多い。そして楽しそうなファンの反応を見て、小田も嬉しそうに笑う。

 小田は「大きい会場でもひとりひとりに向けて歌う」ことを心がけているという。それが普通なのではないかという人もいるだろうが、小田の歌を届けようと言う視線は、ねちっこさと人懐っこさが合わさった不思議な力がある。目が合うと、そこから目を離せなくなってしまう、恐ろしいくらいの目力の強さ。彼女はただ歌がうまいだけでなく、みなを虜にするような魅力を持っている。人の心をがっちりと掴む、大きな力がある。 そして小田は、独特なセンスもとても面白い。トークやブログから分かるように、選ぶ言葉がユニークだったり、マイペースな話し方が魅力的。それが不思議ちゃんとされることもあるが、彼女は話すべきことや気を遣うべきことをしっかり理解している。リーダーの道重さゆみも、トークがうまいメンバーとして小田の名前をあげたことがあるのだ。

 7月に行われた「めざましライブ」でただひとり、テレビ局内でしか見られないカメラに向かって、お礼と挨拶をした場面があった。彼女がそういうことを言うのは意外だった。なんとなくそれは、道重の役割のような気がしていた。あのときの小田は、人に任せるのではなく、自分でその役割を取りにいったのかもしれない。あのとき「やられた!」と思ったメンバーもいたのではないか。

 小田は、バラエティなどで活躍する飯窪春菜や生田衣梨奈、ここ最近トーク力を上げている石田亜佑美とは違う、気の使い方や面白さを発揮できるメンバーだ。歌だけでなく、トークの面でも、モーニング娘。’14を引っ張っていく存在になるのではないだろうか。

 9月30日には12期のお披露目が発表され、小田に初めての後輩が出来る。どんな子が入ってくるのか全く分からないが、これまで2年間〝後輩〟でしかなかった小田がどんな〝先輩〟になるのか、とても楽しみだ。12期について触れたブログでは、「一緒に頑張ろうと、いうより、まず私が!!頑張らなくちゃ!!!」と書いていた。12期加入、そして道重の卒業によって、これまでと違った小田の成長が見られるだろう。新たな魅力が開花するのが、とても楽しみだ。東海林その子 メジャーどころを中心に、女子アイドルを追いかけています。女の子が変化する一瞬一瞬を見逃したくないです。

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