アイナ・ジ・エンドがミュージカル初
主演 ブロードウェイミュージカル『
ジャニス』開幕

BiSHのアイナ・ジ・エンドが主演をつとめるブロードウェイミュージカル『ジャニス』の日本公演が、2022年8月23日、25日、26日の3日間、東京国際フォーラム ホールAで上演される。開演前日の22日にはゲネプロ(通し稽古)が行われ、伝説のロックシンガー“ジャニス・ジョプリン”の人生をテーマにした舞台が披露された。
ブロードウェイミュージカル『ジャニス』 撮影:興梠真穂
ブロードウェイミュージカル『ジャニス』は“亡くなる1週間前の、一夜のコンサート”をコンセプトに、伝説のロックシンガー、ジャニス・ジョプリンの音楽人生を舞台化した作品。
60年代に彗星の如く登場し、魅惑的なハスキーボイス、濃密なソウルを刻み込んだボーカルによって時代を象徴するスターとなったジャニスを演じるのは、本作がミュージカル初主演となるアイナ・ジ・エンド。さらにアレサ・フランクリン役にUA、ニーナ・シモン役に浦嶋りんこ、オデッタ&ベッシー・スミス役に藤原さくら、エタ・ジェイムス役に長屋晴子(緑黄色社会)と現在の音楽シーンを代表するキャストが名を連ねている。ミュージカルのファンはもちろん、J-POPユーザーも楽しめる間口の広い作品と言えるだろう。
ストーリーは、ジャニス(アイナ・ジ・エンド)が自身の人生を語りながら「Summertime」「Piece of My Heart 〜心のカケラ〜」「KozmicBlues」といった代表曲や、彼女の音楽に影響をアレサ・フランクリン(UA)をはじめとする60年代のブルースを織り交ぜながら展開される。
60年代を代表するシンガーの座を手に入れるも、1970年に27歳で逝去。半世紀以上が経った現在も世界中の音楽ファンを魅了している彼女の人生を追体験できる。ジャニスが音楽やアートに魅了された幼少期からはじまり、シンガーを志したきっかけ、スターダムを駆け上がった経緯なども盛り込まれ、彼女のキャリアに詳しくなくても十分に楽しめる構成だ。60年代の雰囲気を感じさせるキャストの衣装にも目を奪われる。
 
舞台の中心を担っているのはもちろん、アイナ・ジ・エンドだ。“楽器を持たないパンクバンド”を掲げるアイドルグループ・BiSHのメンバーとして活躍しているアイナは、自身のソロ活動のほか、東京スカパラダイスオーケストラDISH//などの作品に参加するなど、シンガーとして高い評価を得ている。今回のステージで彼女は、全身全霊でジャニスを熱演。見どころは多いが、特に魂をむき出しにした「Cry Baby」の歌唱には強く心を動かされた。それはまさに、愛と音楽を求めて続けたジャニスの姿そのものだ。
アイナ・ジ・エンド 撮影:興梠真穂
ジャニスと自分との共通点についてアイナは、「人に言葉で伝えるのでなく、そのエネルギーを歌に持っていくみたいなところは(ジャニスとの)ちょっと共通点なのかなって思ったりしていますね。生きがいが歌、みたいな」とコメント。歌うことに人生を捧げたジャニスを演じることで彼女は、ボーカリスト/表現者としてさらなるステップアップを果たすことになりそうだ。
また、“ソウルの女王”アレサ・フランクリンをゴージャズに体現したUA、ニーナ・シモンの迫力ある歌声を再現した浦嶋りんこをはじめ、藤原さくら、長屋晴子も、普段の音楽活動とは一味違うボーカルを披露。彼女たちのパフォーマンスを通し、50~60年代のブルース、ソウル、ロックンロールの素晴らしさを実感できるのも本作の魅力だ。
UA 撮影:興梠真穂
浦嶋りんこ 撮影:興梠真穂
藤原さくら 撮影:興梠真穂
長屋晴子(緑黄色社会) 撮影:興梠真穂
総合プロデューサーをつとめる亀田誠治(Ba)を中心に、河村"カースケ"智康(Dr)、小倉博和(Gt)、名越由貴夫(Gt)、斎藤有太(Key)、山本拓夫(Sax)、西村浩二(Tp)、半田信英(Tb)という凄腕ミュージシャンたちによる生演奏も絶品。そう、ジャニスの人生を描いた波乱万丈のストーリー、生々しいグルーヴを描き出すバンドサウンド、そして、キャスト陣のボーカルが生み出す化学反応こそが、このミュージカルの真骨頂なのだと思う。
日本を代表するトップアーティストとミュージシャンが、溢れんばかりの愛とリスペクトを込めながら、ジャニス・ジョプリンの音楽人生を描いたミュージカル『ジャニス』。貴重なステージをぜひ、会場で体感してほしい。
取材:森 朋之

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