【動画あり】天才少女マチルダ役4人
がパフォーマンス初披露~待望の日本
上陸、ミュージカル『マチルダ』製作
発表レポート

イギリスで生まれた大ヒットミュージカル『マチルダ』が、2023年3月に満を持して日本初演を迎える。
天才少女マチルダと彼女を取り巻く大人たちの物語が、色鮮やかな演出とキャッチーな音楽で描かれる本作。「チャーリーとチョコレート工場」で知られるロアルド・ダール著の「マチルダは小さな大天才」を原作に、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによって2010年に製作された。上演されるやいなやウエストエンドやブロードウェイで瞬く間に人気作品へと登りつめ、既に米トニー賞や英ローレンス・オリヴィエ賞をはじめとする99もの国際的な演劇賞を受賞している。
2022年11月24日(木)、都内にて製作発表会が開催された。会場には海外クリエイティブスタッフによる厳しいオーディションを勝ち抜いた日本オリジナルキャスト陣が勢揃い。主役のマチルダを演じる子役4人によるパフォーマンスも披露された。その模様を写真と共にレポートする。
【動画】ミュージカル『マチルダ』歌唱披露 ♪Naughty
【あらすじ】
5歳のマチルダは、図書館にある難解な本も全部読みつくしてしまうほど、高い知能と豊かな想像力を持った少女。しかし両親はそんなマチルダに関心を全く示さず、家庭は辛い場所だった。図書館に居場所を求めたマチルダは、そこで教師のハニー先生に出会う。翌日、マチルダとハニー先生は学校で再会する。ハニー先生はすぐにマチルダが「天才」である事に気づき、その才能を伸ばしたいと願う。しかし学校は、トランチブル校長先生が恐怖で子どもたちを支配する「監獄」のような場所だった。マチルダは自らが持つ不思議な力を駆使して、子どもたちを苦しめる大人たちに仕返しを試みる。自身も苦しい子ども時代を過ごしたハニー先生は、マチルダの良き理解者となり、いつしか二人の絆は固いものになっていく――。

ミュージカル『マチルダ』出演者たち

冒頭、主催者を代表してホリプログループ会長の堀義貴から挨拶があった。堀会長は『マチルダ』について「『ビリーエリオット』以来のイギリスが誇る最高傑作」とし、「日本の子役のスキルの高さはマチルダ役のみなさんの演技を観ていただければわかると思います」と自信を見せる。

続いて、本作の権利元であるロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのエグゼクティブ・ディレクターであるキャサリン・マリヨン氏からのコメントが代読された。以下、一部抜粋して紹介する。
「類稀な少女を描いたこの素晴らしい作品がロンドンで初めて上演されたのは、11年以上前のことです。そして今でも日々満員のお客様に迎えられています。我々はGWB Entertainmentとともにこの作品を東京と大阪で上演できることを大変光栄に思っており、日本のみなさまとこうして分かち合えることにワクワクしています」。
キャスト挨拶では、まず子役のマチルダ役4人(嘉村咲良・熊野みのり・寺田美蘭・三上野乃花)がそれぞれの意気込みとマチルダの好きなところを順に述べた。
嘉村咲良
嘉村咲良
観に来てくださったお客様に「良かったな」と思ってもらえるような舞台にしたいので、マチルダになりきって頑張りたいと思います。(マチルダは)どんな大人にでも正しくないことは正しくないと言える勇気のある子なので、そこが尊敬している好きなところです。
熊野みのり
熊野みのり
私は歌が大好きなのですが、『マチルダ』というミュージカルにはとても素晴らしい歌がたくさんあるので、その曲を一つひとつ丁寧に歌っていきたいです。(マチルダについては)どんな大人にでも勇敢に立ち向かえるところと、とても素晴らしい仕返しを思いつくところが大好きです。
寺田美蘭
寺田美蘭
『マチルダ』という作品は一人では作れない作品だと思っています。なので、ハニー先生やマチルダの4人やトランチブル校長、スタッフのみなさまやお客様と一緒に素敵な舞台を作れたらいいなと思っています。(マチルダについては)悪いことは悪いと言えるところがすごくかっこよくて好きなところです。
三上野乃花
三上野乃花
お芝居のレッスンが始まったら苦手なところとしっかりできるところがあると思うので、そこを何回も何回もレッスンで練習をして、全部得意にできるように頑張りたいです。(マチルダは)お母さんとお父さんがこんなにひどくて意地悪されているけど、怒られたり意地悪されたら立ち向かっていたずらをやり返してやるぞ、という力強いところが好きなところです。
(左から)嘉村咲良・熊野みのり・寺田美蘭・三上野乃花

その後は大人キャスト(大貫勇輔・小野田龍之介・木村達成・咲妃みゆ・昆 夏美・霧矢大夢・大塚千弘・田代万里生・斎藤 司)が挨拶と代表質問を通して作品への意気込みを語った。
トランチブル校長役の小野田は、挨拶の際に昨晩のサッカーワールドカップの盛り上がりに触れると「最高のスタメンでミュージカル『マチルダ』を日本にお届けできると思います!」と力強く述べて会場を盛り上げた。続くミスター・ワームウッド役の斎藤も「悪いお父さん役ということで、昨日もドイツを応援していました」とサッカーネタに便乗して笑いを誘う。
ミセス・ワームウッド役の霧矢は、ビジュアル撮影時に自身の派手な扮装姿でマチルダ役の子役たちと初対面したらしく「彼女たちもそうですし、付き添いのお母様方まで『うわ〜!』と声を上げておののかせてしまいました(笑)」と笑顔で振り返った。続けて「『そんなお母さんから生まれた特別な子やねんで』ということをマチルダちゃんたちにもしっかり自覚していただいて、素晴らしい親子関係を築いていきたい」と意気込む。
代表質問に移ると、トランチブル校長役のキャスト(大貫・小野田・木村)に「個性的なキャラクターを演じる上で楽しみにしてることは?」という質問が。大貫は約10年前にウエストエンドで観た本作を振り返り「校長がリボンを振りながら歌い踊り狂うんですけど、そこがすごく印象に残っていて。僕の身体能力を活かしてトランチブルという役を作っていけたら」と身振り手振りを交えて語った。
大貫勇輔
小野田はマチルダ役の子役たちを前に「今日会ってみて非常に戦い甲斐のある子どもが揃ったなと思っております。非常に楽しみです」。木村は「子どもたちから恐れられるような役を演じられれば。扮装姿の自分がしっくりくるような舞台を作っていきたい」とそれぞれ熱く語った。
小野田龍之介
木村達成
出演が決まったときのことを問われたミス・ハニー役の咲妃は、不合格かもしれないと思っていたオーディションに合格できた驚きと喜び、さらに自身の両親が学校教諭であることを挙げ「両親が長年務めてきた仕事に形は違えど向き合うことができることを幸せに思いますし、両親にも太鼓判を押してもらえるようなよき先生を作り上げられるよう頑張りたい」と、一つひとつの言葉に力を込めて述べた。
咲妃みゆ
同じくミス・ハニーを演じる昆は、作品を知った当初は自身ができる役はないと思っていたそうだが「(背が低いため)マチルダならできるかも」と友人と冗談を言っていたというエピソードを明かした。ミス・ハニー役については「今まで自分がやってきた役とはちょっと離れているというか、まだ引き出しがない状態からのスタート」だと述べ、新たな挑戦への期待に胸を膨らませる。

最近“奇跡”だと思った出来事を問われたミスター・ワームウッド役の田代は「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのクリエイターのみなさんが、オーディションで斎藤(司)さんと僕を同じ役にしたこと自体が奇跡(笑)」と笑顔で述べた。これに対し斎藤は「私もこんなに好青年が同じ役なのかと驚いていますし、このミュージカルに選ばれたこと自体が奇跡」と喜びを語った。

田代万里生
斎藤司
ミセス・ワームウッド役の二人(霧矢・大塚)は「役を演じる上で大切にしたいこと」を問われ、霧矢は社交ダンスに夢中な母親という役柄のため「憎らしい親でもあると思いますが、大人が一生懸命になって取り組む姿を愛おしいなと思って観ていただけたら」。続く大塚は、オーディション時に「遠くから歩いてくるだけで空気の色が変わってくるような人」という指示があったらしく「ちょっと歩くだけで空気が変わるような存在で、マチルダちゃんたちをいじめたいと思います」とニヤリ。

霧矢大夢
大塚千弘

その後はフォトセッションを挟んで、マチルダ役4人によるパフォーマンスが行われた。この日披露されたのは「♪Naughty」。5歳とは思えない知能と想像力を持つ天才少女マチルダを全く理解せず辛く当たる両親に対し、ついにマチルダが勇気を出して仕返しを試みるシーンだ。
(左から)熊野みのり・寺田美蘭・嘉村咲良・三上野乃花
4人のマチルダがステージ上にセットされたボックスに座り、本を開くところから始まる。寺田、三上、熊野、嘉村の順でソロ歌唱が続き、最後は4人で歌唱&ポーズを決めた。

寺田美蘭

三上野乃花
熊野みのり
嘉村咲良
それぞれ自身のパートをしっかりと務め上げ、初披露とは思えない堂々たるパフォーマンスを見せた4人。マチルダの子ども離れした知性と子どもらしい遊び心が同時に感じられる、非常にワクワクするナンバーに仕上がっていた。
(左から)寺田美蘭・三上野乃花・熊野みのり・嘉村咲良
東急シアターオーブにて、プレビュー公演が2023年3月22日(水)~3月24日(金)、東京公演が3月25日(土)~5月6日(土)に開催され、その後、梅田芸術劇場メインホールにて、大阪公演が5月28日(日)~6月4日(日)に開催される。“奇跡のミュージカル”『マチルダ』日本初演の幕が開く日を楽しみに待とう。
【動画】ミュージカル『マチルダ』製作発表
取材・文・写真撮影=松村 蘭(らんねえ)
動画撮影・動画編集=登坂義之
【あらすじ】
5歳のマチルダは、図書館にある難解な本も全部読みつくしてしまうほど、高い知能と豊かな想像力を持った少女。しかし両親はそんなマチルダに関心を全く示さず、家庭は辛い場所だった。図書館に居場所を求めたマチルダは、そこで教師のハニー先生に出会う。翌日、マチルダとハニー先生は学校で再会する。ハニー先生はすぐにマチルダが「天才」である事に気づき、その才能を伸ばしたいと願う。しかし学校は、トランチブル校長先生が恐怖で子どもたちを支配する「監獄」のような場所だった。マチルダは自らが持つ不思議な力を駆使して、子どもたちを苦しめる大人たちに仕返しを試みる。自身も苦しい子ども時代を過ごしたハニー先生は、マチルダの良き理解者となり、いつしか二人の絆は固いものになっていく――。

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