タイドラマで話題のBillkin & PP Kr
it、『サマソニ』出演を終えたふたり
にFM802 DJ土井コマキが迫る

タイドラマ『I Told Sunset About You ~僕の愛を君の心で訳して~』(2020)でW主演を務めたビルキンとPPクリット。揺れ動く青年たちの心のうちが繊細に描かれたストーリーや演技は、日本でも高く評価されている。彼らの魅力は演技のみに止まらず、ドラマの挿入歌をはじめとするリリース曲はタイで大ヒットを飛ばし続ける。そしてついにBillkin & PP Krit名義で『SUMMER SONIC 2022』出演と単独公演が決定し8月に来日。笑みをこぼれさせながら「日本のファンの前で披露できて幸せ」と振り返る彼らに、自身の番組『EVENING TAP』(毎週水〜木曜、18:00〜21:00)でタイのエンタメも発信しているFM802DJの土井コマキがインタビューを行った。真剣な眼差しで夢を語ったかと思えば、冗談を言って少年のように笑うふたりの青年の姿は眩いものだった。
Billkin & PP Krit
●「日本のファンに幸せな気持ちをお返ししたい」(ビルキン)●
ーーまずは日本にようこそお越しくださいました。ずっと来日を待っていました! 最初に自己紹介をお願いします。また日本に来てからどんなものを食べられましたか?
PP:みなさんこんにちは、PPです。みなさんにお会いできて嬉しいです。日本に来てから食べたものはどれも特別に美味しいです。今回は滞在時間が短いので、その間に全部コンプリートしたくて。昨日の夜は、すき焼きとしゃぶしゃぶを食べました。
ビルキン:こんにちはビルキンです。いつも応援して、僕たちが日本に来るのを待っててくださってありがとうございます。みなさんに会いたかったし、本当にお会いできて嬉しいです。日本に来てから毎食、何を食べてもおいしくてエンジョイしています。実はタイでも和食をよく食べていて、中でもしゃぶしゃぶが一番好きです。
ーー何か甘いものは食べました?
ビルキン:(質問にかぶるように)さっき桜のアイスクリームを食べました。あと……。
2人:わらびもち!
PP:好きです。豆乳の中にわらびもちが浮いているアイスクリームを食べましたよ。
ビルキン:アイスクリームを見つけたらすぐに買って食べています。
PPクリット
ーー日本をエンジョイしてもらえているようで良かったです。さて、8月20日(土)に出演された『SUMMER SONIC』でのライブを私も拝見しました。本当に素晴らしかったです。
PP:ありがとうございます。『SUMMER SONIC』ではファンのみなさんからすごくパワーをもらいました。ステージに上がる前はとても緊張していたのですが、応援していただけて本当に嬉しかったです。
ビルキン:僕もかなりプレッシャーを感じていました。でも実際にステージに上がった瞬間にすごく喜んでもらえて、アーティストとしてはすごく幸せな瞬間を過ごすことができました。待っててくれてありがとう。僕たちが精一杯頑張ったショーを楽しみに待っていてくれたので、一緒に楽しんで幸せな気持ちをお返ししたいなと思いました。
ーーこちらこそありがとうの気持ちです。おふたりの「歌を伝えたい」という気持ちが伝わってきました。PPさんはBIBIの「The Weekend」をカバーされていましたね。
PP:ライブの真ん中で英語の曲があっても良いかなと思ってBIBIさんの「The Weekend」も選曲しました。YouTubeで展開している「'In The Mood' Live Session」というプロジェクトの中でカバーしていましたし、BIBIさんは好きな歌手なので披露したかったのもあって。
ビルキン
ーー確かに英語の曲が入るの良かったですよね。すごく素敵でした。初めての海外でのライブを終えて、どんなお気持ちですか?
ビルキン:元々アーティストになりたいと思っていたので、やはり作品を通して自分を語るということはすごく幸せなことだなと思っています。『SUMMER SONIC』のステージで、世界的なアーティストに混じって日本のファンの前で歌うなんて思ってもいなかったので、とっても嬉しくて、何もかもが幸せです。
ーー『SUMMER SONIC』では「Skyline」の最後に日本語で歌われたので、思わず声が出てしまいそうになるほど感動しました。私たちの気持ちは届きましたか?
PP:実は漏れ出た声も聞こえて来ていました(笑)。あまり日本語の発音はよくないのですが、今回の日本のショーのために特別に用意して練習してきたので、喜んでもらえて嬉しいです。
ーーいやいやすごく上手でしたよ。
2人:本当に!?

ーー全部綺麗に聞き取れました。しかも綺麗な日本語の言葉遣いですよね。

2人:ありがとうございます(日本語で)!
PP:僕がステージで着た衣装を着てみたいですか(笑)?
『SUMMER SONIC 2022』の様子。インタビュー中にPPが土井に「この衣装着てみたい? 送りますね」と冗談を言う場面も。
ーーえ! あれですか? 入らないと思います(笑)。
PP:入る! 入る!
ーーじゃぁ着てみようかな(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
ーーさて、8月24日(水)には『SUMMER SONIC EXTRA』として恵比寿ガーデンホールにて単独公演『Billkin & PP Krit - Premium Live in Tokyo』も開催されます。どういう公演にされる予定でしょうか?
ビルキン:日本でショーをすると初めて知った時に、日本のライブがどういうもので、海外のアーティストとして何を見せたいかをチームのみんなで話し合いました。そのなかで今回はダイナミックなショーにすることにしました。
PP:日本向けには今年の2月に、プラットフォームサービス「Moment House Japan」のローンチイベントとして『Lost and Found First Worldwide Digital Performance』というイベントを配信したことがあります。その時は映像でストーリーを語る演出にしていました。ですが今回はライブなので、タイのアーティストとしてT-POPを見せたいと思っています。単独公演ではT-POPレジェンドのP'バード(・トンチャイ、P'は目上の人に使う敬称)の曲をカバーし、特別なショーに仕立てます。
Billkin & PP Krit
ーー楽しみですね。欲を言うと「Coming of Age」を聴きたかったのですが、ワンマンでは演奏されますか?
ビルキン:おお……。実は、今回はダイナミックショーというコンセプトがあるので、スローバラードはやらないと決めているんです。
ーーでは次回のお楽しみですね!
ビルキン:このあと家の裏で歌ってあげますよ。(笑)
PP:Bluetoothで送る(笑)?
次ページ:俳優活動、単独公演のレポート→
Billkin & PP Krit
●「俳優になれたのはビルキンのおかげでもある」(PP)●
ーードラマのお話も伺いたいです。おふたりが主演を務められた『I Told Sunset About You ~僕の愛を君の心で訳して~』では、どちらも俳優を目指す学生を演じられていました。おふたりはいつ頃から俳優を目指されているのですか?
ビルキン:役者になりたいと思ったのは大体中学2〜3年生の頃でした。『Hormones: Wai Wawun』(2013)というドラマを観てから演技にも興味を持ち始めて。キャラクターの映し方や映画の撮り方が、今まで観て来た学園ドラマとは違って衝撃的でしたね。ドラマの舞台裏映像を観ていたら、制作のプロセスやチャレンジしている中での楽しさなどもわかってきて、役者になりたいと思うようになりました。そしてラッキーなことに『Hormones』を制作したNadao Bangkokに入ることになったんです。Nadao Bangkokに入ってからは会社の人たちが演技など色々教えてくれたので、良い演技をしたいと思いますし、良い作品を生み出していきたいと思っています。
PP:実は元々シャイな性格で、自分を表現するのも得意じゃなかったし、自分のルックスには自信がなかったので俳優は目指していなかったんですよね。でもスタッフがチャンスをくれて、挑戦してみたら楽しかったし、良い経験になりました。あとはビルキンのおかげでもあるんですよね。ビルキンとは事務所に入る前から仲が良かったので、一緒にサポートし合いながらここまでやってきました。
Billkin & PP Krit
ーー目標は達成されたのではないかと思いますが、今後の夢があれば教えてください。
PP:まだまだですよ。ドラマもまだ2〜3本しか出演していないし、曲も数曲しか作っていません。もし日本のアーティストとコラボできるチャンスがあれば、ぜひ挑戦してみたいです。ドラマや曲については現在制作中ですのでお楽しみに。
ビルキン:アーティストとしての楽しさというものを追求したいと思います。いろんなことに挑戦して、何が好きで何がすきじゃないのかを見極めたいですし、演技や音楽をもっともっと深掘りしていきたいです。それから日本の音楽というのはすごく個性的で、曲の中に日本の文化や自分らしさが潜んでいると思いますし、もし機会があれば喜んで日本のアーティストとコラボレーションしたいです。
Billkin & PP Krit
ーー最後に、大阪のファンに一言お願いいたします。
ビルキン:大阪のファンの皆さん、いつも応援をありがとうございます。実は大阪には行ったことがあって、大阪城の写真を今でもとってあるんです。大阪が大好きなのでまたいつか行ってみたいですし、お会いできたらと思います。本当にありがとうございます。
PP:みなさんふたりをいつも応援してくださりありがとうございます。機会があればまた日本に戻って来たいですし、日本のいろんな場所に行ってみたいです。応援メッセージもチェックしています。一生懸命成長して、良い作品をみなさんの応援へのお返しにしたいと思いますし、一緒に幸せを感じていただけたらと思います。(日本語で)ありがとうございます。
ビルキン:(日本語で)ありがとうございました。
●まさかの伏線が回収された、プレミアムな一夜●
インタビューの翌日に、初の来日単独公演『Billkin & PP Krit - Premium Live in Tokyo』が開催された。プレミアムな夜をちょっぴりお裾分けしよう。
『Billkin & PP Krit - Premium Live in Tokyo』
トロンボーン、トランペット、サックス、ギター、ピアノ、ドラム、ベースという豪華なバンドサウンドが鳴り響く中登場したビルキンとPP。ふたりの声で華を添え、「Safe Zone」を切なくポップに歌い上げた。続けてそれぞれソロでリリースしている「Special One」をデュエットにアレンジし、美しいハーモニーを響かせた。
『Billkin & PP Krit - Premium Live in Tokyo』
束の間のMCを挟み、ビルキンからソロパートに突入。ほぼ伴奏がない状態から歌い始める「Untold Answer」の最初の一音目から、その音程の的確さに驚く。しかも、WOWOWオンデマンドでアーカイブを見返すと、イヤモニを外していて、さらに衝撃を受ける。インタビューで「アーティストになりたかった」と伝えてくれたが、まさにアーティストそのものだった。
『Billkin & PP Krit - Premium Live in Tokyo』
そしてPPが「Hold Me Tight」、「The Weekend」、「I'll Do It How You Like It」を儚げに、キュートに、セクシーに畳みかける。曲が変わると纏う雰囲気も瞬時に変えるという、俳優ならではのパフォーマンスに観客はうっとり。極め付けは「I'll Do It How You Like It」の艶やかなダンスだ。見惚れるがあまり、あちらこちらでペンライトを振る手が止まっていたのが印象的に残る。
それぞれ個性を発揮し、あっという間にアンコールへ。
「本当は用意していた曲はもう全部終わっちゃったんですけど(笑)。『SUMMER SONIC』に行ってたくさんのファンに出会って、「まだ歌っていない曲があるよね? 歌わないの?」と聞かれたんです。だからこの歌を歌わないと、きっとずっと後悔すると思って」(ビルキン)
「午前1時まで練習して、この歌をみんなに聴かせたいと思いました」(PP)
そう告げて始まったのは、土井がリクエストしていた「Coming of Age」だった。他にもたくさんの要望が寄せられていたのだろうとは思うが、「日本のファンのために」とたったひと晩で完成させたことに強く心を打たれる。10月13日(木)にはWOWOWにてライブ映像も用いられた番組が放送されるので、ぜひふたりの努力と誠実さを感じ取ってほしい。
そして丁寧に質問に答えて、もっと深掘りしたい話をしてくれたふたりに。お願いです! また日本に来て音楽の話をもっと聞かせてください!
『Billkin & PP Krit - Premium Live in Tokyo』
取材=土井コマキ 文=川井美波 撮影=大橋祐希

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