L→R Koto(Dr)、野田択也(Vo&Gu)、鮨朗(Gu)、松井友哉(Ba)

L→R Koto(Dr)、野田択也(Vo&Gu)、鮨朗(Gu)、松井友哉(Ba)

【peeto インタビュー】
メンバー全員が伝えたいメッセージを
しっかりと持てている

1stミニアルバム『Virgin』(2022年3月発表)から4カ月で新曲「STREET」と「Remember me」を連続配信した千葉県柏発のカルチャーロックバンド・peeto。“夏と言えばpeeto”と言われるバンドイメージのとおりのサマーチューンだが、それぞれアプローチの違う楽曲が出揃った。新しいことにも挑戦したという2曲について野田択也(Vo&Gu)に訊いた。

今までとは違った狙いを持って
ギターの音を作っていった

前作『Virgin』からこの短期間で、新作を2カ月連続配信リリースされるとは思っていませんでした。しかも、ポップなアッパーチューンの「STREET」、モダンなミドルナンバー「Remember me」とテイストが違うことも驚きで。この2曲はいつ頃から制作をスタートされましたか?

「STREET」は『Virgin』が発売された頃には出来上がっていましたね。もう一曲を同じく夏頃にリリースしようかという話があったので、それから「Remember me」の制作に取りかかったんです。

「Remember me」はストックされていた楽曲ではなく、8月のリリースに併せて制作をされたんですか!?  『Virgin』に収録されていても違和感のない一曲だったので、収録候補曲のひとつだったのかと思っていました。

実は一番新しく作った楽曲なんですよ。5月頃にリリースの話が出たんですけど、“夏と言えば、俺たちpeetoの季節だろう”という想いを込めて、かなり急いで作りました。レコーディングのギリギリまで調整はしていましたが、スッと曲のイメージが浮かんできたので、制作はとてもスムーズでしたね。

“peetoと言えば、夏だろう”とおっしゃられましたが、これまでの作品を聴いてもビジュアルを見てもまさにそうだと思います。野田さんは夏のどんなところが好きですか?

「う~ん…酒ですかね。実はそんなにレジャースポーツとかはしないし、“海に泳ぎに行くぜ!”というような感じでもないので(笑)。

それは意外でした! では、まず「STREET」についてうかがいたいのですが、イントロまでの冒頭の音が鳴ることで、ドライブ中にトンネルを抜けた瞬間に海岸の景色が大きく広がるイメージが浮かびました。とてもいい始まり方ですよね。

ありがとうございます。あの音は曲を作り出した段階から入れていました。この曲のイントロは急に始まると変だからという理由もありますけど、何か入れたほうがいいと思ったんですよね。

また、今回の2曲に共通して言えることのひとつですが、「STREET」はイントロから繰り返さるギターのリフも耳に残りますし、特に鮨朗さんのギターのメロが一曲を通して、歌い続けているところも印象的でした。今回はギターが重要な要素になっているのではないでしょうか?

「STREET」に関しては、今までとは違った狙いを持ってギターの音を作っていったんです。プレイに関しても、鮨朗も僕も新しいアプローチを取り入れています。新しいことにチャレンジしながらレコーディングをした一曲ですね。

おふたりの中でのどのような方向にしたいと思っていましたか?

インディーポップ、シューゲイザー的なサウンドを軸にしながら音作りをしました。曲全体のトラックは僕が作っていたので、いつものようにメンバーへ“もっとカッコ良いフレーズや音が欲しい!”と伝えてアイディアを出してもらって。

となると、曲中で鳴っているギターのメロディー、フレーズは鮨朗さんが考えた?

あのギターのメロディーは僕がトラックを作った時から入れていたので、大枠は僕が考えて鮨朗が調整しましたね。

なるほど。「STREET」を聴いた時に新しいサウンドメイクに挑戦されていることは伝わってきましたよ。

それは嬉しいですね。最近、こんな感じの曲が好きなんです。

今の野田さんの流行りを詰め込んだ一曲ということですか。でも、「STREET」は楽器の演奏面も含めてとてもシンプルな楽曲ですよね?

そうですね。複雑なことは全然していなくて。前作から変わらず、自分たちの中から出てきた音楽をそのままかたちにしたらこんな楽曲に仕上がりました。

随所にクラップ音も入っていて、ライヴでの盛り上がりも意識されたのかなと思いましたが、そのあたりはいかがですか?

意識しましたね。僕の中では簡単なクラップにしたつもりだったんですけど、ライヴで演奏するとお客さんからは難しいという声が多くて。ぜひ練習してほしいと思っています(笑)。

また、今作でも野田さんの歌詞は悩みに寄り添いながらも指標を示してくれるのが読んでいて伝わりました。《先の事はもう 分かんないだって本来》というところも野田さんらしいなと。どんな想いで書かれたのでしょうか?

コロナ禍でも夏らしい楽しみを、難しいことを考えずにやってほしいという気持ちで書きましたね。ここ数年は楽しい夏の遊びができなかったと思うので、歌詞にもありますが《準備はOK?楽しむphaseへ 迎えの波に乗って行こう》というところがポイントです。サビの歌詞に乗せたメッセージは感情的にも明るくできたと思います。

そんな感情の動きが歌詞にもあるからサウンドが自然とサビに向かって明るくなり、サビで弾けているんでしょうね。

そうなんですよね。サウンドに歌詞が乗ると自然とそうなるし、僕は適当な英語を並べて歌詞を書きだすんですけど、言葉が乗ってくると音色が同じでも聴こえ方が変わってくるのが面白いです。

日本語と英語が混ざっているけど、音の気持ち良さを大事にされているとおっしゃっていましたからね。

そこは変わらず、とても大事にしています。

2曲に共通していますが、英語の部分が少なくなりましたよね? それは日本語で伝えたいことが多くなってきたから?

確かに減ってきていると思います。『Virgin』を制作している時くらいから、日本語で伝えたいことをしっかりと書いて、英語は意図的に減らしているんです。音の気持ち良さは大切にしながらも、“ここは英語じゃなきゃハマらないわ”というところは英語を残して。無理に英語を残そうという考えがなくなってきた気がしますね。

『GAL』(2021年7月発表のアルバム)の時は歌詞を書くのも大変だったという曲もありましたが、今作はスッと歌詞が書けたのでしょうか?

『GAL』の時は大変なこともありましたけど、『Virgin』からは自分が思っていることや伝えたいことを自然と歌詞に落とし込んでいるので、メロディーのハマりで悩むことはありますが、内容で悩むことが最近はあまりないです。

なるほど。それで言うとBメロの《太陽迎えにオープンカーでdrive/暗いフリしてんだろ もうこの辺で》の“もうこの辺で”という言い方が野田さんらしさもあるし、性格的に優しさが伝わってくるなと思いました。

Bメロだと“オープンカー”という言葉にこだわりを持って入れたんですよ。

それはなぜですか?

オープンカーって今の時代の流行りとかではないと思いますけど、コロナ禍でマスクをして狭い空間で過ごしている人…それってみんなが普段乗る普通車の中もマスクのように密閉されている空間だから、“それを開放しようよ! マスクを外してオープンな気持ちでドライブをしようよ!”というメッセージを伝えたくて、あえてオープンカーにしました。

確かにこの言葉じゃないとハマらないかもしれないですね。他にこの歌詞がポイント、お気に入りという箇所はありますか?

《愛しのfriendsと少しのalcoholを》をですね。このフレーズは1年前くらいからメモに残していた歌詞なんですけど、やっとピタッとハマる曲ができて使えました。

“少しのalcoholを”というのがポイントですよね。友達の悩みを酒を交えながらゆっくり聞くという情景が浮かびます。

結局、僕の場合は飲み過ぎてしまうんですけどね(笑)。
L→R Koto(Dr)、野田択也(Vo&Gu)、鮨朗(Gu)、松井友哉(Ba)
配信シングル「STREET」
配信シングル「Remember me」

OKMusic編集部

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