水瀬いのり

水瀬いのり

【水瀬いのり インタビュー】
“多色に煌めく”ことを
新たなスローガンとして
頑張っていきたい

ニューシングルは水瀬いのり自身が崎宮ミサキ役で出演するTVアニメ『デッドマウント・デスプレイ』EDテーマ「アイオライト」。リズムが特徴的でダークな雰囲気の表題曲のほか、ライヴでの想いを込めたロックナンバー「クータスタ」、恋する女の子のピュアな気持ちを歌う「運命の赤い糸」を収録している。“アイオライト”という名のとおり、多色に煌めく三者三様の楽曲をパッケージした本作について語ってもらった。

作品を音で表すなら
まさしくこんな曲 

「アイオライト」はどんなイメージで制作しましたか?

今回は『デッドマウント・デスプレイ』のEDテーマということで、作品の持つ色や世界観を音楽でも表現しようと思い制作しました。アニメのキービジュアルに大きなドクロが描かれていたり、逆異世界転生モノであったり、新宿という馴染みのある街で起きる物語ではあるけど、主人公の四乃山ポルカくん自身は異世界からやってきた魂であるといった、摩訶不思議で奇想天外な物語になっているので、音楽も何か仕掛けのあるサウンドにできたらいいなと思っていました。

ポルカくんは霊が見えるなどのホラー要素があるほか、異世界転生のファンタジーでもあり、裏社会も描かれていたりしますね。

いろんな角度の闇や陰を描いた作品なので、日の当たる場所だけじゃない路地裏や雑踏の中での魂のうごめきを音楽にも取り入れています。

“いろんな角度”というのは“アイオライト”というタイトルにもつながっていますね。

はい。“アイオライト”は宝石の名前で、“多色に煌めく”という特徴があります。もとの色はすみれ色ですが、見る角度や光の当て方によっていろんな輝き方をするんです。それはいろんな側面を持った新宿という街や、人にはさまざまな考え方があって多面性を持っているというところにもリンクしています。

「アイオライト」はリズムが特徴的ですが、最初に聴いた印象はいかがでした?

これから何が始まるのかと興味や好奇心をそそられるイントロで、“自分は自分なんだ”と主張するような強さを感じました。人に流されることなく自分を貫くことで見えてくる、カリスマ性やカッコ良さを音から感じ取ったというか。ポルカくんは転生前、“屍神殿”という恐ろしい存在でしたが、その自分というものを受け入れながら、しかし他者にあまり期待していないポルカくんのキャラクター性も見えてくる楽曲です。作品を音で表すなら、まさしくこんな曲だと思いました。

特に聴いてほしいポイントはありますか?

この曲の主人公は総じてあまり熱血ではないのですが、最後のサビの《「それでも、それでも!」》という歌詞を受けて以降は、確固たる意思を感じてもらえるように頑張りました。そこからポルカくんをより感じてもらえるのではないかと思います。

歌詞の中で胸に響いたワードはありますか?

1Aの《「宝石みたいな色は無くたっていい」と笑った》というフレーズです。自分は自分でいいと思わせてくれるフレーズで安心したというか、認めてもらえたような気持ちになりました。いわゆる“この色”とか“この輝き”とか、ひと言では言い表せない色や輝きがあってもいいと常々思っていて、自分自身もそういう存在だと思っています。“この人と言えばこれ”という色がなくても、そういう自分を好きと言ってくれる人いて、それがいつも自分を励ましてくれています。作詞作曲の志村真白さんが書いてくださった「アイオライト」にも改めて救われた気がしました。

MVではダンサーと一緒に操り人形やパントマイムのようなダンスを踊っていましたね。

大変でしたけど、その世界観に入ってしまえばわりとスムーズに進んで、撮影はあっと言う間でした。カクカクした動きが多いのですが、そこは持ち前の体の固さが活かされましたね(笑)。それに私自身表情があまり豊かなほうではないので、それが楽曲の持つ無機質な感じともマッチしたのではないかと思います。

最後だけ笑顔を見せているのがいいですね。

そうなんです。でも、さわやかな笑顔のはずなのに、アニメや楽曲の持つ世界観によってシニカルに映るという今までとは違う笑顔で、自分でも観てゾクッとしました。あの笑顔はフルサイズを観てくれた方だけの特権なので、ぜひフルサイズを最後まで観ていただけたらと思います(笑)。
水瀬いのり
シングル「アイオライト」
Blu-ray『Inori Minase LIVE TOUR glow』

OKMusic編集部

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