まるり、ドラマ『パパとムスメの7日
間』EDテーマ「ホントの私」でメジャ
ーデビュー “歌姫”という夢への大
きな一歩を踏み出したまるりに迫る

男女デュオ・まるりとりゅうがとしての活動を経て、2022年4月からソロアーティストとして本格始動したまるり。8月31日には、ドラマ『パパとムスメの7日間』のエンディングテーマに起用されたデジタルシングル「ホントの私」でメジャーデビューし、“歌姫”という夢への大きな一歩を踏み出した。

キュートで明るく、飾らぬ姿でファンを魅了する彼女が明かすこれまでの苦悩。そしてメジャーデビュー曲「ホントの私」や自身の意外な一面、これから挑戦してみたいことなど、たっぷりと語ってくれた。
――今回の撮影で着用されたチェック柄のセットアップ+ロングブーツ、秋らしくて素敵ですね。
ありがとうございます、嬉しい! 写真やMV撮影のときの衣装は基本的に自分で選んでいて、メイクも自分でするんですよ。今回の衣装のテーマはまさに“秋”で、好きなブランドの新作です。チェック柄は間違いなく可愛いかなと思って。品がなくならないように気をつけながら、去年から引き続き流行っているロングブーツを合わせてみました。
――読者の方もマネしたくなるコーデだと思います。歌やトークに長けているだけでなく、セルフプロデュースまでできてしまうまるりさん。まるりとりゅうがとしての活動を経て、2022年4月からソロアーティストとして始動し、8月31日にはデジタルシングル「ホントの私」でメジャーデビューを果たしました。目まぐるしい日々の中で、どんなことを感じていますか?
私はもともと、“歌姫になりたい”っていう夢を持って地元・福岡から単身上京したので、ソロアーティストとしてのデビューという機会をいただけて、本当にありがたいなと思っています。上京後、居酒屋やエステサロンでバイトをしながら夢を追っていたんですけど、SNSへの歌動画の投稿をきっかけにたくさんの人に応援していただけるようになって、りゅうがくんにも出会って。お互いにいつか独り立ちしようね、と言っていたら思いの外その機会が早く訪れました。りゅうがくんも背中を押してくれているし、いろんな人に感謝しかありません。
まるり
――そういった心くばりのできるまるりさんだから、みんなが応援したくなるのでしょうね。“歌姫になりたい”という夢は小さいころから抱いていたのでしょうか。
6歳から高校3年生まで合唱団に所属していて、歌が好きだったし、浜崎あゆみさんや西野カナさんなど“歌姫”と呼ばれるアーティストへの憧れはすごくありました。かといって自分はそんなに歌が上手なわけではなかったんですけど、カラオケで失恋ソングを歌うと友達が泣いてくれたり、文化祭のステージで歌ったときにはそれまでにない感動を味わったりして。自分自身が恋愛で傷ついたときにたくさんの歌に救われてきたように、いつか自分の歌で誰かの心を癒やしたり勇気づけたりしたい。高3のときに、それまで目指していたバスガイドではなく、歌姫になろう!って決めました。福岡にある短大の音楽科に通いながら、オーディションを受けては最終選考で落ちるという日々が続いて……もう無理なのかなと思っていた矢先、短大1年の3月にとあるオーディションに合格したんです。
――ドラマのような展開! ただ、大学生活はまだ道半ばだったはず。
そうなんですよ。でも、そのチャンスを逃したら次はないかもしれないわけで、合格の連絡をもらったその日に退学届を短大に出しました。
――驚きの即決即断。
両親もびっくりしていましたけど(笑)、「夢があるんだったら頑張りなさい」って応援してくれて、すぐに上京することになって。オーディションに受かったもののレッスン生のひとりでしかなかったので、東京に住んで生きていくのがやっとだった最初のころは、なかなか大変でした(苦笑)。
――バイトや生活に追われて夢を見失いそうになること、まるりさんはなかったのでしょうか。
全然ありました。でも、ここで諦めたら短大を卒業しなかったこと、東京に出てきたこと、そういう自分の選択が全部水の泡になっちゃうし、自分が心底楽しめるものって歌以外になくて。ライブにお客さんが全然来てくれなくても、私は歌っていたい。その気持ちだけは、絶対に揺るがなかったんです。地元が簡単に帰れない距離にあるし、「歌手になる!」って宣言した手前かっこ悪くて帰れん、という想いもあったので(苦笑)。
――決めたことは最後までやり抜きたい派、ですか?
あ、そうですね! 自分で一度決めたことは、絶対途中で放り出したくない。もう無理かもって思っても、次の日には立ち直っちゃうタイプでもあります(笑)。
まるり
――本当に芯が強い! だからこそ、今があるわけですね。「ホントの私」は7月から放送中のドラマ『パパとムスメの7日間』のエンディングテーマに起用されていますが、これまで応援してきてくれているファンの方はもちろん、初めてまるりさんのことを知った方も含め、たくさんの反響があるのではないでしょうか。
「ドラマにぴったりな歌」とか「ドラマで知って好きになりました」とか「鬼リピしてます」とか、SNSを通じて嬉しい言葉を本当にたくさんたくさんいただいていて。ここからもっともっとまるりの歌声を知ってもらえたらいいなっていうワクワク感がすごくあります。
――ちなみに、15年の時を経てリメイクされた『パパとムスメの7日間』ですが、まるりさんは2007年放送のオリジナル版を観ていたそうで。
小学生のころ、毎週楽しみに観ていたドラマなんですよ。リメイク版のエンディングテーマを担当させていただくことが決まったのは、ニュースでドラマが15年ぶりに復活するっていうことを知ったあとだったんですけど、人生ってすごいことが起きるんだなって思いつつ(笑)……「ホントの私」の歌詞は、健太先輩に恋するヒロイン・小梅ちゃんになりきって書きました。
――<次会う時は君の彼女で会いたいな>という始まりのフレーズからして、恋する気持ちがあふれ出ています。
好きで好きでたまらないっていう一途なところだけじゃなく、そっちも自分のことが好きなんじゃない? だったらはよ言ってくれん?っていう小梅ちゃんの強気なところも2番には入れていたりとか。誰かに恋をしたことがある人だったら共感できる歌詞にもなったんじゃないかなって思います。
――<既読のつかないメッセージに 羊数える午前2時><ホッとするよ 朝の「おはよう!>、<君を想うとなぜ? 自分らしくいられない>といったフレーズにしても然り。
絶対、あるあるですよね。返事が急に来なくなったら、変なこと言っちゃったかな?って不安になるけど、朝「寝ちゃってたゴメン」っていうメッセージをもらえたら安心するし、そのほうが「おやすみ」で終わるより、また次の日もやり取りが続けやすいかもしれないみたいな期待もあったりとか。
――かと思うと、<辛い時も今まで一人きりで 越えてきたでしょ ちゃんと見ていたんだよ 全部 受けて止める>というフレーズには、ただ好き好き!なだけじゃなくて、相手のすべてを受け容れようとする懐の深さも感じます。
サッカー部のエースである健太先輩は、やっぱりすごくモテるんですよ。でも、かっこいいところだけじゃなく、地道に練習を頑張っているところや、試合で怪我をしてしまって悔しい想いをしているところも全部含めて、小梅ちゃんは健太先輩のことが好きなので。伝わって嬉しいです。プラス、自分がこれまで恋愛してきた中で経験したことや、感じてきたことも歌詞に入れました。
――『パパとムスメの7日間』にぴったり、小梅ちゃんの恋心をそのまま表現する曲でもあり、まるりさんらしい感性で彩られた曲でもあり。素敵な仕上がりになりましたね。
ありがとうございます! 毎回絶妙なタイミングで「ホントの私」がかかるドラマを観ながら、感動していたりもします(笑)。そして、メジャーデビューという新しいスタートに相応しい、すごく大切な楽曲になりました。
まるり
――それにしても、あらためて思うのは、まるりさん歌うまい!ということで。それはどうやって磨いたのでしょうか。
昔は人への憧れが強すぎて、誰かの歌を歌うとその人に似せちゃうところがすごくコンプレックスだったんですね。でも、オリジナル曲を歌うようになったら、自分のままで歌うのがすごく楽しくて。「ホントの私」のレコーディングのときも、さっき触れていただいた<辛い時も今まで一人きりで 越えてきたでしょ ちゃんと見ていたんだよ 全部 受けて止める>の部分、最初はメロディが決まっていたんですけど、<ちゃんと見ていたんだよ 全部>のところをより感情的に、自分の得意とする高音で歌わせてもらったりとか。自分らしく歌うというのはポイントかもしれないです。
――曲のストックは結構あるのでしょうか。
音源化はしていないんですけど20曲くらい自作曲があって、ライブではアレンジして歌っていたりします。
――ということは、今後自作曲を発表するタイミングも訪れるかもしれませんね。
音源化してみなさんに聴いていただきたいという気持ちはとてもあるので。ソロアーティストだからこそ、作詞・作曲、ビジュアル面も含めて、まるり色をどんどん押し出していけたら嬉しいです。
――歌や作詞・作曲といった音楽面、さらにはメイクやファッションも含めて存在そのものが、みんなの憧れの的。これからますますたくさんの人に愛されて、影響を与えていく存在になるのでしょうね。
そうなれるように頑張ります! 目指すのは、やっぱり歌姫。ただ、手の届かない存在ではなく、親しみやすい存在ではいたいし、ギャルでいたい。ギャルで歌姫なまるりが、日本を、世界を明るく元気にしていけたらいいなと思っていたりもします。
――ここまでいろいろお話しいただきましたが、シングルのタイトルにかけて“ホントの私”=意外な一面を明かすなら?
私、SNSでも躊躇なく変顔を見せていたりするんですけど……。
――存じております(笑)。
なのに、気になる人の前では全然自分を出せないということが最近わかってきて。
――最近判明したのですか。
そうなんですよ。誰であろうとうぇーい!っていけるとみんなも思ってるし、自分でもそう思っていたんですけど、意外と女子だったというか。モテたいんだな、まるりっていう(笑)。でも、それもまた“ホントの私”なんでしょうね。自分で戸惑っています。
――そんな乙女なまるりさんを歌詞に詰め込んだナンバーも、いつの日か聴いてみたいです。
どうしたん、まるり?みたいな(笑)。でも、そういう好きな人の前で猫かぶっちゃうみたいなこともみんな共感できると思うので。いつかそういう歌詞も書いてみたいです!
まるり
――メジャーデビューを果たした今、これから挑戦してみたいこと、夢がほかにもいろいろとあるのではないでしょうか。
流行がどんどん移り変わっていく中でも、歌い継がれる名曲、代表曲をまるりとして生み出す。これは、自分の中で掲げている大きな目標です。それから、今はセルフプロデュースしていますけど、いろいろなまるりを見せていく挑戦のひとつとして、どなたかに完全プロデュースされてみたいなと最近は思っていたりして。ほかの方にプロデュースされたまるりがどうなるのか、すごく興味があります。
――確かに、際立った個性がほかの感性と混ざれば、刺激的な化学反応が生まれそうです。これまで優里さん、ちゃんみなさんなどとのコラボ動画も投稿されていますが、組み合わせによってガラッと異なる表情が見られますし。
仲のいいアーティストさん、カラーが全然違うからそういう感じになるんですよね。ちゃんみなちゃんと一緒にステージに立ってちゃんみなちゃんの歌を歌ったときには、がっつりオートチューンをかけてラップをしたんですけど、それもすごく楽しくて。“これありかもな”が見つかったりするコラボも、機会があればどんどんチャレンジしていきたいです。

文=杉江優花 撮影=菊池貴裕

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