ONEW(オンユ) 「皆さんがSHINeeと
オンユの希望です」、通訳を介さず自
分の気持ちを日本語で伝えた日本ツア
ー追加公演レポート

ONEW Japan 1st Concert Tour 2022 ~Life goes on~ Special Edition

2022.9.10 国立代々木競技場 第一体育館
SHINeeのリーダーONEW(オンユ)が、9月10、11日の2日間、東京・国立代々木競技場 第一体育館で初のソロコンサートの追加公演となる『ONEW Japan 1st Concert Tour 2022 ~Life goes on~ Special Edition』を開催。9日に配信がスタートした新曲「Dance Whole Day」の初披露をはじめ、日本ソロアルバム『Life goes on』収録曲、韓国で4月にリリースしたソロアルバム『DICE』収録曲など19曲を歌い、圧巻の歌声で代々木体育館を包み込んだ。
オンユは7月6日に、初の日本ソロアルバム『Life goes on』をリリース。7月8日の東京・日本武道館を皮切りに、福岡サンパレス、名古屋国際会議場 センチュリーホール、大阪フェスティバルホールと日本各地をめぐり、追加公演となる代々木体育館でファイナルを迎えた。オンユはアルバムのプロモーションのために6月初旬から来日したが、入隊やコロナ禍もあり、実に約4年ぶりのこと。ほぼ3ヵ月を日本で過ごしながら活動を行った。SHINeeのライブでは日本語堪能なキーとテミンがトークをリードするが、この3ヵ月で彼らにひけをとらないほど進化を遂げたオンユの日本語力。本ツアーでは通訳を介さず、台本ではなくすべて彼の気持ちを直接日本語で伝えることに挑戦した。本人も「歌を聴きに来た人はすみません。トークコンサートみたいです」と笑っていたが、本稿ではファイナル2Days公演の初日、10日の彼のトークを中心に、ライブの様子をお伝えする。
生バンドにストリングスという豪華な編成を従えて、アルバム『Life goes on』のオープニングを飾る「夜明けの世界」からライブはスタート。続けて韓国アルバム『DICE』のサブタイトル曲「On the way」をダンサーと一緒に軽やかに歌うと、「ただいま、オンユです!」と満員の会場に挨拶。なんとそこで、「実は、ビザがなかなか下りなくて、一昨日来ました。開催できるか心配でしたが、こうやって会えて、うれしいです。カンドー、カンドー♪」と踊りながら喜ぶと、「ハーッ」とため息をついて、「本当にしんどかった」と泣きまねをしながら、急遽決まったという追加公演が開催できないかもしれない危機があったことを告白した。
バラード曲を2曲続けた後は、「初ソロツアーが始まったとき、“初足跡(はじめの一歩)”と言いましたが、そのときより日本語が少し成長しました。早くしゃべることはできないけれど、頭の中を説明できるようになりました。最近は4~6歳向けの“くもん(公文)”をやっています。日本語も、曲を表現することも、歌うことも上手くできるように頑張ります」と日本語急成長の秘密を明かすと、「今回の公演は武道館という大きな意味のある場所から始まりました。ここは代々木じゃないですか! SHINeeとして初めて日本で単独コンサートを行った、自分としてもSHINeeとしても意味のある場所。懐かしいですね。SHINeeのメンバーと一緒にまた来られるように、頑張ります! いつできるかわからないけれど、勝手に決めましたー! 待っていてください!」と来年に控えたテミン除隊後のSHINeeでのグループ活動にも想いを馳せた。
中盤は、アルバム『Life goes on』収録の「鱗(うろこ)」(秦 基博カバー)、「やさしいキスをして」(DREAMS COME TRUEカバー)、「Everything」(MISIAカバー)というJ-POPの難曲カバー曲で、見事なボーカルスキルを披露。
カバーセクションの途中では、王子様のようなキラキラの衣装を「いかがですか?」と自慢するとぐるっと回ってポーズを決めて、ファンからのリクエスト上位3曲をアカペラで歌う<リクエストコーナー>を実施。結果は事前に知らされておらず、本人もその場で知るそうだが、3位のドラマ『花ざかりの君たちへ』OST曲「In Your Eyes」では、SHINeeメンバー/ミンホ主演作のタイトルを忘れ、「このことはミンホくんに秘密にしておいてください」とファンにお願い。2位の「Blue」は「緊張感が必要な曲」と言いながら大迫力のアカペラで大きな拍手を集めた。そして1位は、SHINee初の東京ドーム公演で歌ったカバー曲「レイニーブルー」。「音源出てないのに1位なの?」と本人は不思議がっていたが、テミンのピアノ伴奏で涙を流しながら歌ったこの曲は、ファンにとっては伝説の楽曲。バンドメンバーのキーボーディストに「テミンくんの役をしてください」と言って、ピアノの音に合わせて歌うと、再び会場から大拍手が起こった。
この日は中秋の名月。外には雲一つない夜空に美しい月が浮かんでいたが、韓国では秋夕(チュソク)という日本のお盆にあたる連休ということもあり、韓国語で「韓国からいらっしゃった方は?」と客席に問いかけ、「秋夕なのにありがとう」と声をかける一幕もみられた。
本編最後は、アルバムのタイトル曲「Life goes on」が飾ったが、「一緒に踊りたい!」と振付をファンにレクチャー。サビでは会場が一斉に同じ動きをして、一体感を作り上げた。
アンコールでは韓国の最新活動曲「DICE」の衣装で登場し、「DICE」と「SHINeeメドレー(D✕D✕D~Get the treasure~君のせいで)」を続けて披露。アイドルらしい激しいダンス曲をノンストップで続けて、歌い終わると息を切らしぜいぜいしながら座り込む。「一人でSHINeeの公演をしたみたいですね」と言って笑わせると、「1分だけください。充電が必要です」と休憩を要求。武道館では寝転がってしまうくらいの消耗だったので、これまでの6公演で耐性ができたよう。
そして、前日の9日に配信されたばかりの新曲「Dance Whole Day」では「一緒に盛り上がりましょー!」とトロッコに乗ってアリーナを移動。ファンの近くで一緒にジャンプを楽しみながら歌ったが、この曲は「声が出せないから、ジャンプで一緒に盛り上がりたくて2週間前にレコーディングしました」と、できたてホヤホヤ、日本公演を楽しむためのオンユからのプレゼントであることが知らされた。
「6月から3ヵ月日本にいて、たくさんの思い出ができました。この2日間が最後になります。僕の初足跡を一緒にいてくれて、ありがとうございました」と深く頭を下げると、「皆さんが幸せなら、僕も幸せ。一緒に幸せのためにいきましょう!」と語りかけ、ラストの「キラキラ」(小田和正カバー)へ。ステージの端から端まで移動して、ファンに手を振りながら歌った。
そして、「大事な思い出を作ってくれてありがとうございました。ミンホくんがいつも言うように、皆さんがSHINeeとオンユの希望です。これからもよろしくお願いします。サイコー、みんな!! また会いましょう!」と手を振り、ステージを下りて行った。
2010年12月のSHINee初の単独公演『SHINee THE 1ST CONCERT IN JAPAN”SHINee WORLD”』で翌年の日本デビューを発表した思い出の地、国立代々木競技場 第一体育館。ここを一人で、SHINeeのライブと同じようにファンの灯すパールアクアグリーンのペンライトで埋め尽くしたたオンユ。ボーカリストとして、アーティストとして、あの時と同じように、これから先の音楽人生への決意を固くしたのではないだろうか。
取材・文=坂本ゆかり 撮影=田中聖太郎

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