『あんスタ』語りが止まらない! 竹
中凌平・谷水 力・松田 岳・橋本真一
『あんさんぶるスターズ!THE STAGE
』-Witness of Miracle- 超ロングイ
ンタビュー

2022年10月に幕が開く『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』(『あんステ』)シリーズの最新作、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Witness of Miracle-(以下、「WoM」)は、メインストーリー第二部『SS』編として公開された、『キセキ』シリーズの後篇を描く。
今回は竹中凌平・谷水 力・松田 岳・橋本真一の4名にインタビュー。前回公演の感想からキャラクターの掘り下げ、そしてキャスト間で起こった「ミラクル!」な出来事まで、どっぷり踏み込んだ1万字超えの大ボリューム記事をお届けする。
ベルトを持って帰るくらい思い入れのある“ユニット衣装”
ーーまず竹中さんにお聞きします。「明星スバル」というキャラクターをどのように捉えていますか。
明星スバル役 竹中凌平(以下、竹中):スバルはすごく明るくて、ポジティブ思考で、場をパッと明るくするようなキャラクターだと思います。今回明らかになる部分でもありますが、辛い過去もあり、そういう痛みを知っているからこそ太陽のように振る舞えるのかなと思っています。すごく強い人ですね。
衣更真緒役 谷水 力(以下、谷水):『Trickstar』はバランスがいいよね。スバルはムードメイカーだし、(氷鷹)北斗はちょっとお堅い感じだけどリーダーで引っ張ってくれる。(遊木)真は知的な戦略家というか。
竹中:サリ〜(衣更真緒)はバランサー! みんな個性豊かで、面白いユニットだなと思います。
ーー演じられている役者のみなさんも『Trickstar』のような関係性なんでしょうか。
竹中:ちょっと違うのかな。でも(氷鷹北斗役の山本)一慶さんは僕の中でまとめてくれるっていう感じがある。
竹中凌平
七種 茨役 橋本真一(以下、橋本):外から見てても一慶は『Trickstar』を引っ張っている感じがするよ。
谷水:まっつーさん(遊木 真役 松村泰一郎)は最年長なんだけど、すごく気さくに接してくれる。でも場を締めるときは締めてくれる人。
竹中:芝居稽古をしているときはすごくアイディアをくれたり、引っ張ってくれています。りきは『Trickstar』の中では一番年下だけど、人のこと舐めてるよね!
谷水:おいおい、言い方(笑)!
竹中:コミュニケーション能力や社交性っていう面はすごくサリ〜に重なる部分があるって感じるな。飛び抜けてやんちゃな人はいないよね。みんな揃うとわちゃわちゃするけど、個々では結構真面目。
谷水:根の部分はみんな真面目なタイプなのかも。
ーー今回のストーリーで、スバルは今回非常に辛い立場に置かれます。もしそういう苦しい場面が訪れたとき、竹中さんはどうやってその危機を脱しますか。
竹中:僕は人に弱みを見せるのが苦手で。結局ひとりで悩んで解決するっていうことが多いですね。ひとつのことに悩むとずっとそのことを考え続けてしまうので、その問題の根本的な解決策を探そうとします。自分の時間をしっかり取って、お風呂に入っていっぱい寝たら、頭もスッキリ。こんな風に自分の中で消化していくことが多いですね。多分そんなに良くないことなんだろうなとは思うんですが……。
谷水:溜め込んじゃいそうだね。
竹中:でも寝たら解決する。だから(もしそういう場面になったら)睡眠時間をくれ!
松田、谷水:わかった!
ーー谷水さんにお聞きします。この中メンバーの中ではいちばん多く『あんステ』シリーズにご出演されていますね。谷水さんにとっての真緒はどんな存在ですか。
谷水:同志でもあり、お兄ちゃんみたいな感じかなと思います。僕自身『あんステ』が初舞台だったのもあり、真緒の成長ストーリーと重なって、ふたりで一緒に成長してきたように思います。最初は役作りも何もわからないところから始まって、いろんな人の助けも借りつつ役や作品と向き合うことができて。回を重ねるごとに真緒の優しさや、周りを見る能力など、そういう部分に気付かされたりしました。尊敬する部分もたくさんありますね! お兄ちゃんと言うか、人生の先輩みたいな意味合いが強いのかな。
谷水 力
ーー今まで着た衣裳の中で一番好きなのは?
谷水:うーん、難しい!! でも一番回数が多く着ているのはユニット衣裳ですね。毎回欠かさず着ているので、しっくりきます。
竹中:ベルト持って帰ってたもんね。
谷水:うん。6年という長い間使っていたので、ある時ベルトが壊れてしまったことがあったんです。作り直すからということで、壊れてしまったものを頂いてみんなで持ち帰りました。そういう意味でも一番思い入れがありますね。でも、プレアデスも好きですし、前回のサマーライブも夏らしい衣裳で好きです。また着たいのは……うーん、全部!!
≫茨の第一声がオリジナルのシーンで受け入れてもらえるか
茨の第一声がオリジナルのシーンで受け入れてもらえるか
ーー松田さんにお聞きします。凪砂くんを演じるにあたって難しいところはどんなところでしょうか。
乱 凪砂役 松田 岳(以下、松田):凪砂くんは外から見られている姿と、彼自身とのギャップが意外とあるなと思います。他の人からは何にでも染まれるだとか、変化に躊躇がないというか、そういうイメージで見られている感じですね。うんうん、そうやって見られているよね、と僕も思っています。凪砂くんは感情があまり表情に大きく出ない人物ではありますが、繊細な心の動きももちろんあるんだろうなと思います。そういうところが難しいかなと思っています。
ーー凪砂くんに関して一番最近「理解した」点はどんなところでしょうか。
松田:凪砂くんのことをすごい人物だと思っていて尊敬もしているので、なかなか理解することは難しく、もっと掘り下げていく作業が必要です。そんな中でも凪砂くんって思考を言語化するのに時間がかかる人なんだなって思いました。
今作では周囲の話を聞いている場面が多く、凪砂くん単体のセリフはそこまで多くありません。他の人がしゃべった後に何かを言おうとして、伝わるかなって一瞬踏みとどまっている間に茨とかが話し始めるので、そうそう、それが言いたかったんだ……って再び腰を落ち着けるようなところもあるなって思います。
ーーほかの人が話しているときの凪砂くんにも注視したくなってしまいますね。次は橋本さんにおうかがいします。前回(『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Track to Miracle-(以下、「TtM」))、初めて茨を演じてみての感想をお聞きしたいです。
橋本:前回の脚本の構成上、原作以上に悪役、敵役であるという面がピックアップされていたという印象があります。舞台としてひとつの物語にする上で、あそこまで振り切って嫌われ役をできるっていうのは、他のアイドル作品ではなかなかないかもしれません。閣下(凪砂)も茨も、それまでの空気をがらっと変えるシーンが多かったので、そこに振り切れる気持ち良さや楽しさは役者としてはすごく感じましたね。
(左から)橋本真一、松田 岳
ーー「TtM」では、茨とジュンが電話をするシーンがすごく印象に残ってます。
橋本:あのシーンはすごく緊張しましたね。茨がメインでお話を進めていく第2幕より前、第1幕でいきなり彼の本性の部分が少し見られる場面です。原作にはないオリジナルのシーンでもあったので、作品ファンの方々にどう思われるのかなっていうドキドキ感がありました。
竹中:確かに。キャラクターとしての第一声は緊張するよなぁ。
橋本:お客さんからすると茨の初登場のシーンはここかなぁとか、このセリフかなぁとか想像していると思うんです。でもオリジナルのシーンが初出! 受け入れてもらえるだろうかという緊張感はありましたね。
ーーご自身と茨の似ている点、異なる点はありますか。
橋本:異なる点の方が多いかなと。はっきり物事を言うところや、自分の意思を貫く姿勢は特にすごいなと思います。高校生で自分の軸がもう出来上がっているなと。
谷水:そう、高校生なんだよね。茨も凪砂さんも!
橋本:自分のやりたいことや向かう先に対して、なりふり構わず突き進んでいきますよね。嫌われてもいいし、最低野郎でいい、むしろそっちの方が都合がいい。そう思えるくらい割り切って生きているのは感心しますね。共通する部分はあまり見当たらないけど……、でもちょっと頑固な部分があったりするところは似てるのかも。自分の信じたものに対しての頑固さは大人になってから発見しましたね。とにかく茨はメンタルが驚くくらい強い!
竹中:茨も凪砂も、高校生離れしたキャラクターだよね。人間としてすごく確立されてると思う。
谷水:自分たちが高校生の時は芸能活動もしていなかったし、もっと子供っぽかったと思います。そういう意味でも『Adam』はラスボス感があり、異次元な存在でもあり、立ちはだかる壁のような感じでもあります。『Trickstar』はリアルな高校生に近いような絡み方もたくさんありますね。
ーー『Adam』と比較すると、夢ノ咲学院の子たちはリアルな高校生っぽい描写が多いですよね。
竹中:そうですね……でもたまにいるけどね。
谷水:五奇人の方々とか。
松田:英智くんとかもそうかな。
松田 岳
竹中・谷水:大人だよね!
橋本:茨からすると弓弦もそっち側かな。裕太(伏見弓弦役 飯山裕太)が演じることによって余計そう思うのかもしれない。彼が演じる弓弦はすごく大人っぽくて落ち着いて物事を見る人です。圧も強いし説得力もあって、「うわっ、負ける!」って思わせてくれる。裕太がやることによって、より弓弦の良さが出てる感じがありますね。
≫『あんステ』ほどお客さんと目が合う舞台はない
『あんステ』ほどお客さんと目が合う舞台はない
ーー前回公演「TtM」を振り返ってみて、どんな公演でしたか。
谷水:楽しかった!
松田:情勢的にも最後まで公演ができて本当によかった。
竹中:りきからしたら、以前の『あんステ』(メインストーリー第一部にあたる)シリーズとの違いってあるの?
谷水:メインストーリー第一部では『Trickstar』解散の危機を「みんな」の力で乗り越えた。今回の『キセキ』シリーズでは4人「それぞれ」が挫折を乗り越えて、よりひとつの大きな『ユニット』になって成長していくというようなストーリーになっているので、舞台裏でもひとりの時間が多かった気がします。
竹中:なるほど!
谷水:北斗、スバル、真の3人が舞台上に出ているときは、僕は裏でひとりでいるっていう場面が多かったので、そういう意味でもちょっと孤独を感じていました。
竹中:逆にサリ〜と凪砂が出ているとき、次のシーンは茨と僕、北斗と真が出るシーンだったりするから、ずっと袖で見てたりしてましたね。
橋本:うん、そういう場面が多かったね。
谷水:だからお芝居の最後で集まったときは本当に嬉しかったんだよ!
橋本:そんな違いがあったんだね。僕は前作「TtM」が初『あんステ』で、前回は『あんステ』とは何たるものかっていうのをすごく感じて、自分の中にインプットするような公演だったなと思います。一番体感したのはやはり初日でしたね。自分が想像していたものや、稽古していた時とは何かが違くて。
竹中:確かに。圧というか、独特の視線というか……お客さんから伝わってくるものがありますよね。ペンライトやうちわとかがあるからかな。
橋本:お客さんが作ってくれる空気感が他のどの作品とも異なる感じですね。この感覚を後篇「WoM」にも持っていこうと思った公演でもありました。
橋本真一
ーーうちわやペンライトなどの応援グッズを作って「観劇」に行くのって、他の舞台ではなかなかありません。『あんステ』はお客さん自身が持つ観劇に対する姿勢も違うのかもしれませんね。
橋本:普段のお客さんは「ひとつの視点」であり、客席と舞台の間に作品の世界観を構築するための透明な壁のようなものがあります。『あんステ』は、その壁がばーんと開いて「ひとりの観客」になる時間が長いというか。
谷水:『あんステ』ほどお客さんと目が合うことってないですよね。(竹中に向かって)前回の感想は? 不安とかもあった?
竹中:ペンライトの光がすごくきれいだったのが強く印象にあるなぁ。初めてのお披露目ということで緊張はありましたが、みなさんから応援のメッセージをいただいてもいたので、『あんステ』ファンの人たちはとても温かいなと思っていました。
そして最初が『DDD』の決勝戦、「HEART→BEATER!!!!」。演出のほさかようさんから言われた「頭のシーンだけど、すごくボルテージ上げて」という言葉に不安になることもありましたが、『Trickstar』のみんなが裏でも自然体だったので、そういう空気感に支えられました。だから最初に考えていたよりも緊張はしてなかったですね。
(左から)竹中凌平、谷水 力
谷水:本番30秒前とか直前に集まってたりしたこともあったもんね(笑)!
橋本:うわぁ、ギリギリ!
松田:アドリブ何にしようか話しながら?
谷水:そう(笑)。もう幕開くから急がないと! って。
橋本:僕は「TtM」の前に劇団『ドラマティカ』(以下、『ドラマティカ』)でも凪砂を演じている、岳の話が気になるな。同じ『あんスタ』の世界ではあるけど、時系列もキャラクター性も違うから、そこの感覚ってどうなの?
松田:『あんステ』も真ちゃん達と同じ、初参加という心持ちでやってました。『キセキ』シリーズは『ドラマティカ』と比べたら、過去のお話になります。凪砂くんの役作りでは時系列はあまり深く考えず、普段と同じように台本と向き合ってましたね。

ーー凪砂くんのソロのシーンは本当に圧倒されました。

竹中:かっこよかったよな~。袖でみんな見てた。
橋本:うん、本当にかっこよかった。自慢したくなる気持ちになりました! 「みなさん、うちの閣下を見てください!」ってね。
松田:あのシーンは楽しかったですね。りきがアンサンブルさんと一緒にぶわ~~~って飛んでいってくれたり、良いリアクションをしてくれていました。楽しくないわけがない!
谷水:(笑)。
≫好きな曲を教えて
(左から)谷水 力、竹中凌平、橋本真一、松田 岳
ーー好きな曲を教えてください。
松田:「HEART→BEATER!!!!」! 『Trickstar』の曲はどれも好きですね。舞台を縦横無尽に駆け回って、お客さんを巻き込みながら魅了していく。本当にキラキラしていて、その輪に混ざりたいと感じました。『Adam』や『Eve』とはまた違ったベクトルのような感じなので、より魅力的に思いましたね。
橋本:僕は『Eve』の「Sunlit Smile!」ですね。
谷水:あ、僕も好き!
橋本:夏! アイドル! ってかんじで。『Eve』は、『Adam』と『Trickstar』の間に位置するようなイメージで、どっちの良さも魅力も持っているユニットだなと思いました。彼らの歌やパフォーマンスを袖で見ていて『Eve』のファンになったような気持ちになったし、純粋に『あんステ』を楽しむ気持ちにさせてくれたので、この曲は好きですね。
松田:日焼け止めのCMで使われそうだよね。
竹中・谷水・橋本:わかる~~~!
谷水:『Adam』は車のCMとか?
竹中:ドラマの主題歌もありだよね。
竹中凌平
松田:「The Beast of the End」では「快楽を貪り~」っていう歌詞もあるからね。ちょっとドロドロ系の恋愛ドラマかな。
谷水:僕は「DIAMOND SUMMER」も好きですね。
竹中:前回公演ではないんですが、僕はアプリゲーム『あんさんぶるスターズ!!Music』をプレイしていて、『ALKALOID』の「Kiss of Life」っていう曲がもうすっごく好きです。サビに向けて盛り上がっていくのが本当にかっこいい!
谷水:前回の曲でなくて良いなら、僕は『紅月』の和ロックが好きですね。曲名で言うと「花燈の恋文」かな。
竹中:『流星隊』の「天下無敵☆メテオレンジャー!」も元気になれるよね! 『あんスタ』は本当に良い曲が多い!
谷水:ユニットの色がみんな違うので、聴いてても楽しいですね。
ーー「BREAKTHROUGH!」が個人的には大好きです。
竹中:あー! 大好き!! 今までの『Trickstar』っぽくないのも新鮮ですね。
谷水:『Trickstar』は明るくてキラキラ盛り上がれる感じが多いけど、この曲はかっこいい系だよね。
橋本:振りもかっこいい。4人で拳を突き合わせるところ、見てて混ざりたくなった!
竹中:イントロからもテンション上がるし、ストーリーからの曲の入りも素晴らしいよね。サリーが合流して、4人が揃って肩組んで、曲が始まる。
橋本:タイトルも「BREAKTHROUGH!」=「突破する」っていう意味があるから、まさにこの時の『Trickstar』の状況や心情を反映した曲だよね。
≫4人の周りに起こる「奇跡」的ハプニング
4人の周りに起こる「奇跡」的ハプニング
ーー今回の公演はどんなところを楽しみにしていますか。
谷水:『Eden』です! ストーリー上、イレギュラーなライブシーンもあるので、今までにはない新しいライブパートも、お客さんの反応とかもすごく楽しみですね。
谷水 力
竹中:今回の「WoM」は、スバルがひとつ乗り越えることが物語の主軸にもなってくるので、演じる身としてはすごくやり甲斐を感じています。プレッシャーもありますが、今はひたすら楽しみです。
橋本:前回は初の出演だったのもあって役作りに重心を置いていましたが、公演を経て、ある程度自分の中に茨という人物が入ってきました。今回は4人とも2作目の『あんステ』なので、より深める作業ができたり、良い意味の遊びを入れてみたり、より役として楽しめるようになっているかなと思います。前回より『Eden』の4人でいる時間が長いので、ユニット内の関係性も見せられると思います。そういうところが今から楽しみです。
松田:(楽しみなことは)やっぱり茨です。
橋本:「茨です」!?(笑)
松田:今回のお話では引っ掻き回すのが茨なんですね。『Trickstar』だけではなく、『Eden』の関係までも引っ搔き回すというとんでもない人。茨はセリフ量も圧倒的に多くて長くて、積極的にカットインして舞台に入っていきます。本当に奇跡とも表現できる活躍を見せるキャラクターなので、「Witness of Miracle」=「奇跡の目撃者」というのは僕のことなのでは、と思っています。
橋本:閣下は一番近いところで茨を見てる人だもんね。
ーー偉大な父を持つスバルと凪砂ですが、「偉大な」とか「大きな影響を与える」と聞いたとき、ぱっと頭に浮かぶ人物は誰ですか。
橋本:やはり母親ですね。うちは母子家庭で、女手ひとつで子供を育ててくれて。その大変さは子供の頃から分かっていたつもりではいましたが、年を重ねるごとにその難しさや苦労が理解できるようになってきて、大人になればなるほど改めて親の偉大さを感じています。
(左から)竹中凌平、谷水 力 
谷水:僕は発明王・エジソンがぱっと浮かびました。役者になる前の夢は科学者になることでした。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がすごく好きで、タイムマシンを作りたいって思ったんです。だから物理や数学、科学を真剣に考えていた時期があります。世界を変えた人物であるエジソンは自分のルーツになった人のひとりかもしれません。
竹中:へー! タイムマシンって今でも作りたいって思う?
谷水:現実的に無理じゃないかな。
松田:音速を超えたら未来に行けるらしいよね。
谷水:そう。光の速度で進めば時間の進みは遅くなるから、未来に行くことができるんだって。身近な例だと新幹線に乗ってもそういう現象が起きるとか。
松田:僕はマイケル・ジャクソンを挙げます。学生の頃からずっと好きで、勉強をせずに彼の映像を見ていたってくらいです。ダンスをやる上で最初に影響を受けた方ですね。彼は完璧なアイドルであるという一面もありますが、孤独や周囲への優しさ、生い立ちや性格なども、今思うとちょっと凪砂くんと似ているところがあるのかな。
松田 岳
竹中:僕が表現者を目指すことへのきっかけをもらったのは尾崎豊さんですね。テレビでやっていた彼の特集番組を見て衝撃を受けました。曲もパフォーマンスも曝け出す感じの方で、そういう表現の仕方もあるのかと。今の仕事をやりたいと思ったルーツでもあるので、僕にとっては「偉大な人」です。テレビでお父さんの姿を見たスバルと一緒なのかもしれませんね。
谷水:そういえばさっきみんなで「世界で最初のアイドル」って誰かなって調べていたんです。諸説あるとは思いますが、紀元前600年の中国で、数十人の美女に歌やダンスを練習させて、政治的に活躍させたらしいです!
竹中:まさに戦略的なアイドル!
ーーそんな前からアイドルがいたんですね!? 次の質問です。表題は「-Witness of Miracle-」=「キセキの目撃者」ですが、今まで奇跡を目撃したことはありますか。実際に稽古中や本番中にあったことでも、こんなことがありそうだという想像でも構いません。
橋本:実際にあったことなんですが、稽古中にセリフをしゃべろうとしたタイミングでSiriが急にしゃべりだしたんです。「その質問にお答えします」って。
松田:あったね(笑)。日和のセリフになぜかSiriが答えちゃった。
橋本:完璧に奇跡のタイミングで! 自分が息を吸って声を出す瞬間に、茨の代わりにSiriが答えていました。Apple Watchを見ると、Wikipediaを開いていて(笑)。本当に何が起こったのかと!?
一同:(笑)。
松田:真ちゃんが稽古初日にビルドアップしてたのも、僕の個人的奇跡でしたね。「TtM」のちょっと前くらいから鍛え始めたそうで、今はムキムキになってる!
橋本:ようやく成果が出始めてきましたね。筋トレ楽しくなってきました。
竹中:『Eden』はみんな筋トレしてますよね。
松田:みんな真ちゃんに感化されてやるようになりました。そろそろ腹筋に陰影がついてきてますよ。
橋本:きっしー(漣ジュン役 岸本勇太)も鍛えてるし、こーだい(巴 日和役 宮城紘大)も身体づくりしてる。千穐楽には4人がムキムキのバキバキになっているという奇跡の可能性あるかもしれません……(笑)。
橋本真一
竹中:こーだいが1日で身体絞るのすごくないですか!?
一同:すごかった!
谷水:以前、少し浮腫んでいた日があったので、やばいよって話をしたことがあったんです。
松田:「この後お風呂入ってくるんで」
谷水:「でも1日でそんなに変わらないよ?」って言ってたら。
橋本:次の日、見事にシュッてしてました。
竹中:あんな短期間で、見た目が全然違ってた。役者としては本当にすごいですよね。
谷水:あとは弁当ジャンケンの奇跡も語り継ぎたい。まっつーさんが負けたので何箱にも積みあがった弁当の空箱をひとりで片付けようとして、見事に転んでぐちゃぐちゃになって。結局それぞれみんなで片付けるっていう(笑)。
橋本:奇跡起きてるねぇ(笑)。
谷水:真ちゃんは「歯ブラシがない!」って騒いで結局鏡の前にあったとかありそう。
竹中:多分あるよ。奇跡というか予言!
松田:真緒は、作中で凪砂に「懐中電灯」って言われるけど、その光が大きくなって。りき(真緒)が自然発光できるようになるとか。
谷水:灯り入れてもらわずとも!? それ、今回の目標にしようかな。
橋本:公演期間が長いから1回は可能性あるかもしれないよね。閣下と茨が曲中に手を重ねる振りがあるんです。いつかなんかビームみたいなものがこの手から出るんじゃないかなって。“気”を使えるようになりそう……って思いながら稽古してました!
(左から)橋本真一、松田 岳
≫公演を観に来てくださるみなさまに、メッセージ
ーー公演を観に来てくださるみなさまに、メッセージをお願いします。
松田:前回「TtM」がすごく楽しかったのを覚えています。みなさんからたくさんの元気とエネルギーを頂き、それが積み上がってとても素晴らしい景色が見えました。今回もみなさまに、アイドルとしてたくさんのものを与えられるように一生懸命稽古しています。今作でもお客さまにとっていろんな「奇跡の目撃」の場面がたくさん出てくると思うんです。それら全てを楽しんでいただけたらすごく嬉しいです。
橋本:「TtM」では『あんステ』の空気や独自の魅力を体感することができました。前回よりもパワーアップさせつつ、『Eden』として新しい風も起こせたらいいなと思いますし、より『あんスタ』、『あんステ』が好きな方々に楽しんでもらえるようにしたいです。そして、アイドルのみんなの成長を見ての感情と、スバルから発せられるメッセージをしっかり受け取ってもらえたら、僕らキャストはすごく嬉しいです。
谷水:「お客さんが入ってこそ、舞台は完成する」とよく言いますが、『あんステ』はわかりやすく空気感も違いますし、ライブシーンでは僕らがみなさんの力を頂いています。ちょっとしんどい時に、もう一歩踏ん張れたりという不思議なパワーが本当にあるんです。なので僕たちもキラキラや元気を与えられたらいいなと思っています。
あとやはり『SS』という、『Trickstar』成長の集大成のお話です。「奇跡」を目撃してもらうのも、僕たちの成長の「軌跡」も見届けてもらうのも、どちらも楽しみに見て頂けたら嬉しいです。
竹中:『あんステ』シリーズをずっと応援してくださっている方もたくさんいると思いますが、今回初めて触れてくれた方にも、過去作を振り返って見てみたいなと思ってもらえる作品になれるようにできたらと。『Trickstar』としても『キセキ』シリーズの完結篇。『あんステ』としての『Trickstar』の成長を見せられるように頑張りたいです。
そして誰ひとり欠けることなく、公演が中止になることなく駆け抜けられるのも、今の時期はひとつの奇跡なのかもしれません。体調管理も含めて気を付けて、お客さまが安心して観に来られる環境を作りたいなと思います。ただただ楽しむ準備をしてきてください!
ーーありがとうございました!
(左から)谷水 力、竹中凌平、橋本真一、松田 岳
取材・文=松本裕美    撮影=荒川潤

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