「僕たちは、固いきずなで結ばれてい
る」OCTPATH、初の全国ツアー『OCTP
ATH JAPAN TOUR 2023 -DISPLAY-』最
終公演

大型フェスや様々なイベント、ライブだけでなく、バラエティ番組などにも出演し、話題を集めているボーイズグループOCTPATH。彼らの初の全国ツアー『OCTPATH JAPAN TOUR 2023 -DISPLAY-』が全国6か所、11公演で開催。そして3月29日に神奈川県、パシフィコ横浜 国立大ホールにて最終日を迎えた。

今回のツアーでは、Show、Wonder、Break、Expression、Bond、Dearという6つのブロックに分け、セットリストを構築。それぞれに熱く深い想いが込められたライブとなった。物々しいサイレンの音からスタートし、疾走感あふれる「Run」からスタート。迫力溢れるパフォーマンスは最初からギアが全開なことが伝わってくる。ビートスイッチでガラッと世界を変える太田の歌声、海帆の高速ラップで世界観に引きずり込む力はさすが。その勢いを緩めることなく「Showtime」へと繋がり、声出しが可能となった会場からは悲鳴にも似た歓声が聞こえてくる。その声をしっかりと聴こうと古瀬が耳に手を当てると、さらにその歓声は大きくなり、THmeがこの日を待ちわびていたことが伝わってくる。ミラーボールが会場を一気に盛り上げると始まったのは「Like」だ。カラフルな照明の中、笑顔でパフォーマンスする彼らは自信に満ち溢れている。このブロックで彼らは『Show』を表現。いま、輝いているキラキラした等身大のOCTPATHを見せるというテーマの通り、圧倒的な光を放っていた。

続いて『Wonder』のテーマは“夢を追いかけ、夢の中で葛藤している時”を表現。「Bump」からスタート。少しの陽気と、セクシーなステージは一気に空気を変えていく。スポットライトが舞台に落ち、それぞれに照らされるメンバーがショーケースに展示されるように回転。それぞれが音に合わせてジャケットを半分脱ぐと大きな歓声が溢れ、興奮冷めやらない中でスタートしたのは「Hot Thoughts」。鼓動に似た低音が会場中、身体中に響き渡り、妖艶なステージを見せていく。
ドラマティックなSEが流れ、「Mind Blaster」では“お遊びなら終わり”という攻撃的なフレーズから始まるこの曲は、まさに彼らの強い意思が溢れたパフォーマンスに目を奪われる。“見せたげよう ホンモノ遠慮なしで”というフレーズはまさに今の彼らが表現しているステージだ。たとえどんな障壁があろうとも、それをぶち破っていくというメッセージを感じることが出来る。「Lip Service」では赤いライトに照らされながら、激しい音圧を切り裂いていくように魅せるパフォーマンスはとても力強い。さらに“余裕見せつけろ”という歌詞通り、何があろうとも進んでいくという意思に溢れている。そう、このブロックは『Break』を表現。夢が冷めて、現実が襲い、苦しいことや、たとえ壁があったとしても、ぶち壊して行こうという想いが込められていた。

その直後に『ぽかぽか』に出演している栗田と四谷のコンビが登場。愛らしい笑顔で「Break、できてた?」と問いかけるギャップに驚く。さらに四谷は髪色を変えたことをアピール。カメラで見せようとして後ろを振り返るも、栗田が邪魔をして怒り、“でないで!”と念押しをしてもう一度同じくだりをすると、素直に引っ込んでいる栗田に対して四谷が「吉本は出るの!」と“天丼”がなかったことに激怒(笑)。クールでありながらコミカル。THmeから吉本興業所属であることをイジられることを逆手に取り、見せるお茶目な姿も愛らしい。
次の『Expression』を表現したブロックでは、彼らの特技を生かし、ストンプやボイスパーカッション、お芝居など盛りだくさんの表現を見せていく。メンバー自作曲では、小堀、四谷、海帆の3人が“守るべき場所 生きる意味を知る”という意思表明をリリックに込めて、高らかに歌い上げた。さらに名曲「雨」では、太田と四谷のハーモニーが重なり、しっかりと歌を聴かせていく。ダンスパフォーマンスはもちろん、彼らの魅力は安定した歌唱力でしっかりと聴かせることが出来ることだ。より抒情的に、楽曲の良さを伝えていく。「All Day All Night」では、メンバー同士がわちゃわちゃと絡み合いながらかわいらしくパフォーマンスを魅せ、やがて雨が上がり、虹がかかっていく――。この曲に沿った演出もライブならでは。物語性のあるパフォーマンスにTHmeたちが感動した瞬間だった。

5つめのブロックでは、“OCTPATHがTHmeと出会い、絆を深めていく”、『Bond』がテーマ。古瀬の「一緒に歌いませんか?」との声にさらに盛り上がり始まったのは「Perfect」。彼らの爽やかさが前面に出た心地のいいナンバーは、コール&レスポンスでさらに盛り上がる。撮影OKとなった「Best Shot」では海帆が特技のスケートボードを披露し、メンバーからTHmeへの愛溢れるメッセージが描かれた横断幕が披露されるなど、企画色溢れたスペシャルな1曲となった。
ラストの曲紹介で、太田が「この曲とともにデビューし、一緒に成長してきました。これからもこの曲にかける想いだったり…」と言った時点で涙がこみ上げ、喋れなくなると、四谷が背中をポンポンと叩き落ち着かせ、精一杯振り絞り「最後、聴いて下さい」という合図から「IT’ S A BOP」がスタート。いつも以上にエネルギーに満ち溢れたパフォーマンスに、THmeも感動したに違いない。
本編が終わった瞬間から、客席からは「OCT!OCTPATH!!」とアンコールの声が響き渡る。コロナ禍にデビューした彼らにとって、この声はずっと欲していたものだろう。THmeも、初めてちゃんと届けられる想いに力が入る。その声に誘われるように再登場した彼らは、最高の笑顔で会場を見届けている。そこで歌う、THmeへのラブレターのような「Our PATH」は、とても美しく、響き渡った。

このアンコールのブロックは、『Dear』。THmeへの感謝をつたるパートで、彼らはニューシングル『Sweet』がリリースされることを発表。会場は歓喜に溢れた。最後のコメントでは太田が、「THmeに会ったら前向きになれた」と告白し、海帆は「このツアーをすることで知らない自分自身に出会えたからこそ、また会いましょう」と次を約束。四谷は「無理しないで僕たちOCTPATHと進んで行けたら嬉しいです」、古瀬は「僕たちOCTPATHは、固いきずなで結ばれているのでずっとずっと一緒です!」「どんな困難も、試練も、選ばれし人、乗り越えらえる人に与えられると思っています。僕がそれを一番知っています」と話すと、メンバーからもTHmeからも「カッコいい~!」と言われはにかんだ後、「最高に幸せと書いて“最幸”です!」と感謝を話した。小堀は「オーディション時代から今まで聴くことができなかった歓声が聞けて嬉しかったです。この経験から、いつ何か起こるかわからないからこそ、1日1日を大切にしようと思わせてくれた期間でした。そんな1日に僕たちOCTPATHを選んで会いに来てくれたことを感謝しています」、栗田は「THmeがどれだけたくさんOCTPATHに時間をかけてくれているかを僕たちは知っているから、期待通りじゃなくて、期待を超えていかなくちゃいけないと感じています!」と心からの感謝を述べた。Wアンコールでは「Be with you」を披露。その後全員が生声で挨拶をし、深々とお辞儀をして、幕を閉じた。
彼らの道は確かに平坦ではないかもしれない。でも、だからこそ、その場で深く学び、感謝を覚え、パフォーマンスを磨き、新たな一歩を進んでいく。その軌跡がしっかりと見えたツアーの最終日だった。
OCTPATH -「Showtime」- DISPLAY - Ver. –

文/吉田可奈
撮影/MASA(田中聖太郎写真事務所)

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