新しい学校のリーダーズが向き合う「
バズる」ということ、そして新たなス
テージ進出への実感「今はあの頃の自
分たちが足りていないぞ」

2020年にリリースされた「オトナブルー」の世界観、そして振付「首振りダンス」がTikTokを中心にバズっている、新しい学校のリーダーズ。2020年にアメリカを拠点とする音楽レーベル、88risingと契約して翌年に世界デビューを飾り、テレビ番組など各メディアでは「次にブレイクするZ世代のアーティスト」というような切り口で脚光を浴びている。そんな新しい学校のリーダーズが4月30日(日)に大阪・Zepp Osaka Bayside、5月1日(月)・2日(火)に東京・Zepp Shinjukuでワンマンライブをおこなう。今回SPICEでは、現在の状況の話題もまじえながら、メンバーのMIZYU、RIN、SUZUKA、KANONに話を訊いた。
SUZUKA
メディアでの「バズる」は一種の魔法みたいな感じ
ーーTikTokで「オトナブルー」の曲と振付が拡散されるなど、バズを連発していますよね。テレビほかメディアに出演する際も「バズりまくっている」「Z世代の新しいスター」という打ち出し方をされています。でも逆にそこまで「バズっている」と紹介されると、「必ずバズらなきゃ」「外せない」というプレッシャーがあったりしませんか。
SUZUKA:全然ないというか、バズることに対して執着がないんです。これまで通りただただ面白い作品を作って、私たちができるパフォーマンスをやり尽くすだけなので。それがたまたまバズる状況になったと捉えています。もちろん「バズる」というのは大切にしたいけど、でもそれだけじゃないなと。
MIZYU
MIZYU:テレビ番組に出演しても、収録が終わるころには「どういう風に紹介されていたかな」と記憶が抜けちゃってるくらいで(笑)。どういう打ち出し方であっても、そのときに番組を観た人が、私たちのことを好きか嫌いか、印象に残ったか残っていないかだけな気がしていて。もしつまらなかったら「次に来る」という切り口自体も忘れているでしょうし。どういう風な切り口でも構わなくって、私たちはそのときの収録などを楽しんでやるだけなんです。
RIN
RIN:あと、テレビなどで「バズっている」と紹介してくださると、あまりバズっていなくても「あ、バズっているんだ」と思ってもらえるような気がするんです(笑)。メディアでの「バズる」は一種の魔法みたいな感じ。だからメディアにとりあげてもらえるのは、ものすごくありがたいこと。だって「時代についていくには、この子たちのことを知らなきゃいけないんだ」とプレッシャーをかけることができている気がします。
KANON
KANON:以前のバズり方と今のバズり方の内容も違ってきた気がします。最近は私たちのパフォーマンスなど本質の部分を知ってもらえてきたんじゃないかなって。TikTokは私が投稿をしているんですけど、とにかく純粋に観てほしい動画を選んで更新しているんです。だからそんなに数字が伸びなくても、誰かの目に触れるだけで嬉しくて。テレビ番組などの打ち出し方も一緒で、そこで私たちのことをもっと知りたいという人がいたら追いかけてほしいし、そうじゃない人はスルーするはず。そのどちらかなのでプレッシャーはほとんどありません。
「もっとふざけられたかも」と思ったり
SUZUKA
ーーただこれまではライブが中心でしたが、テレビなどでは食リポ(TBS系『よるのブランチ』)にも挑戦するなどステージに変化が出てきましたよね。
SUZUKA:たしかにテレビなどに出ると、「自分たちにしか出せないコメントってなんだろう」と新しい学校のリーダーズとしてのあり方をいろいろ見つけ出せている気がします。それってライブのときと一緒で、「めちゃくちゃ楽しい、楽しまないという選択肢がない!」という感覚なんです。食リポはすごく楽しかったし、逆に「もっとふざけられたかも」と思ったりもして。テレビ神奈川の『関内デビル』で「1チェーン8万!?むむむのむ」というコーナーをやっていたときは、いろんな場所やものをリポートして、AD役、プロデューサー役も自分たちでやっていて。シュールを通り越してカオスだったんですけど(笑)、でもカオスの先に幸せがあったんです。
KANON
KANON:最近、そういう昔の映像を振り返ることが多いんですけど、「おもしろい」なと思います。
RIN:そうそう、全力でふざけにいっているよね。よく地上波であんなことできたなと思う。
MIZYU:アーティスト味が薄れたところもあったとは思うんです。ちょっとわんぱくすぎたから。だけど振り返ってみると、逆に「今はあの頃の自分たちが足りていないぞ」と思うこともあります。
KANON:結成当初は名前と好きな食べものしか情報として出さない。など作り込んだところがあったのですが、内側にあるものを見せ始めてから、私たちのことを深く知りたがってくれる人や、より好きになってくれる人が増えた気がします。もちろん出し方は考える必要があるけど、でも出せば出すほど沼ってくれる人はいるんじゃないかな。
『無名ですけど』から脱皮したい気持ちがあった

MIZYU

ーー状況的に変わったこと、心境的に変わらないことなど、現在の新しい学校のリーダーズはいろんな経験が合わさっている気がします。変わったことといえば、以前までワンマンライブのタイトルは『無名ですけど』がついていましたが、2022年5月20日に『無名卒業ライブ』を迎え、今回の大阪、東京のZeppワンマンも『無名ですけど』のタイトルは使っていませんよね
KANON:たしかに『無名卒業ライブ』以降、アーティストとしての自分たちを知っていただく機会が増えました。TikTokで「オトナブルー」の動画が伸びたことで、フォロワーの増え方も早くなっています。これまで海外の方が多かったけど、日本の方のフォロワーも増えました。
RIN:『無名卒業ライブ』も、「これから無名を卒業していきたい」という理想みたいなもの。人によってはまだまだ自分たちは無名だろうし。でもKANONが話したように知ってくださっている人の量は確実に増えている実感はあります。だから、胸を張って「わたしたちは新しい学校のリーダーズです、みんな知っているでしょ」という状態に近づけている気はしています。
MIZYU:私は「いつまで『無名ですけど』と言っていくんだろう」と考えることもありました。4人のなかで「そろそろ、ちょっと違うな」という空気が流れていたようなところもあります。未来を見据えるという意味で『無名ですけど』から脱皮したい気持ちもあって。だからと言って「有名になりました」「無名じゃないです」も違う。そういうことを気にするのを辞めたというか、解放された気持ちがあります。
SUZUKA:『無名ですけど』と自虐するのはめっちゃ好きだったんですけど、でも飽きたところもあって……(笑)。『無名ですけど』という言葉に縛られずに前へ進もうぜっていう感じはありましたね。
RIN
ーーそういう意味では、Zeppワンマンでは新しいグループ像が見られそうですね。
SUZUKA:「NEXT AG(新しい学校のリーダーズのローマ字表記の略称)」を表現します。これまではとにかく突っ走って、激しくという感じでやってきました。MCにも緊張感を持たせて作り込んできたけど、人間味、表現の形も違いが出るだろうし、自分はリードボーカルとして歌をもっと聴いて欲しいところもあります。披露予定の新曲は、表現の振り幅、可能性が花開くはず。
KANON:新曲は、日本、海外でたくさんの方に受け入れてもらえそうな気がします。「これはヤバいものになる」という感覚があって。Zeppワンマンはそれをパフォーマンスとして披露できる場。今まで以上に、とにかくヤバいライブになりそうです。
RIN:デビュー時は昭和歌謡っぽいイメージの曲を出し、2021年の世界デビューからは海外の方になじみやすい曲を意識したりしました。そういう段階を経た上で、新曲はあらためて「日本にアプローチしていこう」と。ストレートなことで刺していくというか。私たちが新たなフェーズに入っていることは間違いないです。
MIZYU:以前までは4人が中心になってライブの演出を考えていたんです。自分たちでダンボールを切ったり、縫い合わせたりして。そういうアナログなやり方も文化祭みたいで楽しかった。でも2022年の『無名卒業ライブ』でプロの演出家さんに入っていただいて、初めて見えた景色がたくさんありました。また、そういう本格的なステージや演出を経験したからこそ、手作りでやっていた時期の尊さにも気づくことができた。両方のやり方が好きなんですよね。だから過去と現在を掛け算していけば、もっと最強になれる気がします。Zeppワンマンでは自分たちが今持っているものを全部ぶつけます!
新しい学校のリーダーズ
新しい学校のリーダーズ
新しい学校のリーダーズ
取材・文=田辺ユウキ 撮影=ヨシモリユウナ

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