美波「カワキヲアメク」歌詞の意味を考察!愛を求める主人公の心情とは?

美波「カワキヲアメク」歌詞の意味を考察!愛を求める主人公の心情とは?

美波「カワキヲアメク」歌詞の意味を
考察!愛を求める主人公の心情とは?

未熟だけど美しく生きたい

シンガーソングライターの美波が2019年にリリースしたデビュー曲『カワキヲアメク』は、TVアニメ『ドメスティックな彼女』のオープニング主題歌に起用された楽曲です。
歌詞とリンクしたアニメーションMVの再生回数は1.6億回を超え、国内外のファンに高く評価されています。
▲美波 - 『カワキヲアメク』【OfficialMusicVideo】
カタカナ表記のタイトルは「渇きを叫く」と変換することができます。
このタイトルから主人公は渇きを感じていて、あまりにも満たされないそれに心が叫んでいる状態にあると解釈できるでしょう。
彼女が抱えている渇きとは何なのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
冒頭の一節は主人公の願いが込められているようです。
「無ジョウ」はおそらく思いやりがない「無情」と人の儚さを表す「無常」の両方の意味があるのでしょう。
自分は未熟で無情かつ無常な存在だけれど、美しくありたいと望んでいます。
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
「No Destiny(運命なんてない)」と思うのは、その言葉に自分がふさわしくないから。
「物、金、愛、言」が今あるだけでは物足りないとでも言っておけば人生はうまくいくものでしょと、少し投げやりな見方をしています。
しかし、そうして自分をよく見せる「自己顕示」にはそろそろ飽きてきているようです。
そんな自分に既視感を覚えた主人公は、自問を繰り返します。
「何が不満なんだ?」「散々ワガママ語っといてこれ以上他に何がいる?」という問いは、自己顕示を続ける自分に宛てたもの。
しかし、いくらやめたいと思っていても、何度も自己顕示欲は湧いてきます。
結局どうしたいのか、中途半端な自分に「聞き飽きたんだよ、そのセリフ。」と厳しく言葉を投げかけます。
愛を渇望する主人公の叫び
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
サビで主人公の叫びが明らかにされます。
ストレートな「愛して」というフレーズの通り、愛を求めているのです。
遊びとしてなら簡単に関係を持てるのに本当に好きな人とはうまくいかなくて、愛の難しさを感じています。
「軽い」と書いて「おもい」と読ませているのも、言葉としては軽く言えるものでも実際に求めているのは、そこに込められた気持ちの重さだということを伝えているのでしょう。
出来レースと分かっていても、いつか気持ちが通じ合うのではと期待してしまうから、使い古された「引用だらけのフレーズ」も心が跳ねて「踵持ち上がる言葉」もいらないと拒んでいます。
心の渇きを潤すように降り出した雨にすら、そんなものはいらないといら立ちを感じている様子が見えてきます。
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
「まどろっこしい話は嫌」というのは、あれこれ言われると期待してしまい裏切られた時が怖いからでしょう。
「2文字以内」で言えるのは「好き」という言葉くらいです。
端的に愛を囁かれる方が分かりやすく、疑わなくて済みます。
続く「紅の蝶」は主人公自身を表しているのでしょう。
人からの愛を渇望していながら自身は一人の元に留まれない様子は、さながら蝶のようと言えるでしょう。
紅という色は一度染めると他の色に染めるのが難しい色です。
自分からは決定的な言葉を伝えず、誰の愛にも染められない生き方に酔っているようにも見えます。
拒絶してきた愛を受け入れてみる
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
このサビでは「応えられないならほっといてくれ 迷えるくらいなら去っといてくれ」と理想と違う愛を拒絶していますね。
主人公は愛を求めてはいますが、ただ甘いだけの満たされない「あめ」ならいらないのだと反発します。
後半の歌詞を見ると「このまま期待したままで良かった」のに、自分を変えたくて大人ぶったせいで得られそうだった愛すらなくしてしまった状況なのでしょう。
自ら拒んでは愛を求める終わらない "いたちごっこ" に苦しんでいることが分かります。
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
どこかから「コピー、ペースト」したような愛情なんて嫌だと思っていたのに、次第にそんなものでも満たしてくれるならと受け入れたくなっていきます。
「此処いたいよ」のフレーズは、愛がもらえる「此処にいたいよ」という意味と流されそうになる自分に「心が痛いよ」という意味を重ねているのではないでしょうか。
自身の矛盾した気持ちに、戸惑っていることが感じられます。
カワキヲアメク 歌詞 「美波」
https://utaten.com/lyric/qk19018084
「重い真実」のように語られても所詮は「うそ」の感情だから、もう期待するのはやめにしようと決めたようです。
人も愛も、自分の理想通りとはいかないからです。
今日も降り続く雨は、主人公が期待していたのとは違うどこにでもあるような小さな愛なのかもしれません。
しかし、今度は思い切って、拒絶してきたそれを受け入れることにしました。
目の前に差し出される愛を認めた時、心の渇きはきっと少し満たされるはずです。
自分の感情にばかり目を向けていては幸せになれない、ということに気づかせてくれる歌詞ですね。
美波が伝える歌声と歌詞のメッセージに注目
美波の『カワキヲアメク』には、愛や特別であることを願う人の自然な欲求から生まれる歪んだ気持ちが綴られていました。
まさに感情を叫ぶような美波の歌声と歌詞のメッセージに惹き込まれます。
意味深いMVの演出も合わせてじっくり歌詞を聴いてみてくださいね。

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