南座『吉例顔見世興行』今年も開催決
定、24年ぶりの中村獅童出演など「フ
レッシュな顔ぶれでお届けする」

南座が9月26日(月)に実施した製作発表にて、12月4日(日)から25日(日)まで、『京の年中行事 當る卯歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』を開催すると発表した。昨年同様に三部体制で実施、さらに同興行としては24年ぶりに中村獅童が出演し、初の主演を勤めることがわかった。
上演する演目は、第一部が「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) すし屋」と「大野恵造作 龍虎(りゅうこ)」。第二部が「恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり) 新町井筒屋の場」と「秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)」。そして第三部が「年増(としま)」と「近松門左衛門作 女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」となる。久しぶりに上演される作品や、馴染みの演目でも主演以外の配役が初役で固められていたりと、フレッシュな顔ぶれが揃う。
●第一部●
中村獅童 (c)松竹
特に第一部は初役となる役者が多い。「すし屋」の主人公、いがみの権太は『吉例顔見世興行』に24年ぶりの出演となる獅童が勤める。獅童は巡礼興行では同役を演じたことがあるものの、本公演としては今回が初となる。お里役を勤める中村壱太郎は二回目、その他中村鴈治郎や中村隼人らも初めての梶原平三景時役、弥助実は三位中将維盛役に挑む。
中村扇雀 (c)松竹
そして48年ぶりに上演される「龍虎」。片岡仁左衛門と初代尾上辰之助が勤めて以来で松竹の山根成之専務取締役は「非常に珍しい踊り」と語る。もちろんこちらも初役同士となり、龍役を中村扇雀、虎役を中村虎之介の親子が演じる。
●第二部●
中村鴈治郎 (c)松竹
一方第二部の「封印切」と「松浦の太鼓」は、それぞれ鴈治郎(亀屋忠兵衛役、八回目)と、仁左衛門(松浦鎮信役、六回目)の主演陣をはじめとして馴染みの配役が占める。「封印切」は鴈治郎以外にも扇雀(傾城梅川役、十回目)や片岡愛之助(丹波屋八右衛門役、五回目)など、上方の役者を中心に構成。「『顔見世』らしく手慣れた配役で、安定した舞台をお届けできる」(山根専務)と意気込んだ。
片岡仁左衛門 (c)松竹
さらに29年ぶりの上演となる、12月の両国橋が舞台の「松浦の太鼓」は、仁左衛門が得意とする演目のひとつだ。12月の今回は仁左衛門と中村歌六(宝井其角役、八回目)という手慣れた二人が、もう一人の主役である大高源吾役の獅童など、初役を勤める役者らを支えていく。
●第三部●
中村時蔵 (c)松竹
第三部では42年ぶりに『吉例顔見世興行』で「年増」が上演される。お柳を勤めるのは初役となる中村時蔵。
片岡愛之助 (c)松竹
さらに「女殺油地獄」を初上演する。「主役の河内屋与兵衛(本公演としては四回目)を勤める愛之助さんと、思い切ったことをしなければいけないという話になった。上方色が強い狂言で、各演目が一時間程度の『顔見世』としては珍しく長尺、かつ油を使うため夜公演しかできないという制限の多い同演目に挑戦することにした」とする。
南座では10月1日(土)から幕が開く『藤山寛美三十三回忌追善喜劇特別公演』を皮切りに、着席での飲食を再開する。そのため同公演でも自席での飲食は可能とする。チケットは11月9日(水)より、イープラスほかプレイガイドにて発売開始。
取材・文=川井美波

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