小林柊矢

小林柊矢

【小林柊矢 インタビュー】
愛をもらって、愛を与えて、
みんなで作り上げたアルバム

ドラマの主題歌「笑おう」や「愛がなきゃ」を含む1stフルアルバム『柊』をリリースする小林柊矢。悩んでいる人、傷ついている人の心も包み込むハートフルな楽曲の数々がついに一枚のCDとして届けられる。メジャーデビューを果たして1年。愛に囲まれて過ごした月日があったからこそ生まれた曲たちについて語ってもらった。

アルバムを聴いたら
小林柊矢という人間が全部分かる

初のアルバム『柊』が完成しましたが、配信されたシングルなどを含む楽曲たちがフルアルバムのCDというかたちになるのはどういう気持ちですか?

CD自体は昨年の3月にEP(『あの頃の自分に会えるなら』)をリリースしているんですが、その時は店頭に自分のCDが並ぶまで信じられなくて、夢じゃないかと思うぐらいでした。

お店に見に行かれたんですね。

行って、自分のCDをギュッと握りしめて(笑)、本当にリリースしたんだなって。コロナ禍でライヴも配信になって、音源もデジタル化されている中、物で実感を得ることがほとんどなかったので感動でした。小さな頃から大好きなアーティストのCDを、親に誕生日に買ってもらったウォークマンに入れて聴いていたから憧れだったし、フルアルバムという曲数も感慨深いですね。

また発売日には置いてあるか見に行きそうですね。

絶対に行きます(笑)。

小林さんは声自体に魅力がありますが、温かくて切なくて、聴く人の心情に寄り添ってくれる楽曲たちが胸に真っ直ぐ飛び込んできました。ご自身はどんなアルバムにしたいと思っていらしたんですか?

メジャーデビューから1年経ったんですけど、この1年は“ひとりじゃ何もできないな”って痛感した日々だったんです。僕がいい曲を作って歌っても、曲をアレンジしてくれる人や録ってくれる人、プロモーションして広めてくれる人、そして聴いてくれるファンがいないと、ただの独り言になってしまうんだなって。リード曲「愛がなきゃ」の中に《愛がなきゃ 愛がなくちゃ/何もかも意味を失くしてしまう》という歌詞があるんですが、本当にそのとおりだなって。一緒に音楽を作ったり、宣伝したりしてくれる僕のチームって、すごく温かくて、愛にあふれた方たちばかりなんですよ。“小林柊矢”というアーティスト名じゃなく、“チーム小林”として活動したいぐらい(笑)。愛をもらって、愛を与えて、そんな想いでみんなで作り上げたアルバムですね。

《愛して 愛されて/僕ら 息をしてる》という歌詞もこの一年で実感したことなんでしょうか?

そうですね。1年前はメジャーデビューという言葉に圧倒されて、どこかで“もう安心だな”と思っている自分がいたんですよ。でも、昨年6月の初の東名阪ツアーで観に来てくれたみんなの顔を見た時に、“これで満足しちゃいけないな”と思って。この先にあるもっと大きな景色を、みんなに見せてあげたくなったんです。スタッフ、家族、大事な人たちを含めて。

当初、ネットで公開した動画が話題になり、TikTokやYouTubeのフォロワー数がどんどん増えていく経験をされていると思いますが、その頃はどんなふうに思っていたんでしょうか?

そういう日々に満足していたというか、“聴いてくれる人がいればいいや”と思っていました。アルバムの中に「あの人のため」という曲があるんですが…。

アルバムの中で一番アツい歌詞の曲ですね。

はい。今まで歩んできた道を振り返って、自分と照らし合わせて書いた曲なんです。僕は小さい頃に野球をやっていたので、その頃に芽生えた夢もあって。曲の中で《綺麗事と言われたっていい》って歌っているんですが、“あの人のため”って言うと“そんなの綺麗事だよ”と言われがちなんですが、僕はそんなことないと思っていて、“あの人にこんな景色を見せてあげたい”とか“あの人に喜んでほしい”とか“あの人と一緒に歩んでいきたい”っていうのが、自分が夢に向かう原動力なんですよ。先ほど話したスタッフの方に恵まれているのもそうですし、高校の入学祝いにギターをプレゼントしてくれた祖母のためにも、僕は絶対に夢を叶えて大きなステージに立つんだと。そういう想いを込めた曲なんです。

《血が滲んで 皮がめくれても/やんなきゃいけない理由がある》っていう表現も恋愛ソングとは違って生々しいというか。

そうですね。野球をやっていた頃の素振りの経験も被っています。

先ほど“チーム小林”というアーティスト名でやりたいぐらいだっておっしゃっていましたが、お話を聞いていると野球に熱中していたからこそ、みんなで積み上げて前に進む精神が根づいているのかもしれないですね。

団体競技はみんながいてこそ成り立つんですよね。誰かがホームランを打っても塁にいる人たちとのチームワークで点数が入るので。ヒットでつないで塁を埋めていくっていう。僕はずば抜けた歌唱力とテクニックを持つ天才アーティストにはどう頑張ってもなれないから、みんなと力を合わせて進んでいく身近なアーティストでいたいという想いはありますね。

心境の変化の中、どんな小林さんがアルバムで表現されていると思います?

恋愛ソングでも応援ソングでも一貫して表現しているのは、ちょっと不甲斐ない自分ですね。女性に引っ張ってもらうような頼りない男性像が多いんですが、僕自身もそうなので、そこは最初から変わっていないと思います。

どんなところが自分で不甲斐なく感じるんですか?

一見、自分がリードしているように見えても実は主導権は相手にあって、絶対に自分が上に立つことはないというか(笑)。

「白いワンピース」はまさにそうですもんね。

振り回されてばっかりなんですよ(笑)。
小林柊矢
アルバム『柊』【初回盤】(CD+DVD)
アルバム『柊』【通常盤】(CD)
アルバム『柊』【ユニバーサルストア限定盤】(CD+Goods(リストバンド))

OKMusic編集部

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