Morfonicaの終わりと始まり。1st Al
bum『QUINTET』以前/以後でモニカの
歴史は大きく動く!

Morfonica待望の1st Album『QUINTET』が2023年3月15日に発売となる。結成から3年を経て、7月から始まる『Morfonica ZEPP TOUR 2023』が控える4年目へと突入し、更なる飛躍の年となるだろうモニカのここまでの集大成的な仕上がりを見せた一枚を進藤あまね、西尾夕香に語ってもらった。モニカにとってはまさに今が第二楽章への転換期であり、勃興からの軌跡をイチから辿るにはまたとないタイミングを迎えている。だからこそ、Morfonicaの存在を気にかけていた方にこそ手に取って欲しい1枚だと強く推したい。

■モニカって持ち曲、こんなに増えたんだ
−−−これまでに5枚のSingleをリリースしてきて、ようやく1枚のAlbumという形に落ち着いたわけなんですが、改めてこれまでの活動を振り返ってみて、おふたりにとってこのAlbumにはどんな思いが込められているのでしょうか?
進藤:CDの曲順を見て今思ったのが、私たちにとって最新の曲である「メランコリックララバイ」が2曲目に入っているんですけど、この曲はすごく倉田ましろちゃんを象徴している曲だと思っていて、1曲目の「Daylight -デイライト- 」からの成長をより感じられる並びになっているんじゃないかなと思いました。
−−−1曲目は、やはりデビューSingleである「Daylight -デイライト- 」ですけど、その次に最新曲ですから、確かにインパクトは感じました。
進藤:「Daylight -デイライト- 」の時のまだバンドを始めたばかりで自信がないましろちゃんと、歌うことに対して自信を持てていない私が確かにそこには居て、そこからひと回りもふた回りもたくましくなって成長した自分を客観的に感じられたのが、個人的にはすごく印象深かったですね。
西尾:私は単純に「モニカって持ち曲、こんなに増えたんだ」というのがまず最初にあって(笑)。1st Liveの頃ってまだオリジナル曲が5曲もあったかな?って所からスタートして、活動初期の頃はライブの度に「また同じようなセトリになってしまわないかな?」みたいな不安も付きまとっていました。それが今回、13曲組みのAlbumになって、収録されていない楽曲まであるくらいに楽曲も増えて、楽曲の数だけみんなとの楽しい思い出も増えてきたなって、改めて思いました。
■よりアグレッシブな“攻めモニカ”
−−−1st Singleから最新曲まで網羅されているということで、今からモニカにちゃんと触れるよという方も非常に手に取りやすいAlbumに仕上がっているのかなというのが個人的な印象としてもありました。先ほどお話にもありましたが、1曲目がデビュー曲の「Daylight -デイライト- 」ですけど、2曲目にさっそく新曲が入っていますよね。
進藤:これまでのモニカとは違って、「Yes!」とか「ワン・ツー・スリー・ ジャンプ!」とか合いの手が入ることもあって、これからライブとかもドンドン声出しが解禁されていく中で非常に楽しみでもあるんですが、そういう意味でも曲調は明るくても、曲名に“メランコリック”って入っているように、ましろちゃんらしいネガティブな側面も歌詞に盛り込まれていて、これまでのモニカらしさも感じつつ、これまでみんなで声を合わせられるような曲が私たち少なかったので、ツアー前のこのタイミングでそういう楽曲が増えたことがとても嬉しかったですね。
西尾:リリックビデオもいつもとはちょっと違ったテイストだしね。
進藤:そうなんです! モニカのビジュアルといえば結構、絵画的というか荘厳で幻想的みたいな感じが多かったんですけど、今回のリリックビデオはビビッドというかネオンカラーな感じで、これまでになくポップなモニカを感じて頂けるのではないでしょうか。
西尾:ベース担当として思うのはやっぱり曲調がこれまでのモニカに比べてアグレッシブで「攻めモニカだ!」って思って。この曲の前に「誓いのWingbeat」という曲が出ていて、この曲も中々の“攻めモニカ”だと感じてたんですが、2曲続いたことで新しいモニカの幕開けじゃないですけど、ひと皮剥けたような感覚を覚えましたね。
『QUINTET』Blu-ray付生産限定盤 (c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved.
■1番自然体で気持ちよく歌える楽曲
−−−他にトピックとしては8曲目に収録されている新曲「The Circle Of Butterflies」が fhánaの佐藤純一さんにご提供頂いてると思うんですが、曲の第一印象だったり、実際のレコーディングで何かディレクションがあったりしたらお聞きしたいです。
進藤:この曲は確か最初、3~5種類くらいキーを提示頂いて、レコーディング前にキーチェックをして、その中から1つに絞り込んだんですけど、自分としてもモニカの中で1番自然体で気持ちよく歌える楽曲になりました。
−−−もちろん進藤さんのスキルが上がっていったということもあると思いますが、これまでの楽曲と比べて、具体的にどのような違いがあるんでしょうか?
進藤:これまでだと1曲の中でも、ここは高音が気持ちよく出せるんだけど、このパートはちょっと低くすぎて……とか、もうちょっとしたら転調してさらに高い部分が来るから頑張ろう!みたいな事があったんですけど、要求される難易度的にもいい感じの塩梅で、自分のキーにも寄り添ってもらっていて、非常に歌いやすくもあり、気持ちいいんですけど、この曲すごくリズムがとりづらくって。
西尾:楽器パートの皆はヒィヒィ言いながらやっていました!(笑)。歌のレコーディングの時に佐藤さんとお会いして「いや~、ベースが大変なことになってますね!」なんてお話をしたのは覚えてます(笑)。でもベースだけじゃなくて全部の楽器が必死にならないと出来ないような曲なので、みんなで頑張って練習してライブで披露しました。
−−−他にも数多くのアニソンを手がけている佐藤さんなので、“王道の主題歌”感があるというか、聞いていて映像が浮かんでくるようなアニソンらしさを感じました。
西尾:確かに!それでいうと私もこの曲を聞いて、5人のそれぞれのメンバーカラーの蝶がヒラヒラと舞うような光景を勝手にイメージしていたんですが、実際にMVでも似たようなカットがあって「解釈一致!」って興奮しました(笑)。
進藤:私もアニメのOPっぽいなって勝手に思っていて「ここでクレジットが流れる!」みたいな妄想をしてました(笑)。
■キャラと私たちの成長を描いてくれている
−−−MVの話でいくと「誓いのWingbeat」は既にフルMVが公開されていると思うのですが、こちらの撮影秘話だったり、曲のお気に入りポイントみたいなのがあれば、ぜひお伺いしたいです!
進藤:さっきおゆちゃんから“攻めモニカ”なんて単語も出てきましたけど、この曲は久々にカッコいいモニカだな!って嬉しくなっちゃって。「Daylight -デイライト- 」や「flame of hope」がこのラインにあると思うんですけど、もっとこういうライブで盛り上がれる曲が欲しいなってずっと思っていたので。
西尾:でも、こういう曲ってモニカの中でメンバー同士が衝突したり、何か大きなことが起きないと生まれない曲でもあるんだよね(笑)。
進藤:そう!だから次のチャンスでは「こういう感じにしたいです!」というのをずっとスタッフさんたちに話していて、今回のAlbumで盛り込んでくださって。モニカってコロナ禍の中で生まれたバンドだったので、なかなかお客さんの前でライブが出来なかったりとか、あまり良いスタートダッシュが出来なかった中での悔しさとかアツい想いが、ちゃんと歌詞やメロディに込められていて……。
−−−個人的にもやっぱり上松さん✕菊田さんのElements Gardenが誇る黄金タッグが作る曲ってやっぱり強くって「……コレやで!」って分からされちゃいました。
進藤:やっぱりでもファンの皆さんもそう思ってた人は多かったみたいで、先日のライブで初披露したときも「待ってました~!」って感じで、やっぱり皆も強い曲欲しかったよね!って答え合わせが出来たのも印象的でしたね。
−−−加えて織田あすかさんの歌詞も本当に素晴らしくて、各バンドを担当しているのにそれぞれでキャラやオタクの気持ちを全部拾っていくワードセンスにいつも感動させられるんですよね。
西尾:上松さんにこの曲を作っていただく前に、私たちのライブを見て「モニカ、本当に上手になったね!これならもう少し難しい曲も書いちゃおうかな!」っておっしゃってて、嬉しい反面ドキドキもありつつ、そうしたらこの曲が出来上がりまして(笑)。織田さんもライブを見にきてくださっているのですが、キャラと私たちの成長を見守ってくださっているのが歌詞からも感じ取れて、感慨深いです。
−−−「Ever Sky Blue」は、4年目のモニカの鍵となるような、重要な1曲にこれからなっていくんじゃないか?という予感を感じたんですけど、ズバリいかがでしょうか?
進藤:この曲は歌詞が本当にすごい、今までの楽曲のフレーズが散りばめられているんですよね。まず曲をいただいた時点ですごく感動しちゃって、とても前向きな意思を感じるんですけど、もしかしたら織田さんからのエールでもあるのかな?という気持ちでレコーディングに臨ませていただいたので、その気持ちにちゃんと応えられているといいなって思いますね。
西尾:この曲は他の新曲に比べてベクトルがまた違うというか、これまでのモニカの集大成+それらを超えてこれからのモニカを予感させる楽曲なんじゃないかと捉えているんですよ。まだライブとかではやっていないんですけど、これからこの曲の思い出を皆さんと作っていけたらなって思っています。
『QUINTET』通常盤 (c)BanG Dream! Project (c)Craft Egg Inc. (c)bushiroad All Rights Reserved.
■離れ離れになって、より絆が深まった
−−−また今回のAlbumにはBlu-ray付生産限定盤にMorfonica ZEPP TOUR 2021「Amabile」東京公演とMorfonica Concept LIVE「Resonance」の映像も付いているということで、この2公演はこれまでのモニカを語る上でもかなり外せないライブだったんではないかな?と思うのですが。
西尾:「Amabile」は初のツアー……といっても2ヶ所ではあるんですけど、それでもこれまでの1度きりの公演とは違ってよりブラッシュアップされた内容になっていますし、「Resonance」は個人的にお休みしたライブになるんですが、公演当日には体調も回復していたので配信で見させてもらってたんですけど、それが逆にモニカを客観的に見る良い機会になって、改めて外から見たモニカの魅力を再確認できました。個人的にはステージに立てなかった悔しさはありつつ、素直に「良いライブだった」って思えた公演でしたね。
進藤:この「Amabile」と「Resonance」を経て、モニカの仲がグッと深まった印象があって、そういう意味でもぜひ見ていただきたいですね。それこそ「Resonance」はおゆちゃんが居なかったんですけど、だからこそ「おゆちゃんがいない分をこうしよう!」みたいな事をメンバーで話し合ったり、苦難を乗り越えた先で絆が深まったから、これまでのモニカを知る上で見ておいて欲しいなと思います。
−−−少し先の話にはなりますが、7月からは東名阪のZeppツアーも控えていて、モニカとしては名古屋は初上陸だと思います。進藤さんとしてはようやくの地元凱旋になるわけですが、心境はいかがですか?
進藤:もちろん東名阪でって決まった時はとても嬉しかったんですけど、メンバー全員の凱旋ライブが出来るように頑張りたいですよね。まずはAlbumを引っさげたこのツアーが成功すれば、いつかその夢もうと思うので、頑張ろうと思います!
−−−ツアーといえば各地の美味しいものも醍醐味のひとつだと思いますが、メンバーやファンの方にオススメしたい名古屋グルメなどあればぜひ!(笑)
西尾:私、ひつまぶし食べたい!
進藤:いや~、もちろんひつまぶしも良いんだけど、名古屋って美味しいものいっぱいあるからな~……。味濃いのが苦手な人もいるかもしれないんですけど、私は圧倒的に味噌煮込みうどんが好きなんですよね(笑)。ぜひ赤味噌食べてみて欲しい!
−−−最後に改めてひと言ずつ皆さんへメッセージをお願いします。
西尾:モニカの軌跡を感じられる1枚に仕上がったなと思いますし、もちろんこれまでもずっとモニカを追ってきてくれてる方も感慨深い気持ちを共感してもらえるのではないかと思います。今回のAlbumでモニカを知ってくれた方には、私たちの色んな世界観を感じてもらえたと思いますし、その世界観をより具体的に体現しているのがライブになるので、ぜひぜひ遊びにきて欲しいです!
進藤:おゆちゃんのいう通り、モニカって色んな表情を持ち合わせたバンドだと思っているので、今回のAlbumに入っていないSingleのB面もぜひ聞いて欲しいんですが、やっぱりライブに来て欲しい! でもライブに行くのって実は結構勇気がいることだと思うんです。そんな方はAlbumをたくさん聞き込んで頂いて、ライブの映像も見てもらえれば少しは雰囲気も掴めると思うので、ゲームのストーリーはもちろんですけど、ライブで紡がれる物語もまたモニカの物語なので、ぜひ勇気を出して遊びに来て頂けたらなと思います!
取材・文:前田勇介

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