これがナナシスの過去/現在/未来。夢
のような4時間40分!『Tokyo 7th シ
スターズ 6+7+8th Anniversary Live
Along the way』初日レポート

2022.11.9(Sat)『Tokyo 7th シスターズ 6+7+8th Anniversary Live Along the way』@幕張メッセ国際展示場ホール7・8
2022年11月19日・20日に幕張メッセ国際展示場ホール7・8、そして12月18日にぴあアリーナMMにて開催予定の『Tokyo 7th シスターズ 6+7+8th Anniversary Live Along the way』初日のライブレポートをお届けする。この日の出演者は、篠田みなみ / 高田憂希 / 加隈亜衣 / 中島唯 / 清水彩香 / 道井悠 / 今井麻夏 / 中村桜 / 高井舞香 / 桑原由気 / 野村麻衣子 / 広瀬ゆうき / 山本彩乃 / 末柄里恵 / 優木かな / 大地葉 / 齋藤綾 / 宝木久美 / ルゥティン / 稲川英里 / 藤井アユ美 / 桜木アミサ / 森千早都 / 北奈つき / 山岡ゆり / 高岸美里亜 / 立花理香 / 伊波杏樹 / M・A・O / 長縄まりあ / 吉岡茉祐 / 山下まみ / 秋奈 / 天希かのん / 星ノ谷しずく / 山田麻莉奈ら総勢36名。加えて山崎エリイ / 田中美海 / 巽悠衣子が映像での出演となった。公演タイトルの通り、世の情勢を踏まえ開催することが出来なかった6~8周年記念ライブを3日間にギュギュッと詰め込んだライブとなっており、その一瞬一瞬に万感の思いがよぎる。4時間40分にも渡ったその初日の熱量を可能な限りここに記そうと思う。

昨年3月に予定していた「6th+7th」も延期となり、多くのキャストが一堂に会するアニバーサリーライブとしては実に3年ぶりにもなってしまった。3年という月日はあまりにも長く、その間もナナスタライブや4Uのツアーなど、一部キャストによる有観客ライブを行ったりもしていた。だが、やはり今日という日を迎えるまでの道のりは長く、険しかった。それでも、ようやく『6+7+8th Anniversary Live Along the way』は開催された。
会場の幕張メッセでは、11ホールにて物販やフード、フォトスポットが朝9時からオープンしており、開演前から多くのファンで賑わっていた。ゲームチャレンジコーナーでは、ユーザーが好きな楽曲をステージ上でプレイしてライブへの熱を高めていたし、パンフレットの分厚さも読みごたえ満載すぎて、開演前にサクッと読めるレベルではなかった。演者や主催側はもちろんだが、何よりこの日を待ち望んでいたのはファンだったはず。コラボメニューのフードにも舌鼓を打ち、朝からいても楽しめる工夫が凝らされていたのが素晴らしかった。
入場が開始され、羽生田ミトによる開演前のアナウンスが流れると、いよいよその時が来た。
総勢36名の呼び込み映像が始まり、まずは777☆SISTERSの面々が板付きで登場。「最初から飛ばしていきますよ!」「私たちについてきてくださいね~!」と「僕らは青空になる」からライブがスタート。もちろん声出しはNGだが、過去のライブの支配人たちの声が演出として公演を盛り上げるサポートをしていた。「STAY☆GOLD」ではまるで宝塚のような舞台中央の大階段を降り、横一列に大きく広がって、ファンの元へと近付く。「FUNBARE☆RUNNER」では早速トロッコに乗車し、4台に分かれて会場をぐるりと一周。ここまで3曲続けたタイミングで、トロッコ上から一度MCを挟み、改めて12人による自己紹介に入る。久々のライブだったからか、緊張の伝わるMCに、逆にこちらの肩の力も緩む。今井麻夏の「幕張メッセで頑張りまっせ!」が久々に聞けて、さらに朗らかになった所で「Cocoro Magical」を披露。トロッコからステージへ戻ると、シャボン玉が場内に飛び出し、キラキラで埋め尽くされた。のっけからまるでフィナーレのように惜しみなく繰り広げられるパフォーマンスに「ようやく“あの頃”が帰ってきた」と思いっきり感情が揺さぶられてしまった。
Asterline
最高のトップバッターの次はAsterlineによるステージを披露。立ち込める白煙の中から3つのシルエットが映し出されると、シアン・マゼンタ・イエローの原色バッキバキのレーザーが爆音の「Starlight☆Asterism!!!」と共に会場を包んだ。まだまだフレッシュな3人によるパフォーマンスはある意味、対比的でガラッとライブの雰囲気を変えてきたのが印象的だった。ドロップがFuture Bassすぎて気持ちいい「Reach for the Meteor」の2曲を終え、MCパートに入ると「初めて、支配人さんたちの前でライブをやらせてもらう事になって、緊張もスゴかったけど、ステージ裏で背中を叩き合って、気合いを入れてきました!」と意気込んで舞台に臨んだ事を吐露した。
CASQUETTE'S
続いて登場したのは、対して妖艶な4人組のCASQUETTE'Sだ。2人ずつ、2台のトロッコで現れると、豪華絢爛な彼女たちらしく、余裕な表情でトロッコ上から会場に手を振り「HOLY QUEEN」を披露。「マスカレード・ナイト」ではステッキを振り回し、さながらブロードウェイのようなステージングを繰り広げる。MCでは「今回、キャスケット帽が無いんですよね!」と衣装に触れた事を皮切りに、徐々に会話の中で“大人な女子”感が無くなっていったのだが、思い出したように「あっ、あらあら~!そろそろ次の曲みたいよ~!」と舵を急速旋回させると、場内もおもわず笑いが出る。しかし「赤く染め上げて差し上げましょう」とスイッチを入れてしまえば、さすがのもので「SCARLET」では火柱まで噴き出し、情熱的で甘美に歌い上げる。
はる☆ジカ(ちいさな)
続いてもトロッコではる☆ジカ(ちいさな)が登場すると「SHAKE!!~フリフリしちゃえ~」を披露し、そのまま「ハネ☆る!!」と続ける。大きなステージを感じさせない、小さな2人による高いジャンプに応じてか、場内の手拍子の厚みがかなり増したように感じられた。「私たちの跳躍力、どうよ?」と語りかけると、5thの時のケーキをモチーフにした衣装にも触れ、元気いっぱいのステージを締めくくった。
SEASON OF LOVE
桜並木の中、ステージに雲のように這うスモークが焚かれると2043年からSEASON OF LOVEの4人が姿を現し、「陽だまりの世界地図」「Fall in Love」の2曲を披露。彼女らのステージは「陽だまりの世界地図」のジャケットのイラストの新衣装で、装いも新たに、9年後の成長した4人の姿が描かれていた。11月だけど春のような、暖かい気持ちにさせられたし、そんなはずは無いのに心なしか背も少し伸びたように見えたのはなぜだろうか。コドモ連合のように背伸びをしているわけではないのに。
SiSH
青空の映像に切り替わり、SiSHが「さよならレイニーレイディ」「お願い☆My Boy」を披露。「SiSHっぽくないことをやりたくて、ダンスばかりじゃなく、皆さんの顔を見に移動も多めでステージをお届けしました」と語っていたが、やはりSiSHと言えば3人の息を合わせたフォーメーションのようにも思う。緑・青・ピンクの鮮やかなビビッドカラーの衣装をなびかせて、ダンスナンバーを踊る彼女たちも「支配人さん!クラップして!」と程よく煽りながら、心地よくミドルテンポな2曲で揺れることができた。「次は招待されている、あの子の番なんだよね」と話をしていると「こんにちは、SiSHのみんな。ボクたちにも早く会場の熱を感じさせてもらえるかい?」とKARAKURIの2人が登場。
KARAKURI
ダンサーを引き連れ、秋奈が登場すると「Winning Day」からライブをスタートさせる。特に直前の1stワンマンが延期となってしまっただけに、彼女の熱も込もっていたように感じた。なんと言ってもKARAKURIの魅力は圧倒的な歌とダンス。続いて「Synergistic White」の高速ラップへ突入。「最近はキャラとして話すことが多くて、私自身の言葉で話すことが少なかったのでフンッ!って思ってたんですけど…(笑)」とMCパートでは、パフォーマンスとのギャップも見せ「本当は10月にKARAKURIの単独ライブがあったのですが、延期になってしまい申し訳ありません。Synergistic Whiteは初披露だったと思うんですけど、いかがでしたか?」と本来ならワンマンで初披露だったのかな?なんて考えていると「フンッ……さて今日はもう1曲歌わせてもらおうか」とKARAKURIモードへ切り替え「AMATERRAS」へ。レーザーが会場を包み込む中、3人で千手観音のように手を広げる姿は、高いダンスと歌唱力も加味され、神々しささえ感じるほどで、1月の振替公演を期待せざるを得ない。
続いては映像での出演となったCi+LUSの2人が「Don! Kan! Boy!」「シトラスは片想い」を披露してくれた。「アユたちのとっておきのぽえきゅん、届きましたか?」「お兄ちゃん、お姉ちゃんマコトに会いたかった?」という語りかけからMCパートがスタート。本当の学校の体育館を貸し切っての収録ということでCi+LUSっぽいティーン感ある演出になっていた。
サンボンリボン
お揃いの緑の衣装でサンボンリボンの3人が登場し、「Clover✕Clover」と「セカイのヒミツ」を披露。「昨日はよく眠れたよって人~?」「私、夜ふかしさんなので眠れないかもって桜お姉ちゃんに相談したら、よく眠れるジュースを教えてくれたので飲んだんですけど……目がらんらんらんってなっちゃって・・・・(笑)」「シィちゃんは寝れた?」「私はよく眠れたんですけど、さっき夢みたいな出来事があって……リハの時にサワラお姉ちゃんがマイクを上下逆に持ってました!」と、本当の三姉妹のように軽妙なトークで場を温めていく姿が非常に印象的だった。
桂木カヅミ
ようやくライブも前半戦が終わり、ここからの後半戦はソロパートから突入。桂木カヅミ役の立花理香が「恋セヨ乙女」を、ジェダ・ダイヤモンド役の伊波杏樹が「Striking Diamond」を、逝橋エイ役のM・A・Oが「悠久の輪廻」を披露した。とても初登場とは思えないジェダの圧倒的な歌声や、扇を使ったパフォーマンスと和✕サイバーみたいな空間だったり、「みんな私たちの衣装見たいよね?」という空気を醸し出してからの「ジェスチャーちょうだーい!」とグルグル回させて、全身を見せるというテクニック(?)だったり、挙げればキリがない(笑)。
七花少女
続いてもなんとも賑やかな七花少女の6人が登場。「スノードロップ」「花咲キオトメ」「秋の空とこころ コスモス」「マイ・グラデイション」の4曲を披露した。「花咲キオトメ」ではトロッコで会場を駆け巡り「花咲キオトメのサビの振り付けをみんなも結構やってくれてたよね!」「スゴかった!」「嬉しい~!」「今後もやってほしいので、みんなで一緒にやってみよう!」と振り付けのレクチャーも行った。6人もいると水分補給をするだけでもワチャワチャとしてしまい、終始かしましい感じだったのが、なんともらしくて微笑ましかった。
コドモ連合
お次はコドモ連合の4人が登場し「コドーモ・デ・ヒーロ」を披露。SEASON OF LOVEだけでなく、コドモ連合でも同じ4人が再登場ということで、何度も衣装やそれに合わせてセットを変えるヘアメイクさんも大変だと思うが「やっぱり衣装に袖を通すと、一気に子供になれるんですよね」「みんなは子供になれましたか~?」「喰らえ!ワクワク手裏剣!シュバババーッ」と一気にステージの年齢も下がったように思う。「たまにリハとか、大人の格好のままコドモ連合をやることがあるんですけど、なかなか調子が出ないよね(笑)」とやはり、モチベーション的にも衣装の有難さを感じる。“衣装見せて~!”のくだりも「じゃあ4人で一緒に回ろう!」と手を繋ぎ、輪になってグルグル回り出したのは、本当に子供のムーブだったし、あの瞬間の4人は間違いなく子供だった。
The QUEEN of PURPLE
「次は、クールな姉ちゃんたち!」と紹介され、The QUEEN of PURPLEが登場。今回はあいにく、三森マツリ役の巽悠衣子はビデオでの出演となったが、瀬戸ファーブ役の広瀬ゆうき、堺屋ユメノ役の山本彩乃、越前ムラサキ役の野村麻衣子ら3人でステージを披露した。 3人でステージを大きく使った「TRIGGER」では、野村がそれぞれ、ベースとギターがいる上手や下手で歌うと、「アタマ振り下ろせ!幕張~!!」と「Clash!!!」で会場のボルテージを高める。MCパートでは「マツリさんからコメントを預かってます!」と巽からのビデオメッセージに客席を背に、画面に向けて大きく手を振る3人の姿が印象的だ。「さぁ、アタシ達QoPが何者か教えてあげるよ」と「Majesty」そして「KID BLUE ~裸の王様~」を演奏。「みんなまだまだイケる!?」「QoP最後の曲、行くぞー!」と3人が身を寄せ合って、絞り出すように歌い上げる「I AM」はこの日のハイライトのひとつとして挙げておきたい。
4U
「待たせたわね幕張!ここからは私たち4Uのステージよー!」「燃え尽きる覚悟は良いですか?」と4Uの3人が満を持して登場すると、まずは挨拶がわりの「メロディーフラッグ」を披露。約半年前までツアーを回っていただけに、MCの調子もバツグンで「単独来なかった人~?」「あれれ~?でも、円盤買ってくれるんだよね?」と4Uの自由さには笑わされる。でも何より、彼女たち3人が本当に楽しそうに演奏しているのが、4Uの最大の魅力だ。4人目のメンバーに捧げる「プレゼント・フォー・ユー」や「テンション上げてけ~!」とサングラスを装着し、披露した「Crazy Girl's Beat」ではギターソロ、ベースソロで魅せる。「Lucky☆Lucky」では会場全体を使って「ウェーブ作るよ!」と大きな人の波が幕張メッセを飲み込む。「これで終わりだと思った?最後はみんなの所へ行くよ!」と、トロッコに飛び乗り「Daze forU!!」を披露し、そのままトロッコごと退場。嵐のように去っていったが、パワフルで底なしに明るくて、やはりライバルは彼女たちじゃないと務まらないなと思わせる何かがある。
777☆SISTERS
いよいよライブも大詰め。ここまでで既にノンストップ4時間超の大ボリュームではあるが、ラストスパートと言わんばかりにここから加速していく。再び777☆SISTERSが登場し「Across the Rainbow」を披露。モニターにはMVの映像も流れ、4時間前に聞いた「僕らは青空になる」のことを思い出しながら、彼女たちが幕張に掛ける虹色の歌声に目頭が熱くなる。
2014年から始まったTokyo 7th シスターズの軌跡をなぞるEDムービーが流れると、これまでの数々の名曲たち、ライブ映像たちがフラッシュバックのように甦ってくる。段々と日付が新しくなり、今日、そして明日へ物語は続いていく。この映像の出来は本当に素晴らしくて、またEDムービー単体だけでも見返したいくらいだった。
ナナスタシスターズ
今回の物販のTシャツに着替えた、ナナスタシスターズによる「Make our sound」は、いよいよフィナーレ感が漂う。「皆さん、楽しかったですか?」「また、この先の未来でお会いしましょう!その願いを込めて、最後はみんなで!この曲を歌います!」と最後に今日の出演者、全員による「Along the way」を披露。銀テープが舞う中「最後はみんなで一緒に飛びましょう!せーのっ!」と幕張メッセを大きく揺らして、怒涛の初日は幕を閉じた。
各ユニットごとにステージを降りていくと、舞台裏にもカメラが設置されており、楽屋へ戻る彼女たちの姿が映し出された。音声こそ無かったものの、最後に春日部ハル、天堂寺ムスビの2人が「またあした!」と笑顔で言ってたように思えたのだが、実のところはどうだったんだろうか。
夢みたいな4時間40分だったと改めて思う。「明日もこれをやるの?本当に?」と疑いたくなるぐらいに濃密で、充足していたからだ。ナナシスにとって、やはり7周年というのは大切なマイルストーンだったと思うし、それが出来なかったことは残念でならない。けれど、過ぎてしまったことを完璧に取り返すことは、きっとどこまでいっても出来ないと思う。だったら、それを更に超える何かで塗り替えるしかない。“それ”を真正面からぶつけられた我々だったのではないだろうか。思うことはそれぞれ、色々あったと思う。感じた部分はそれぞれで違ったかもしれない。だけどこの日、幕張メッセにいた全員がドデカい感情をずっと抱き続けたまま、会場へ足を運んだことは間違いなかっただろう。ちょっとずつ世の中が前へ進み始めているように、ボクらの想いもちょっとずつ楽しい思い出で塗り替えていけたら幸せだ。きっと12月18日の横浜で僕らは青空になる。
文・レポート=前田勇介

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