CHiCO with HoneyWorks

CHiCO with HoneyWorks

【CHiCO with HoneyWorks
インタビュー】
歌詞の目線的には男の子だけど、
ヴォーカルのイメージは
“可愛い女の子”

生きづらい世の中でつらくなった時は
遠慮せず人に助けを求めることが大事

一方、カップリングの「ロボット」はとても不思議な曲で。人間がいなくなってロボットが暮らす時代を歌っているのかと思いきや、あくまでも“ロボット”という単語は“心を失っている”ことの比喩として使われている…という解釈で良いのでしょうか?

私もその解釈で一致しています。最初はロボットが人間の文化に“過去”というかたちで触れて、憧れを抱く…みたいなファンタジーが入ったイメージで聴いていたんですけど、歌詞が進むにつれて“なるほど!”と。私が想像していた何倍も考えさせられる深い楽曲になっていて、これは歌い甲斐があると感じました。

“昔は空が見えた”とか“寄り添い合った”なんて歌っていますからね。ただ、逆に“物を捨てていた”“痛みで支配していた”といったネガティブな表現もあって、無条件に人が心を持っていた時代を賛美しているわけではないと。ヴォーカルもどこか淡々としているような印象もあって、歌うのは相当難しかったのではないかと思うんです。

歌唱に関して言うと、通常はHoneyWorksのスタジオにお邪魔して、その場でヴォーカルディレクションを受けてから、本番のレコーディングに進むという流れなんですね。ただ、今回は自分で仮歌を録音してデータを送信するというスタイルだったので、改めて自分でイチから歌い方を考えることができました。

なるほど! 普段より自分の意志をより色濃く反映させられたと。

はい。どのフレーズを際立たせたいのか、最初から自分で考えて、歌って、確認して。仮歌データを送信するまで、自分の判断でワンコーラス歌いきるのは、新鮮で楽しかったです。そこからBメロの“ah”のエッヂヴォイスだったり、Dメロの《人になりたい/心が欲しい/人になりたい/思い出したい》は淡泊に歌ってほしいといったアドバイスもいただけたので、本番ではスムーズに歌えました。最終的にAメロ、Bメロは語り手のように近くで聴いている人に伝える感じで、サビは壮大なイメージで遠くの人にも聴こえるような伸びのある歌い方を心がけました。

周りを思いやる心を失って、自分のことしか考えない、まさに歌詞にあるような“エゴイスト”が増えている現代の世相を皮肉った曲ですが、CHiCOさんご自身はどのへんに一番共感されました?

そうですね。人間である自分自身、当事者なのに客観的にとらえていたり、でも、心の内では憧れていたり、寂しがってもいたり。本当に人間って大変な生き物で、抜け出したい気持ちがあっても同調圧力や周りからの視線もあったりして、なかなか生きづらい世の中だと思うんです。そういった中で心がつらくなったりしたら、遠慮せず人に助けを求めることが大事なんじゃないかなって。私たちは音楽といういろんな人たちとつながれる手段を選んで手を差し伸べているので、少しでも誰かの支えになれていたら嬉しいです。

アグレッシブでもエモーショナルでもなく、さりげなさの中に考えさせられるメッセージを秘めた曲ですよね。さて、現在ホールツアー『Bee with U』を開催中ですが手応えはいかがですか?

ファンのみんなも少しずつコロナ禍での公演に慣れてきたみたいで、何の心配もなく最初から最後まで楽しくライヴができています! 初めましての方もわりと多かったんですけど、ライヴ慣れしたファンの方々がリードしてくれたので、全員でライヴを作っているんだなぁという感じも強かったですし、初披露の曲ではみんなと踊れるように振り付けも考えていったんですよ。ライヴが終わっても余韻から抜け出せないファンの方もいたみたいで、カラオケに行ったり、ダンス動画にしてTwitterで見せてくれたりと、楽しんでくれていたのが嬉しかったです。

そして、11月5日には日比谷野外大音楽堂でのワンマンも決定しましたね。

ゲストとして亜咲花ちゃん、konocoちゃん、三月のパンタシアのみあちゃんが一緒にライヴを盛り上げてくれるので、どんな曲が飛び出すのか楽しみにしていてほしいです! おまけに11月の野音は初めてなので、秋の野外ならではの空気感も早く感じてみたいですね。

取材:清水素子

シングル「ヒミツ恋ゴコロ」2022年8月3日発売 MusicRay’n
    • 【アニメ盤】(CD+グッズ)
    • SMCL-781
    • ¥1,397(税込)
    • (C)宮島礼吏/講談社

ライヴ情報

『LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks summer hall tour 2022「Bee with U」』
※終了分は割愛
8/14(日) 愛知・愛知県芸術劇場 ⼤ホール
9/19(月) 大阪・オリックス劇場

『LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks summer hall tour 2022「Bee with U ~11月のミツバチ~」』
11/05(土) 東京・日比谷野外大音楽堂
ゲスト:亜咲花、konoco、三月のパンタシア

CHiCO with HoneyWorks プロフィール

チコ・ウィズ・ハニーワークス:ソニーミュージック主催にて実施されたボカロとアニソン特化型の全国区オーディション『ウタカツ!』で第一回グランプリに輝いた”CHiCO”と、ネットでの動画総再生回数が8億回を超え、話題沸騰中のクリエイターチーム”HoneyWorks”とのコラボユニット。2014年8月にシングル「世界は恋に落ちている」でデビュー。以降、ライヴ以外での顔出しはNG、メディアへの露出は声のみとしてきたが、20年9月18日にデビュー曲「世界は恋に落ちている」のスペシャルなピアノアレンジをYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にて披露。歌唱姿を初めてメディアに露出したということもあり、ネット上で大きな話題を呼び、世界中からコメントが殺到している。CHiCO with HoneyWorks オフィシャルHP

「ヒミツ恋ゴコロ」MV

【クロスフェード】
ヒミツ恋ゴコロ

OKMusic編集部

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