syrup16g、ツアー『syrup16g Tour 2
0th Anniversary “Live Hell-See”
』が開幕 初日公演のオフィシャルレ
ポート到着

2023年6月1日(木)、豊洲PITにて、syrup16gのツアー『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』の初日の公演が行われた。
タイトルどおり、このツアーは、『HELL-SEE』のリリースから今年で20周年であることを記念して、行われるもの。
『HELL-SEE』は、syrup16gにとって、メジャーからは3作目、2001年にインディ・リリースされた『COPY』を含めると4作目にあたるアルバムである。
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』
メジャーデビュー当時のsyrup16gは、2002年6月にファースト『coup d’ Etat』、同年9月にセカンド『delayed』と、立て続けにアルバムをリリースしている。さらに、『delayed』の半年後の2003年3月に、シングルを出すために制作に入ったが、なぜか15曲入りの、この『HELL-SEE』が完成。結果、本作は「15曲入りシングル」という体裁で、(シングルなので)1,500円で発売された。
という変則的な作品だったためか、それともレミオロメンART-SCHOOL等と一緒に全国7ヵ所を回るサーキット・ツアーが、その直後に控えていたことも関係あったのか、当時、このアルバムのリリースツアーは、東京と大阪の2本しか行われていない。そして、その2本以降、ライブでは演奏されていない収録曲もある。
という意味で、syrup16gフリークにとって、非常に貴重なツアーであるためか、この初日は、週のまんなかの平日に豊洲PITで開催、という、勤め人が足を運びにくい状況だったにもかかわらず、多くのファンが集まった。
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』
ちなみに、この初日=6月1日は、五十嵐隆の50歳の誕生日。4曲目が終わったところで最初のMCのタイミングになり、中畑大樹がいつものように立ち上がってマイクスタンドを直したところで、五十嵐、ツイストのような動きを見せる。それを受けて中畑、「やっぱ50歳になると、ダンスのキレが違いますね」。
「さっき楽屋を出る時、『イヤだ』って言ってましたね」と中畑が言うと、「ダメ! ダメ、そういうこと。ロックスターなんだから」と応える五十嵐。笑いと拍手が豊洲PITに広がる。
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』
「30代いくまで生きてんのか俺」を「50代いくまで生きてんのか俺」と変えて歌った「I’ m劣性」、このアルバムの曲の中では比較的演奏されることが多い方に入る「ex.人間」、間奏のブレイクで中畑がオーディエンスをあおって叫び、フロアのあちこちで腕が振り上げられた「Everseen」等を経て、本編ラストの曲が終わる。
五十嵐は、「今日は来てくれてほんとにありがとう」とお礼を言ってから、持ち替えたばかりの12弦のアコースティック・ギターを爪弾き始めた。そして、ライブで披露されるのはレアなこの曲を、丁寧に歌い切ると、ギターを置き、手を合わせてお辞儀するいつものポーズを見せてから、クロールの形でステージを去った。
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』
その後、アンコールで『HELL-SEE』以外のアルバムから、数曲がプレイされる。近年のライブで定番になっている曲もあるが、そうではない曲もあり。
演奏を終えた五十嵐、フロアに向かって土下座→そのまま片手腕立て伏せ、というムーブを見せてからステージを下りたが、客電が点き、終演のSEが流れても、オーディエンスの手拍子、収まらず。結果、ダブルアンコールでさらに数曲が追加された。
ちなみに、そのダブルアンコールの2曲目は、予定になかったのに、突然五十嵐がイントロを弾き始め、中畑とキタダマキが咄嗟にそれに付いていったらしく、完奏したところで中畑、「今のは誕生日プレゼントということにしますわ」。それに「だって、やりたいものをやりたいよね」と答える五十嵐。
キタダが「そういうとこ、変わらないの?」と問うと、「だから、最終的に誰もいなくなって、キタダさんと大樹ちゃんが残っているという。そして、みなさんが残っています、サンキュー!」と、うまくつなげてオーディエンスに感謝を伝え、拍手と歓声を浴びる五十嵐だった。
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』は、この初日の東京公演以降、仙台・岡山・福岡・柏・札幌・大阪・名古屋・横浜を周り、7月5日(水)の京都磔磔で、ファイナルを迎える。
『syrup16g Tour 20th Anniversary “Live Hell-See”』

文=兵庫慎司
撮影=河本悠貴

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